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エフェクター電源によるノイズの違い

エフェクターの電源によって音が変わるという話があります。

ノイズが混入し、音の透明感や質感に影響がある場合もあるでしょう。

本来のサウンドの後ろに薄っすらとノイズが乗っていたら音の印象も変わってきます。

そこで手元にある電池、エフェクター用電源(パワーサプライ)によって、ノイズの現れ方に違いがあるのかを確かめてみました。

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検証する電池とパワーサプライ

電池ではエフェクター購入時に付属していた9Vバッテリーと東芝製 TOSHIBA製 6P形充電池 ニッケル水素電池「IMPULSE」、そして電源アダプターではBOSS PSA-100(9V/500mA)とOne Control EPA-2000(9V/2000mA)VITAL AUDIO POWER CARRIER VA-05 MkII(9V/2000mA)の5種類です。

VA-05MKIIは1ポート目を使用するので9V 300mAとなります。

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電源からのノイズは出力信号に乗ります

BOSS OD-3

先の電池や電源アダプターをBOSS OD-3(9V/15mA)で使用し、LEVELを12時、DRIVEはノイズがわかりやすいように2時、TONEは12時でエフェクトオン時の無音状態をCUBASE(DAW)で録音して比較します。

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レンジ幅が広くゲインもあるのでOD-3を使用しますが、デジタルペダルだとまた異なる結果となるかも知れません。

歪み系エフェクター(アナログ)は、入力信号に反応して、増幅素子が電池やパワーサプライから供給される電源を使って新たな信号を出力します。

すなわち電源にノイズが乗っているとゲインを上げたときに増幅素子から出る信号にノイズが乗ります。

DAWで録音した結果をみると、電源の違いによるノイズの周波数特性やノイズ信号の大きさがわかると思います。

電源アダプター方式についての特徴」も参考にしてください。

それではパワーサプライのノイズ比較開始です。

ノイズテスト環境

パソコンやDTM関連機器、エフェクター機材などは壁コンセントからFURMAN SS-6B パワーディストリビューターを経て電源供給しています。

電磁波、電波が原因のノイズを削減するEMI/RFIノイズフィルター、サーキットブレーカーを搭載したFURMANの6アウトモデルに多口の延長コード経由で100V電源を各エフェクター用パワーサプライに供給しています。

極性は検電ドライバーでDTM部屋は全て合わせていますが、家にある全ての家電や機器の極性までは合わせていないので、極性合わせは気休め程度と思います。

また、DTM部屋にある機器でアース線が付いているものは全てアースコンセントで接地させています。

ノイズテスト時のGT-1000エフェクトチェーン

OD-3をGT-1000のセンドリターンに接続してGT-1000のプリセットP23-3「HEAVY X-METAL」のプリセットのギターINの直後にSEDN/RETURN1を持ってきてAMP1とAMP2にOD-3が掛かるようにします。そしてAMP1/AMP2の後ろにあるノイズサプレサーはオフにします。

なお、ギターインからの影響を避けるためギターは接続しません。

100V電源は壁コンセントからFURMAN SS-6Bを経由してGT-1000と各パワーサプライに供給されている状態となるので、アナログエフェクター、デジタルエフェクターは混在した形となり、また、パソコンも起動しているのでパソコン電源やGT-1000に接続されたUSBケーブルから出力音になんらかのノイズが混入する状況を作ります。

OD-3のゲイン2時とGT-1000のハイゲインでもデングx2でノイズサプレッサー無しはかなりのノイズだと思います。

検証開始です。

ノイズテスト結果

それではCUBASEで無音時のノイズを録音した結果をみていきましょう。

エフェクター購入時の付属電池

ノイズテスト9V電池

電圧:9.86V

まずは基本となる9V6P形電池です。

エフェクターとアンプのハイゲイン丸出しがわかる良いノイズです。

OD-3は100V電源に接続されていないのでOD-3のINPUT信号に対して増幅回路が働いている状況です。

OD-3にパワーサプライ接続するとこの電源からのノイズもOD-3の出力に加わります。

これを基準に比較してみましょう。

東芝製ニッケル水素電池「IMPULSE」

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ノイズテストニッケル水素電池

電圧:9.18V

TOSHIBA製 6P形充電池 ニッケル水素電池「IMPULSE」は8.4V/min.200mAhですが、9V以上の電圧が出ています。まだ寿命は大丈夫そうです。

ノイズテスト電池比較

ブルーがニッケル水素電池、オレンジが購入時付属電池です。

外部電源を必要としない電池同士なので概ね同じ結果です。

電圧の関係か、付属電池の方が低域のノイズ又はゲインが多めの結果となりました。

BOSS PSA-100

ノイズテストBOSS PSA-100

パワーサプライからの電圧:9.41V

ブルーがBOSS PSA-100、オレンジが購入時付属電池です。

やはり電圧の関係でしょうか、ここまで電圧の一番高い付属電池が一番ノイズ又はゲインが大きいです。

パワーサプライから何かしらの特有のノイズが混入している音ではなく、エフェクターとアンプモデリングのゲインによる「ザーッ」というノイズです。

One Control EPA-2000

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ノイズテストOne Control EPA-2000

パワーサプライからの電圧:9.14V

ブルーがEPA-2000、オレンジが購入時付属電池です。

電源由来のノイズは聴き取れず、恐らく電圧によるゲイン誤差で付属電池の低域が高いのでしょう。

VITAL AUDIO POWER CARRIER VA-05 MkII

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ノイズテストVITAL AUDIO POWER CARRIER VA-05 MkII

パワーサプライからの電圧:9.22V

これまでの傾向と同じです。

VITAL AUDIO POWER CARRIER VA-05 MkIIはノイズに関して厳しめの評判があるのですが、私の所有している個体では他の電源や電池使用時と大きな差は感じません。

ライブハウスで使用するなどボリュームを上げれば、他の製品との差がわかるのかも知れませんが、ノイズ由来で特定の周波数や全体にノイズが乗るということはありませんでした。

聴覚上も他と比較して差は感じませんでした。

まとめ

結果、電圧が高い付属電池がゲインが高く、聴覚上はどれも同じようにしか聞こえませんでした。

今回はギターエフェクターの電源によるノイズの差を確かめたかったので、ギターアンプからの音で判断しています。

DAW録音からの音をモニタースピーカーから出力するとか、モニターヘッドホンを使用しての必要以上の粗探しは行いませんでした。

あくまで普段使いで気になる違いがあるかか否かの判断です。

エフェクター購入時の付属電池:電圧:9.86V
東芝製ニッケル水素電池「IMPULSE」:電圧:9.18V
BOSS PSA-100:電圧:9.41V
One Control EPA-2000:電圧:9.14V
VITAL AUDIO POWER CARRIER VA-05 MkII:9.22V

電圧は上記のとおりでしたが、電圧の順に誤差の範囲程度に低域のゲインが高いようです。

エフェクターとモデリングアンプのゲインが高く、ゲインノイズに電源由来のノイズがかき消されて埋もれているのかと思い、再度、低ゲインで行ってみましたが、若干低域よりや高域よりな気がする差はあるのですが、余程こだわらなければどうでも良いレベルの差でした。

パワーサプライでは3種類の検証を行ったのですが、これらが仮に同じポート数なら私なら一番安いパワーサプライで良いと思いました。

どれも名の知れた機種で価格も相応なので結果は検証するまでもなかったのでしょう。

あとは耐久性だと思いました。

エフェクター用電源には「デジタルとアナログが混在する場合はアイソレーションされたパワーサプライが良い」とか「電池が良い」等と言われているのは、電源からのノイズの混入があるからです。

アナログエフェクターの場合は電源からのノイズは出力信号に混入します。

ノイズの種類ごとに対策方法は異なるのですが、ゲインを上げるとそもそも微細ノイズも増幅されるので、どこまで気にしてこだわるかは、人により、環境によりといったところでしょうか。

ノイズサプレッサーやノイズリダクション、ノイズゲートなどと呼ばれるエフェクターを使用して、演奏に影響のない範囲でノイズを軽減する方法と、演奏していないときはボリュームペダルで信号を絞る方法などを併用してノイズと付き合うのが一般的です。

電源とケーブルはノイズ耐性が強いもので、また、ノイズの発生源とならない品質のものを使うのが良いでしょう。

私の環境ではパソコンを起動した状態で液晶モニター、ギターアンプを使用し、マルチエフェクターとアナログエフェクターを使用して、いつもの環境で検証したのですが、気になるほどのデジタルノイズや電源ノイズが発生していなかったのでしょう。

電子機器とアナログ機器の数を増やしてテストするとまた違った結果になるかもしれませんが、私の普段使いの環境では、「どれでも良い」となりました。

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