2012年に発売されたMS-50Gの後継機種となるMS-50G+が2023年11月に発売されていました。
その際に「ZOOM MS-50G+の特徴」で私の興味があることを書いていたのですが、その後、入荷待ちの状態がしばらく続き、ようやく最近になって田舎の実店舗でもMS-50G+をみかけるようになったので購入してみました。
人気があることが予測されたのか情報量は多めで、動画サイトやレビュー記事でMS-50G+についてひととおりの機能や使用感について知ることができます。
MS-50G+の良いところ
MS-50G+の良いところは、コンパクトエフェクターの大きさに80種類のモデリングエフェクターと22種類のプリアンプモデルを内蔵しており、それらを自由な接続順で、最大6エフェクトを同時使用することが可能なところです。
また、G2 FOURに搭載されたマルチレイヤーIRがMS-50G+にも搭載されていることでしょう。
この価格でプリアンプモデリングにマルチレイヤーIRが搭載されているとは驚きでした。
エフェクトに応じて色が変わるLCDバックライトも視認性が良いですし、空間系エフェクトのステレオ効果が活かせるようステレオ出力となっているところも良いところです。
先代のMS-50Gと同じくUSBポートを介してファームウェア・アップデートが行えるのも、MS-50G+を長く使用するうえで良い仕様だと思います。
サウンドも先代のMS-50Gと比較して改善されており、現行の小型マルチエフェクターと比較してもヘッドホンで聞くには遜色ありません。
このサウンドと機能でこの価格。
良いところですね。
MS-50G+の悪いところ
MS-50G+の悪いところは、新しく採用されたカーソル型フットスイッチですが、これはパッチメモリーやエフェクト選択を足元の操作で行えるものですが、少し無理があります。
暗いステージやデスク下ではかなり操作慣れしていないと思うような操作はできないと思います。
搭載された4つのエンコーダーノブは、カーソル型フットスイッチの操作の際、誤操作とならないように角度が付いて引っ込んだ感じとなっているのですが、このツマミの操作性が悪いのが難点です。
Handy Guitar Lab for MS-50G+の使い方
専用アプリ「Handy Guitar Lab for MS-50G+(iOS版)」を利用すれば、USB接続されたスマートフォンから、エフェクトの追加、プリセットパッチの入手、パッチメモリーの編集が可能に。エフェクトライブラリを、さらに拡張することができます。(ZOOMサイトより)
この「Handy Guitar Lab for MS-50G+」は現在のところiOSにしか対応していません。
また公式にはiOS 15以降が必要となっており、利用できるのは比較的最近のデバイスに限定されるところが悪いところといえるでしょうか。
ソフトウェア・アップデートすれば比較的最近のiOSまでアップデートできる機種は多いと思います。
私はDTM用にはiPad Air 2という古い機種を利用しているのですが、最新のところまでアップデートするとiOS 15.8.2までバージョンを上げることができます。
iOSだけではなく、アンドロイドやMacOS、Windowsにも対応したアプリがあればと思います。
早速Appストアからダウンロードしてみました。
価格は100円です。
Handy Guitar Lab for MS-50G+から見たエフェクトリストです。
新しいエフェクトをインストールできるようになるとここから本体に転送するのでしょう。
初期の状態で本体メモリ使用率は74%となっていました。
また、本日時点で新しいエフェクトなどは追加されていないようです。
これはパッチメモリーリストの画面です。
新しいパッチリストもここから本体に転送できるのでしょう。
本日時点で新しいエフェクトなどは追加されていないようです。
エディター画面です。
エフェクトをタップするとそのエフェクターの細かな設定を行うことができます。
DZ DRIVE だとこのような感じとなります。
パッチでエフェクトの追加したり削除したり、設定するので一番使用頻度の高い画面です。
やはり他のOSで利用できるようになって欲しいのですが、「100円」を取る仕組みが他のOSでは異なるのか、手数料の関係で価格を合わせられないのか、審査の難しさなのか、開発コストやそこに投資できる人件費の問題なのでしょうか。
選択と集中とはよく言われるものですが、マルチストンプも他機種展開され、それらを使用するユーザーも多様だと思いますので、やはり他のOS版Handy Guitar Lab 発売に期待します。
微妙な位置づけとなったMS-50G+
発売当初はマルチエフェクターがコンパクトエフェクターサイズになったという利便性と、多くのエフェクターが内蔵されているため、エフェクトボードやマルチエフェクターのセンド/リターンにプラスワンできる便利なマルチストンプでしたが。
後に200種類のドライブサウンドを持ったドライブ専用機MS-200D+の発売や
149種類の空間系エフェクトを内蔵する空間系専用機MS-70CDR+が発売され、
今後、IRに特化したIR専用機のマルチストンプの発売が予定されているため、MS-50G+のエフェクト内容に中途半端感が否めなくなってきました。
エフェクターボード前段に置くならMS-200D+の方が良さそうですし、中段は今後発売されるIR専用機が内容が充実し、向いていると思います。
また、エフェクターボード後段に置くなら空間系のMS-70CDR+が良いと思います。
MS-50G+は3種類の特化型マルチストンプから少しずつ集めたエフェクターが入っている印象となってしまいます。
目的がはっきりしている方は他の専用型マルチストンプの方が良いと思いますし、時と場合によって接続位置変わる可能性があると想定する場合はMS-50G+の方が利便性が高いといえます。
専用型と万能型という住み分けとなっているのでしょう。
最近のZOOMは良い意味で少し違う
昔のZOOM製マルチエフェクトは、というよりは私の勝手な印象のZOOMはプリセットが奇抜という印象がありました。
ギターを弾くと爆発音がするエフェクターとか。
MS-50G+でも「BOMBER」は・・・安心してください。入っています。
誰がどんな風に使っているのか、その使用頻度とか興味があります。
しかし、最近のZOOMのプリセットは、プリセット名が曲名やアーティストを連想させるものであったり、この音でこれを弾いてくれと言わんばかりのネーミングがあります。
また、パッチリストにはそのサウンドの年代も記されているものがあり、非常にわかりやすいです。
初心者にやさしいZOOMです。
価格帯も初心者の懐にやさしく、それなのに必要な機能はひととおり押さえているのは今も昔も変わりありません。
今後のバージョンアップに期待
先代のMS-50Gは発売当初は55エフェクトでしたが、ファームフェアアップデートを重ね、最終的にはVer.3で172ものモデリングを有するストンプボックスとなりました。
発売当初のMS-50G+は102種類です。
今後のファームウェアアップデートでエフェクトが充実してくると、MS-50G+の立ち位置の印象が変わってくるかもしれません。
【価格チェックと購入】
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