プロフェッショナル・モニタリング・ヘッドホン Shure SRH840Aを購入したので旧SRH840と比較をしながらレビューしてみます。
Shure SRH840の後継機種として、2022年1月21日にSRH840Aという型番で発売されました。
新型番はシュアーのサイトではSRH840Aと表記され、店頭ではSRH840A-Aと表記されています。
旧型番の時に一部改良が施された際、SRH840-Aとして区別されていた時期があったので、混乱を避けるためだと思います。
旧機種からデザインもリニューアルされ、音響面でも旧モデルをベースにいくつかの改良が加えられ改善されたようです。
SRH840A付属品
SRH840Aの付属品はポーチと3mケーブル、変換プラグで構成されます。
旧型番で不評だったカールコードはストレートタイプに変更されました。
また、新旧でケーブルの互換性はありません。
旧型番では交換用イヤーパッドが付属していましたが、新型番では付属せず別売となっています。
後に記載しますが、旧型番で致命的であったヘッドバンドの耐久性の問題があり、イヤーパッドの交換時期よりヘッドバンドが先に傷んでくるので、イヤーパッドを交換する前に買い替える人も多かったときいています。
SRH840Aの改良点
新型番のSRH840Aでは特に装着感、耐久性、重量や外観の部分が改善しています。
もちろん音質も改良されています。
手前がSRH840A、奥手が旧型番SRH840です。
ヘッドバンド部分ですが、2013年に購入した旧型番SRH840はボロボロになっています。
新型番SRH840Aでは改良され耐久性が向上しています。
ヘッドバンドの耐久性の改善はもっと早く行うべきだったと思います。
購入から10年経過していますが、2年目からボロボロと剝がれるようになり、その後にカバーを付けていたので分かりませんでしたが、かなり傷んでいました。
しかし10年という時の流れを考えれば当然と思われるかもしれませんが、早い時期から傷んできました。
音質は気に入っていたので、ヘッドバンドカバーを作り、そのまま使用していましたが、2022年に新型が発売され、価格も安定してきたので買い替えることにしました。
新しく金属補強されたヘッドバンド
構造を一新し、物理的なバランス、締め付け感、重量を最適化することで長時間の使用でも快適な装着感を実現しています。また材質も新しくなり、金属補強されたヘッドバンド&パッドやデイリーユースにも耐えられる布地の使用で耐久性を向上させ、更に軽量化も図りました。(シュアーサイトより引用)
やはりヘッドバンドの改良には大きく手が加えられているようです。
音質面でも低域、高域ともに改良されているようで、「SRH840」の良いところはそのままに、より洗練された印象です。
SRH840を購入した時のブログを読み返すと、最初は音が固く音域が狭いと感じていたようですが、数日後に改善されています。
今回購入したSRH840Aも、最初はSRH840より音が固く音域が狭い印象を持ちましたが、1日程度中音量で音楽を流したままにしておきました。
やはり製造時はパーツが固いのでしょうか。
いつも理由は解らないのですが、これを行うと音が「馴染む」のです。
その間、音楽を聴いている訳ではないので、耳が慣れたということではないと思います。
よく、「エージング」という言葉をスピーカーやヘッドホンでは耳にします。
私はエージングには半信半疑なのですが、結果、最初の印象はなくなり、旧機種より新機種の方が好みの音であったという印象になりました。
脳で記憶のすり替えと都合の良い感じ方と解釈になっているだけとは思いますが。
10年も経てばパッケージのデザインも洗練されていますね。
左が旧で、右が新です。
その他細かな改良点や改善点も多々あるのですが、ドライバーについて少し書いてみます。
40mmネオジム磁石ダイナミック型ドライバーが採用されていることは同じで、周波数特性が5kHz~25kHzであることも同じです。
しかし、感度 (@1KHz)が102dB/mWから97dB/mWとなっていること、最大入力が1000mWから500mWとなっていること、インピーダンス (@1KHz)が44Ωから40Ωへと変更となっています。
音響面では旧モデルをベースにいくつかの改良が加えられ、高度に調整された低歪みダイナミックネオジウムドライバーにより、自然で安定したオーディオ再生を実現しています。(シュアーサイトより引用)
改良されたドライバユニットのようですが、数値上の仕様は感度や最大入力に大きな変更があります。
現在でも旧型番の展示や店頭在庫もあるようなので、店舗で装着感や音質を確かめる際やネットで購入されるときは、パッケージや本体デザインを確認して、SHURE SRH840A-Aを購入してください。
あえて旧型番を格安で入手するという手もありですが。
新旧機種の音の違い
音は好みですし、何のジャンルを聴くかや用途によって求めるものが変わってくるので、私の個人的感想ですが、
・低域:輪郭が上がった。明瞭さが上がった。音の重心が低くなった。
・中域:生々しい。豊かさが上がった。旧の良いところはしっかりある。
・高域:残響系エフェクトが聴き取りやすい。高く明るく明瞭さが上がった。
全体的に明瞭さが上がって聴こえるので、カメラでいえば、よりピントが合って、かつ解像度があがった印象です。
「高域がよく聴こえる」だけで言えば、SONY MDR-CD900ST や audio technica ATH-M50xの方が前に出て聴こえますし、低域ならaudio technica ATH-M50xの方が聴こえます。
SHURE SRH840A-Aは中域に特徴があるので、個人的感想ですがボーカルやギターを楽しむ方に向いているような気がします。
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