audio-technica Art Monitor ATH-A900
ATH-A900は2002年10月21日に発売されたモデルで
2011年10月14日に後継機種のATH-A900Xが発売されました。
SHURE SRH-840は主に防音室の中で使っていたり、
DTMでの作業の後半で使っています。
長時間着用するときはATH-A900。
フィットして疲れませんしリスニング用途の時は
SRH-840より低域が出るので楽しんで聴くことができます。
そんなATH-A900も4年の間に何回もイヤーパッドを交換し、
ドライバユニットも少し疲れているのでしょうか、
曲によっては3kHz付近で少しチリチリするようになりました。
そろそろ買い替えのタイミングなのでしょう。
ここで大きな選択肢は2つ。
SRH-840は防音室用にして、もう一つモニターヘッドホンを購入するか。
それとも気持ち良く音楽を聴けるリスニング用を購入するか。
以下、現在の購入候補です。
選択肢1.モニター用ヘッドホン
SONY MDR-CD900ST
1989年に発売された MDR-CD900ST
もはや説明いらずのスタジオ用モニターヘッドホンで
DTMで使用されている方も非常に多いモデルです。
パーツ単位で部品が販売されているので
同じ音を長期間愛用できるのが魅力です。
また、使用している人が多いということは
共同作業などで同じ音で確認できるというメリットがあります。
ドライバーユニット | 40mm |
最大入力 | 1,000mW |
インピーダンス | 63Ω |
音圧感度 | 106dB/mW |
再生周波数帯域 | 5~30,000Hz |
JVC HA-MX10-B
2011年に発売された HA-MX10-B
JVCとビクタースタジオによる共同開発モデルでコンセプトは
「スタジオ備え付けのラージモニタースピーカーからの音と、
モニターヘッドホンの間での音の違和感を解消する。」
製品説明で心地よく演奏できるようにチューニングされているとあるように、
ひと口にモニターヘッドホンといっても録音の詳細をモニターする用途、
スタジオで演奏する用途など様々ですね。
ドライバーユニット | 40mm |
最大入力 | 1,500mW |
インピーダンス | 56Ω |
音圧感度 | 108dB/mW |
再生周波数帯域 | 10~28,000Hz |
audio-technica ATH-M70x
2015年2月に発売されたATH-M70x
プロフェッショナルモニターヘッドホンMシリーズのフラッグシップモデル。
遮音性の高い楕円形状のイヤカップと新設計のイヤパッドが採用されており、
コードは1.2mカール、3mストレート、1.2mストレートの3種が付属し、
利用シーンに合わせて選択できるようです。
ハウジング、アーム、スライダーに
堅牢なアルミニウムが採用されているのも良いです。
私の使っているSRH-840は折れると評判ですから。(^^;
ドライバーユニット | 45mm |
最大入力 | 2,000mW |
インピーダンス | 35Ω |
音圧感度 | 97dB/mW |
再生周波数帯域 | 5~40,000Hz |
YAMAHA HPH-MT220
2013年12月に発売されたHPH-MT220
CCAWボイスコイルを採用した45mmドライバーユニットが採用され、
プロフェッショナルなモニタリング用途からリスニング用途まで
幅広いニーズに柔軟に応えますと記載があります。
イヤパッドは合成レザーが採用され、
肌触りの良い装着感と低反発クッションで余計な振動を吸収、
耳にフィットした装着性と高い遮音性が両立されているようです。
ドライバーユニット | 45mm |
最大入力 | 1,600mW |
インピーダンス | 37Ω |
音圧感度 | 97dB/mW |
再生周波数帯域 | 15 – 28,000Hz |
選択肢2.リスニング用ヘッドホン
audio-technica Art Monitor ATH-A900X
2011年10月に発売されたATH-A900X
音響特性に優れた軽量で強度のあるアルミニウムハウジングと
Aシリーズ専用設計の新開発ドライバーユニットが採用され、
イヤパッドも上位機種 ATH-A1000X 同等の新素材が採用されています。
ATH-A900の後継機種ということで長時間の装着に配慮した
3D方式ウイングサポートは「自分に合えば」かなり快適です。
ドライバーユニット | 53mm |
最大入力 | 2,000mW |
インピーダンス | 42Ω |
音圧感度 | 100dB/mW |
再生周波数帯域 | 5~40,000Hz |
audio-technica ATH-MSR7
2014年11月に発売されたATH-MSR7
コンセプトは「原音再生」「高解像度」「高レスポンス」
40年目の到達点として気合の入った機種なのでしょう。
新開発45mmドライバーの採用とハイレゾ対応で
そして1.2m、1.2mスマートフォン用、3mホーム用の
3種のコードが付属しています。
カラーはBK(ブラック)とGM(ガンメタリック)。
もし、実機が展示されていたら是非聴いてみてください。
ドライバーユニット | 45mm |
最大入力 | 2,000mW |
インピーダンス | 35Ω |
音圧感度 | 100dB/mW |
再生周波数帯域 | 5~40,000Hz |
AKG K550
2011年12月に発売されたK550
メーカーサイトではモニター用ヘッドホンに分類されていますが、
商品説明ではホーム用ヘッドホンのリファレンスクラスとして紹介されています。
ハウジング内にバスレフの役割を持つポートがあり、
安定した低域再生が実現されているようです。
頭にあたる部分とイヤパッドはレザー調素材、ヘッドハンガーは金属製と
高級感と耐久性が考慮された設計になっています。
ドライバーユニット | 50mm |
最大入力 | 記載なし |
インピーダンス | 32Ω |
音圧感度 | 94dB/mW |
再生周波数帯域 | 12~28,000Hz |
ヘッドホンの話ついでに
LRの分離が悪いのは何故?
チャンネルセパレーションとかステレオクロストークという用語で
出てきますし測定名であったりします。
ここで一つ簡単な計算を。
あると便利なアナログテスターとデジタルテスター。
アナログはピックアップの極性(ポラリティ)を確認するのに使います。
デジタルはサーキット交換の際にセレクターの通電や
ポッドの良し悪しを見るために抵抗値などを測定します。
手持ちのヘッドホンのセパレーションを計算してみよう
今回は脱着式コードが採用されている
SHURE SRH-840のコードの抵抗値を実測してみました。
1.1Ωでした。
SHURE SRH-840のインピーダンスは44Ω(1kHz)なので、
=1.1Ω/(1.1Ω+44Ω+1.1Ω)=0.023809524
これをdBにすると
-32.46498573847089dB
・・・君は-32dBなのかい。(^^;
0dBの信号をLchに流してフェーダーを-32dBの位置にすると・・・
Rchからも何か聞こえてくるような・・・。(^^;
CDは16bit。1bit=6dBなので16bit×6dB=
CDのダイナミックレンジは96dB。
96dB÷32dB=3
小さい音では1/3範囲で混ざっているのね。
いやいや、ヘッドホンのスペックを云々言うより、
理屈抜きで聴いて気持ち良ければそれで良いのです。(^^)
点で見るな線で語れですね。
dB換算表
先ほど脱着式コードの抵抗値と
ヘッドホンのインピーダンスからdBを計算しました。
ついでに-30dB~-100dBまでの換算表を作っておきます。
dB | 計算結果 |
---|---|
-30 | 0.031622777 |
-31 | 0.028183829 |
-32 | 0.025118864 |
-33 | 0.022387211 |
-34 | 0.019952623 |
-35 | 0.017782794 |
-36 | 0.015848932 |
-37 | 0.014125375 |
-38 | 0.012589254 |
-39 | 0.011220185 |
-40 | 0.010000000 |
-41 | 0.008912509 |
-42 | 0.007943282 |
-43 | 0.007079458 |
-44 | 0.006309573 |
-45 | 0.005623413 |
-46 | 0.005011872 |
-47 | 0.004466836 |
-48 | 0.003981072 |
-49 | 0.003548134 |
-50 | 0.003162278 |
-51 | 0.002818383 |
-52 | 0.002511886 |
-53 | 0.002238721 |
-54 | 0.001995262 |
-55 | 0.001778279 |
-56 | 0.001584893 |
-57 | 0.001412538 |
-58 | 0.001258925 |
-59 | 0.001122018 |
-60 | 0.001000000 |
-61 | 0.000891251 |
-62 | 0.000794328 |
-63 | 0.000707946 |
-64 | 0.000630957 |
-65 | 0.000562341 |
-66 | 0.000501187 |
-67 | 0.000446684 |
-68 | 0.000398107 |
-69 | 0.000354813 |
-70 | 0.000316228 |
-71 | 0.000281838 |
-72 | 0.000251189 |
-73 | 0.000223872 |
-74 | 0.000199526 |
-75 | 0.000177828 |
-76 | 0.000158489 |
-77 | 0.000141254 |
-78 | 0.000125893 |
-79 | 0.000112202 |
-80 | 0.000100000 |
-81 | 0.000089125 |
-82 | 0.000079433 |
-83 | 0.000070795 |
-84 | 0.000063096 |
-85 | 0.000056234 |
-86 | 0.000050119 |
-87 | 0.000044668 |
-88 | 0.000039811 |
-89 | 0.000035481 |
-90 | 0.000031623 |
-91 | 0.000028184 |
-92 | 0.000025119 |
-93 | 0.000022387 |
-94 | 0.000019953 |
-95 | 0.000017783 |
-96 | 0.000015849 |
-97 | 0.000014125 |
-98 | 0.000012589 |
-99 | 0.000011220 |
-100 | 0.000010000 |
ハイレゾ対応っていうけれど(ヒガミ)
ハイレゾは流行りですが、
ナイキスト周波数と標本化/量子化、ダイナミックレンジで書くと、
48kHz/24bit
1秒間に48,000回サンプリングし、その音を16,777,216段階で記録している。
記録できる高域の上限は24kHzでダイナミックレンジは144dBである。
96kHz/16bit
1秒間に96,000回サンプリングし、その音を16,777,216段階で記録している。
記録できる高域の上限は48kHzでダイナミックレンジは96dBである。
96kHz/24bit
1秒間に96,000回サンプリングし、その音を16,777,216段階で記録している。
記録できる高域の上限は48kHzでダイナミックレンジは144dBである。
仮に私が48kHz/24bitのハイレゾ音源を聴いたとして、
「48,000回の標本化、16,777,216段階の記録」
これは判るかな・・・。微妙だな。
自分で作った曲ではその過程で違いは判るけど
人が作ったもので判断できる自信は皆無です。(^^;
「高域の上限24kHz、ダイナミックレンジ144dB」
歳のせいで有毛細胞も減少しているでしょうし、
可聴周波数も落ちてきているでしょう。
これは無理だな。
しかも私のヘッドホンは-32dBでLRが若干混ざってますし。(^^;
CD作成時のマスターデータを使用してのハイレゾ再販を見かけますが、
それ用にリマスターしているのもあるようで。
それじゃ音が違って聞こえて当然ですし。
それがハイレゾで聞くから違うのか、
リマスターでコンプ等の掛け方が違うので
異なって聞こえるのか聴き手には判りません。
そして歳のせいで耳が悪くなってきているのに
144dBのダイナミックレンジで小さい音にボリューム合わせて、
急に音が大きくなったらビックリしたりして。
そしてさらに有毛細胞が・・・。涙
なんて思うのは歳のヒガミ+ハイレゾ機器を買えない私のヒガミ。(^^)
いやいや(耳だけに)、音は気体の振動、個体の振動、液体の振動、
最後は電気信号となって脳に届けられるので、ハイレゾ周波数が
外耳ルート以外の振動から内耳にある蝸牛のリンパ液を揺らして
結果的に音が違って聞こえるのか・・・
なんて馬鹿なことを考えてないで、
どのヘッドホンにするか考えましょう。(^^;