ART Tube MP Studio V3 の真空管交換です。
ネットでの情報のとおりハムノイズは多いかも知れません。
そこでハムノイズ対策の施された12AX7EHに交換してみます。
ちなみに12AX7EHは、音質的に向上する訳ではありません。
あくまでハムノイズ対策用です。
しかし、購入時に付いている真空管よりは良いでしょう。
音質を考慮して真空管を交換される場合は、
12AX7EHは候補から外して、信頼性のある日本製か
GrooveTubeやSOVTEKの方が良いです。
ここまでは12AX7EHの記事で書いたとおりです。
また、交換する真空管を選択するのに規格などの情報が
必要な場合は、12AX7/EL34という記事で簡単に書いています。
さて、ART Tube MP Studio V3 を分解してみましょう。
分解は至って簡単です。
Tube MP Studio V3側面のネジ4つを外します。
写真の反対側も外します。
次にインプットツマミとアウトプットツマミを引き抜いて
シャフトのナットとワッシャーを外します。
ここはギターのトーン、ポットの交換手順と同じです。
これでTube MP Studio V3の表面が外れますので、
この後にV3回路のコネクタを基盤から外せば分解完了です。
真空管が露出していますね。
これを12AX7EHに交換します。
購入時に付いている真空管を引き抜きますが、
左右にグラグラと揺らしながら抜くと簡単です。
間違った向きには挿す事が出来ない様にピン配列されているので、
ピンの向きに注意ながら12AX7EHを挿します。
12AX7 CHINA とだけ書いてあります。
写真右が今回交換するエレクトロハーモニクスの12AX7EHです。
さて、真空管の交換が完了しました。
分解と逆の手順でTube MP Studio V3を組み立てます。
交換後の感想については後日にでも。
ここからは真空管交換とは関係ありませんが、
内部の部品をみて見ましょう。
税込定価34,650円、売価1万円以下のTube MP Studio V3。
その内部の部品はどうなっているのでしょうか。
真空管が熱くなるので内部のコンデンサーは
105℃に対応したものが使われています。
電解コンデンサの寿命の温度依存性は、アレニウスの法則によって
10℃上昇すると寿命は1/2となります。逆に10℃下がると寿命は倍になります。
一般的にコンデンサの寿命は10年~15年と言われています。
正確には85℃コンデンサで2,000時間、105℃コンデンサで2,000時間の
動作が保障されているということです。
普通に使っていれば、経年劣化も含めて10年~15年くらいだろうと
言われるのですが、実のところ10年~15年というのはコンデンサの
寿命ではなく、それを使用した製品としての寿命を指している場合も多いです。
105℃コンデンサ 2,000時間はアレニウスの法則によって、
95℃なら4,000時間、85℃8,000時間、75℃16,000時間、
65℃32,000時間、55℃64,000時間、45度128,000時間と計算できます。
しかし、メーカーの保障はあくまでも105℃での使用環境で2,000時間。
「それ以上の保障は出来ません。」となります。
話がそれましたが、いくら真空管からコンデンサが近いからといっても
常に105℃ではないので良いのでしょう。
「コンデンサと真空管が近いぞ!大丈夫か!」なんて書けば、
メーカーからすると「素人無知の言い掛かり」と思われるのでしょう。
どのみちこれ位のコンデンサの数なら全て取り替えても
交換に要する時間はそれほど掛からないでしょう。
気に入らなければ数年後に自分で取り替えれば良いだけの話です。(^^)
明日は「実際にノイズは減ったのか。」
何かの参考までに。
コメント
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自分も先週ART Tube MP Studio V3を買った者です。
真空管で音が変わる、ノイズが減る等を知りワクワクして色々調べているのですが、理系はからっきしの真空管初心者(むしろ宅録も)なので、交換方法等とても参考になりました。
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参考になりました♪
僕が使っている、MESA Boogie V-Twin
には、真空管が2個入っていますが、
実はノイズがかなりひどいのです><
交換してみるのも良さそうですね♪
続編の「実際にノイズは減ったのか」
を楽しみにしております!
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ごろっきーず さん、コメントありがとうございます。
ここ最近はTube MP Studio V3と真空管関連の記事を
続けて書いていますので、何かの参考になれば幸いです。
交換作業は10分も掛かりませんでした。
真空管を抜くときに左右にグラグラと
引っ張ることがコツといえばコツでしょうか。
ベースに使ってみましたが、なかなか面白いです。
弾くのが楽しくなりました。(^^)
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HA-ROOKIE さん、こんばんは。
V-Twinはその名のとおりバルブがツインでしたね。(^^)
記憶が確かではありませんが、
真空管は MESA Boogie 12AX7Aですが
実はSovtekの12AX7WAだったと思います。
Sovtekの方が純正より安いですし、
12AX7WAより12AX7WB、12AX7WBより12AXWCが
高出力となり歪が強くなります。
ノイズ対策では今回の12AX7EHは効果的ですが、
なにぶん低域の輪郭が少しボヤけているような・・・。
それでもTUBE MP V3購入時のソレと比べると
随分と良くなっているのですが。(^^;
今度機会があればSovtekの真空管が良いかな~
なんて思っています。
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私の持っている、フェンダーのブルースJrⅢは、
真空管です。(o^-^o)
このように分かりやすい説明と写真があると、
自分でも真空管を交換できるかも?
と思ってしまいます。(*^▽^*)
次の記事、私も楽しみにしています。
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m20ritsu さん、こんばんは。
ブルースJrはフルチューブアンプですね。(^^)
使用している真空管はプリ管に12AX7×3、
パワー管にEL34×2です。
ブルースJrは固定バイアス方式のためバイアス調整が出来ません。
よって、メーカー純正及び電気的特性が同じパワー管にしか
交換出来ないという制約があります。
また、パワー管は2本の特性が極めて近い「マッチド管」を
使用する必要があるのも注意点です。
プリ管においてはこの限りではありません。(^^)
真空管は面白いので今度はパワー管についても書いてみます。