先日購入したオーディオインターフェイス UR22mkIIとUR28Mを比較、
そしてベンチマークしてみます。
追記:2016/10/25
コメントで頂戴しておりますように内部のループバックによる計測結果となっており、「非常にズルい結果」であったり「購入した人が落胆します」レベルとなっておりますので、「内部ループバックだとこうなる」的な信用しちゃダメな記事の一例としてお読みください。m(_ _)m
MOMODONの馬鹿さ加減の記念に記事は削除せず残しておきます。
UR28MとUR22mkIIを比較
項目 | UR28M | UR22mkII | UR22 |
---|---|---|---|
発売日 | 2011年10月1日 | 2015年11月13日 | 2013年 2月 6日 |
最大ビットレート | 24bit | 24bit | 24bit |
最大サンプリングレート | 96kHz | 192kHz | 192kHz |
周波数特性 | 20Hz~22kHz | 20Hz~22kHz | 20Hz~20kHz |
ダイナミックレンジ | 101dB | 101dB | 95dB |
CCモード | ○ | ○ | × |
ループバック機能 | ○ | ○ | × |
入出力計 | 6イン/8アウト | 2イン/2アウト | 2イン/2アウト |
マイク入力 | 2 | 1 | 1 |
Hi-Z入力 | 2 | 1 | 1 |
アナログ出力 | 6 | 2 | 2 |
ファンタム電源 | 2 | 2 | 2 |
ヘッドフォン出力 | 2 | 1 | 1 |
デジタル入出力 | 1/1 | × | × |
MIDI入出力 | × | ○ | ○ |
DSP機能 | ○ | × | × |
UR28MとUR22mkIIの仕様を抜粋するとこんな感じです。
参考までにUR22mkIIの発売でディスコンとなったUR22も記載します。
UR22mkII ベンチマーク
UR22mkIIをRightMark Audio Analyzerを使ってベンチマークしています。
付属のUSBケーブルを使用したバスパワー動作での計測ですが、
ダイナミックレンジが公称値をクリアしていることに驚きます。
しかも私のようなメチャクチャな環境で。(^^;
UR22mkIIはアナログ回路の見直しを図ったということですが、
約1.5万円の入門用オーディオインターフェイスなので
実のところ仕様と実測の乖離はかなりあると思っていました。
最近の入門機、あなどれません。(^^)
周波数特性となる Frequency response もフラットです。
ノイズレベルも周波数によるクセは無いようです。
ダイナミックレンジですが、
これはノイズレベルが判ればニアイコール。
THD + Noise の測定結果です。
歪みに関する倍音は見られません。
全高調波歪も0.0002%と低い値でした。
Intermodulation distortionの測定結果です。
IMDは低音と高音を混ぜて増幅した際に、
それ以外の音がどれくらい発生するかです。
左右のチャンネルが混ざりあうステレオ・クロストーク。
同じような意味でチャネル・セパレーションとも言いますが、
これもかなり良い結果ではないでしょうか。
IMD (swept tones)の測定結果です。
IMD + Noise at 5000 Hz: 0.0022%
IMD + Noise at 10000 Hz:0.0022%
IMD + Noise at 15000 Hz: 0.0022%
どの測定結果もコレ入門機?と思います。
UR22mkII +5V DC
UR22mkIIにはiPad等で使用する際の電源として 5V DC 端子があります。
5V DC端子は 5pin microUSBプラグで出力電圧 4.8V~5.2V、
出力電流 0.5A以上のUSB電源アダプターやUSBモバイルバッテリーが必要です。
パソコンとUSB接続するときでもこの5V DC端子を利用することができます。
USBバスパワーでの動作では無くなるので、パソコンのUSB端子からの
電源に起因するノイズや音質劣化などの問題を回避できます。
では、この5V DC端子から電源を取って、
先ほどの測定結果と比較してみましょう。
私の環境ではUSBバスパワーと 5V DC を比較しても
特に顕著な差は見られず測定誤差の範囲内でした。
Noise levelの測定結果ですが誤差範囲です。
UR28MとUR22mkIIのベンチマーク比較
今度はUR28MとUR22mkIIを同じUSBケーブルを使用してベンチマーク比較してみます。
USBケーブルはUR22mkIIに付属していたもので、ASIOドライバも同じものです。
UR28Mは先日のUSBケーブルで音が変わるかで測定していますが、
UR22mkIIを測定するついでに再度測定しています。
最初の仕様比較表では同じダイナミックレンジ(101dB)の2機種ですが、
実測結果は大きく異なりました。
UR28Mは入出力が多いので、
そのぶん回路が複雑であることや2011年10月発売時の回路設計、
また使用した時間分の経年劣化があるかもしれません。
UR22mkIIはアナログ回路が見直された2015年11月と
新しい回路設計であることや新品なので経年劣化が無いことも
比較を見るうえで考慮しなければなりません。
UR28Mをかばう訳ではありませんが、
新品なら測定結果も奮っていたかもしれません。
4年間使い倒していますから。(^^;
Frequency response
周波数特性はどちらもフラットです。
Noise level
ノイズレベルはUR28Mが -92.8dB、
UR22mkIIが -102.3dBとかなり差が開いてしまいました。
先日測定した際も同じような結果だったので、
この日だけUR28Mの測定結果が悪かった訳ではありません。
Dynamic range
ダイナミックレンジはUR28Mが92.9dB、UR22mkIIは 102.4dB。
ノイズレベルの時点でこの結果は予測できます。(^^;
THD + Noise
これもUR22mkIIの圧勝。
Intermodulation distortion
これもUR22mkIIに軍配があがりました。
Stereo crosstalk
ステレオ・クロストークにあってはUR22mkIIはグラフ外。(^^;
左右チャンネルの分離はかなり良い結果となっています。
UR28MとUR22mkIIを比較した感想
実際にUR28MとUR22mkIIをモニターヘッドホン SHURE SRH840で聞き比べてみても、測定結果と似た印象で、UR22mkIIの方がスッキリとした音で聴こえます。
ダイナミックレンジやステレオ・クロストークが10dBも異なれば、さすがにお馬鹿な耳の私でも少しは違って聞こえます。(^^)
やはり経年劣化は幾分かあるのだろうなと思いますが、それでもUR28Mを購入した頃、まだ経年劣化してない頃の測定結果でもノイズレベルやダイナミックレンジは3桁はなかった記憶があります。
そして回路設計は新しい方が有利であるということ。
販売価格を抑えるため、コスト削減の方向のみで設計されると答えは変わってくるのですが、コストと音質面の両方が考慮されたバランスの良い回路設計では新しい機種の方が有利なのかもしれません。
現在の市場価格でいえば2.7万円の機種と1.5万円の機種の比較ですが、
最近の入門機の仕様というか出来の良さは素晴らしいとしか言えません。
なお、これはあくまで私の環境での測定結果であって、
また、「音」の良し悪しと関係はありません。
最後に「音は好みの問題です。」
同じオーディオインターフェイスでも
各社各機種で音質に違いや特徴があります。
「原音に忠実」「フラットな特性」「ありのままを録音・再生」
セールス文句はなんとでも書いてありますが、
もしそれが事実ならどのメーカーもどの機種も同じ音。
んなぁこたぁ~ない。笑
どこのメーカーを選ぶかは好みの問題なのです。(^^)
コメント
私も使っておりますが、RMAAの結果はそんなに良い結果は出ません。
そもそも周波数特性とか一度外部のケーブルを経由したとは思えないほどフラットすぎて不自然です。
しかし、私もこの記事とほとんど同じ結果は出せます。
UR22は、UR22自体が「ループバック機能」というのを持っています。
そちらを経由して計測するとこの記事とそっくりの結果になりますが、
「内部」ループバックなので当然ですがしかしRMAAはちゃんとオーディオケーブルで外部でIN-OUT直結して計測するのが基本なので、非常にズルい結果です。
これを信じて購入した人が落胆します。
もういちど設定を見直して計測してみてください。
ちゃんとケーブルを使ってINとOUTを接続して
さらに内部ループバックではなくケーブル経由の数値を計測してください。
通りすがり さん、こんばんは。
RMAAがASIOに対応したあたりからケーブルで接続する旨の画面表示がでなくなったのでスッカリ忘れていました。
ご指摘ありがとうございます。
個人ブログの内容だけを信じて購入される方は稀だとは思いますが、記事にコメントの内容を引用させて頂いて修正とさせて頂きます。
また、ご指摘にありますように、後日時間があるときに設定を見直して計測してみたいと思います。
ありがとうございました。