昨年購入した5弦ベース。機嫌良く弾いていたのですが、暖房の時間が長くなってから5弦と4弦の1~2フレットを押さえると弦がビビるようになりました。
購入日に自分で調整しましたが、購入から約1ヵ月が過ぎた今、我が家の環境に馴染んだ状態で再調整です。(^^)
今回の調整は、1~2フレットでのビビりと気のせいかもしれませんが4弦と5弦のサステインが少し短い気がします。
まずは弦のビビりを改善するためにネックの反りをトラスロッドで調整します。
ネックの反りを調整するトラスロッド
ネックの中には1本もしくは複数本の金属の棒が入っています。
これをトラスロッドといい、トラスロッドを回してネックの反りを調整します。
YAMAHA TRBX505 の場合はネックのブリッジ側にあります。
このタイプのギターやベースはネックをボディから取り外さなくても調整可能です。
このベースは先程のベースと同じブリッジ側にトラスロッドの調整場所がありますが、このタイプのギターやベースはネックをボディから取り外さないと調整できません。
このギターはヘッド側にトラスロッドの調整場所があります。
このタイプのギターやベースはネックをボディから取り外さなくても調整可能です。
トラスロッドの調整場所にカバーが付いているもので、このカバーを外せば先ほどのギターと同じです。
まず最初に:絶対やってはいけないこと
トラスロッドの調整には六角レンチやプラスドライバーを使用することが多いです。
サイズの合ったものを使用し、しっかりと差し込んで調整しましょう。
トラスロッドを回転させるにはかなり力が必要な場合があります。
サイズの合わないレンチやドライバーを使用し、トラスロッド側の口をなめてしまった場合、ネックを調整する術がなくなります。
ネックリペアに出すかネックを交換する必要があり、ギターやベースにもよりますが多分どちらも高額です。
弾き難いまま使用するか高額リペアかの選択。
どちらも辛いので器具のサイズは適正なものを使用し、しっかり差し込んで調整しましょう。
念の為に書きますが、六角レンチはシッカリさせば基本的に回す方向にゆっくりと力を加えれば良いのですが、プラスドライバーは回す方向のみに力を加えて回すとネジ山を傷めやすいです。押しながら回しましょう。
余談:トラスロッドが折れたお話。(^^;
私がバンドをやっていたときの話です。
バンドのベース君。
どうもチューニングが安定しないようで一生懸命ペグを回しています。
しかしペグを回す勢いが尋常ではありません。
本人も何か変だと思いつつ首を傾げながらペグを回しています。
まだ、弦楽器の経験が私もベース君も数か月の頃でした。
しばらくしてベースから鈍く籠った金属音というか明らかに変な音が聞こえました。
よく見るとネックにはピックが挟んでありました。
そう、ピックを挟んだ状態でチューニングしていたのです。
これではチューニングメーターは正しい音階を示しません。
そしてペグを回し過ぎてトラスロッドが折れた。
そう、トラスロッドが折れた。(ToT)
同時に心も折れたそうです。(^^;
全ての弦のチューニングが狂い元に戻りません。
まだ高校生だった若くて可愛いMOMODONとベース君。
バンドをやるためにせっせとバイトしてベース君は6万円くらいのベースを購入。私はエフェクターをいくつか揃えたのと練習用アンプを購入しました。
結局、ベースはメーカーに修理に出すこと約1ヵ月。
修理費はベース購入価格と粗同じでした。
ベースのクラスからしてネック交換であったと思います。
無茶をしなければトラスロッドは折れませんが、気を抜くとネジ山は潰れてしまいます。
その修理費は高額です。
再度書きます。
ネックの反りを調整するときは、サイズの合ったものを使用し、しっかりと差し込んで調整しましょう。
順反りと逆反り
弦の張力に引っ張られている状態が「順反り」、その逆を「逆反り」といいます。
弦の張力や温度、湿度などによる影響でネックは反ってしまいます。
長い間使っていると順反り状態になっていることが多いです。
また、弦高調整しても7フレットから12フレットあたりの弦高がまだ高いと感じる場合も順反りの場合が多いです。
開放弦や1フレットから3フレットあたりで弦がフレットにあたってビビる場合は逆反りの疑いがあります。
これらはオクターブチューニングと弦高調整も一緒に調整しないと「どれ」が問題なのか「どれとどれ」が問題となっているのか判りません。
ネックに問題はなくとも弦高の問題でビビりが発生することもありますし、長期間使用しているギターやベースでは、ナットの材質によってはナットがすり減ってローフレットで弦高が稼げていない場合もあります。
また、ナットの状態やフレットの摩耗状態、運指のスムーズさ、プレイスタイルによる好み等を考慮して若干の「順反り」又は「逆反り」とする場合もあります。
オクターブチューニングについてはオクターブ調整の方法で簡単に書いています。
順反り、ベースでのネック調整方法は REACH_rh さんのサイトで写真付きで 「ベースのネックの反りを調整してみたよ!の巻」として書かれているので、そちらの方が視覚的に判りやすいです。
順反りのネックを調整する場合はトラスロッドを時計回りに回します。
逆反りのネックを調整する場合はトラスロッドを反時計回りに回します。
そして、1回のネック調整はトラスロッドの回転を45度目安にそこでストップ。
ネックが馴染むまで数日様子をみましょう。
ネック状態の確認方法
ネックの確認方法はいくつかあります。
・目視:これは慣れが必要です。目がチカチカしてきて難しいですし、最初のうちはずっと見ていると順だか逆だか、持ち方や見方で判らなくなります。;
・感覚:弾きやすい高さでオクターブチューニングも良く、弦もビビらない状態を感覚で調整する。これも慣れが必要です。
私には無理だ。(^^;
そこで3点法を。タッピング法とも言うらしいです。(正しい呼称は知りません)
普段ギターやベースを弾くように楽器を抱えて、1フレットと最終フレットを押さえ、12フレット(※1)を確認します。
先程の挿絵をもう一回。
12フレット(※1)に空きがあれば「順反り」
12フレット(※1)に空きがなければ「逆反り」
24フレットの挿絵を使っているので24フレットでの例で簡単に。
フレットの高さは同じなので、1フレットと24フレットを押さえると、同じ高さの12フレット(※1)でも弦が軽くフレットに触れている状態になります。
これがネックが真っすぐな状態です。
フレットの摩耗分はどうすんだとかは無しです。(^^)
しかし、ネックは若干の「順反り」が良いとされているため、この状態で12フレット(※1)と弦との空きが0.5mm程度あれば良い状態と言えますが、好みによって0.3mm~1.0mmと人それぞれのようです。
順反りか逆反りかの確認が出来たらトラスロッドを45度の範囲内の回転で調整し、弦高調整を行い、オクターブチューニングも確認しておきましょう。
そして調整後のロッドとネックが馴染んだ数日後、もう一度確認します。
※1.ここでは便宜上12フレットと書いていますが、正確には1フレットと最終フレットの1/2の位置を確認します。
その他いろいろ
ネックの反りを確認する際は普段弾いているように楽器を抱えて確認します。「机の上に寝かせて」や「持ち上げて目視」では自重で反り具合が変わってきます。高価なギターやベースでは強度のあるネックとなっていることが多くその変化は小さいですが、入門用やミドルレンジあたりではその変化は大きくなります。
ネックの反りには順反り、逆反りの他、ネジレもあります。これはネックの両端を持って雑巾を絞るようなイメージ。
トラスロッドでの調整も限界があるので回らないと感じたら無理に回さないようにしましょう。無理に回すと指版がハガレて浮いたりすることもあります。また、ネックもロッドも取り返しのつかない状態になることがあります。
ナットやフレットの摩耗状態と弦高調整結果も踏まえ、トラスロッドで調整しても改善しない場合はネックの寿命かもしれません。ナット交換やフレットの打ち直しで対応できるかリペアショップに相談してみましょう。
YAMAHA TRBX505 調整終了
先月購入した TRBX505 は購入日に自分で調整しましたが、お店での環境に馴染んだ状態での調整だったので、時間の経過とともに我が家の環境に馴染んだ状態となり、再調整が必要となったのでしょう。
5弦の太いこと。
少しの変化で5弦にビビりが出てしまうのでギリギリセッティングから少し余裕のある弦高セッティングに変更しました。
なにせ5弦は初めてなのでコツをつかむまでメンテの回数を積まなければ。(^^;
ビビりはトラスロッドの調整で解消しました。
また、4弦、5弦のサステインが短いように感じたのは、やはりネック反りでフレットに若干接触していたようです。
あと、弦を外して分かったのですが4弦と5弦がブリッジとペグまでの間に1回転した状態で巻かれていました。
これもサステインが短く感じた原因なのでしょうか。
誰が弦張ったねん!
半回転くらいなら分かるけど1回転て逆に難しいやろ!(笑)
弦のネジレでサステインに影響があるかどうかは知りませんが。(^^;
ついでにネックを取り外して製造年月日を確認してみました。
ボディは2016年1月26日製造
ネックは2016年1月22日製造でした。(^^)
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