パラボックスは1つの信号を2つに分ける機器です。
ギターの信号等を2つに分けたい時に使用します。
例えばDTMでのギター録音の時に便利です。
Aではエフェクターを掛けた音を、Bでは素の音を録音します。
後で音を変えたい時はBを録音したトラックを利用して、
VSTプラグインを使用したり、エフェクターに再度出力したりできます。
エフェクターをVSTで掛ける場合は、
2トラック同時録音にして、1つのトラックにVSTプラグインを
セットすればよいので、パラボックスの必要はありません。
写真は DOD 270(4千円~5千円)です。
ベースではより積極的な使用方法があります。
ライブではドラム、ベース、ギターにより
中低域が籠った音になる時があります。
ドラムは生楽器なので直接音もマイク音も
ミックスされて会場に響きます。
生音にしろマイク音にしろ空気感を含んだ音が鳴っている状態です。
ギターもアンプの音をマイクで拾った音を
会場に向けて鳴らしていることが多いです。
そこにベースまでアンプからマイクを通した音を会場に鳴らすと、
低域がモコっとした音になる場合があります。
このような場合は、プリアンプ&D.I付きのパラボックス等を使用して、
自分のモニター用にベースアンプを、会場へはプリアン&D.I付き
パラボックスの音をミキサーに直に送り、会場に向けて鳴らします。
これでベースはライン録りの様なタイトな音になるので、
アンサンブルの低音がスッキリすることがあります。
さすがにタイト過ぎると問題があるので、
そのような機器はベース専用プリアンプを搭載しており、
ベースの迫力を損なわないような設計になっています。
さて、ここまで読まれた方は何の機器を指しているか
想像が付いたかも知れませんね。
SANSAMP BASS DRIVER DI(TECH21)です。
この機種はベース専用設計ですが、
汎用機として SANSAMP PARA DRIVER DI(TECH21)があります。
この機種は特別に何の楽器に特化したものではないので、
使用する楽器の特性が合わなければ意図した音にならないことが
あります。この機種を検討される場合は試奏されることをお勧めします。
この様な機器にはA+B/AorBなどラインセレクターのように使えるものや、
プリアンプの有無、ダイレクトボックス機能の有無、XLR(キャノン)端子の
有無など様々なものがあります。
また、製品の分類もプリアンプ、ダイレクトボックス、
ラインセレクター、パラボックス、機能の有無によっては
オーバードライブに分類されていることもあります。
何かの参考までに。