ギターのインピーダンスについて。
オーディオインターフェイスにはエレキギター等を直接接続できる
「Hi-Z」入力端子があります。
マイクやラインと共用の場合はスイッチでインピーダンスを切り替えます。
逆を言えば、Hi-Z入力端子の無いオーディオインターフェイスに
エレキギターやエレキベースを直接接続することはできません。
パッシブタイプのピックアップを搭載したエレキギター(以下、ギター)は、
通常数百kΩという非常にハイインピーダンスな楽器です。
以前書いた、ピックアップ交換3(リンク付)という記事を見て
頂けたら分かるとおり、ギターのボリュームやトーンポットは
シングルで250kΩ、ハムバッカーで500kΩです。
パッシブピックアップ搭載ギターの数百kΩ(ハイインピーダンス)を
ローインピーダンスの入力端子に接続すると、微弱な信号を
増幅させなければならないので、ノイズ成分も増幅されるのです。
これを防ぐために、「インピーダンスを合わす」ことが必要になります。
正確には、 「ロー出し/ハイ受け」です。
例えば、私の所有しているオーディオインターフェイス、
TASCAM US-144MKⅡのマイク(Mic in)入力は2.2kΩ、
ラインイン(Line in)は15kΩ、Hi-Zは1MΩです。
ロー出しハイ受けでいえば、
オーディオインターフェイスのHi-Zを利用すると、
ギター(出し側)250kΩ、500kΩ < 1MΩ(受け側)
となりますが、通常のラインインでギターを受けると、
ギター(出し側)250kΩ、500kΩ > 15kΩ
となってしまい、ロー出しハイ受けの原則にそぐわなくなります。
ノイズが多かったり、薄っぺらくなる訳です。
また、周波数特性まで変わってしまいます。
では、オーディオインターフェイスにHi-Zが無い場合はどうすれば良いか。
結論を言えば、コンパクトエフェクターを間に挟む事で解決します。
ただし、エフェクターOFFの際にトゥルーバイパスとなるタイプは
利用できません。ON時は良いですが、OFF時に元の250kΩ/500kΩに
なるので、そぐいません。
もう一つの方法はダイレクトボックス、通称「DI」を間に挟みます。
ダイレクトボックスはインピーダンス変換と不均衡を均衡に保つ働きをする
機器で、通常ギターに使用する品はコンパクトエフェクター位の大きさです。
しかし、値段が約1万円強するので、何か欲しいエフェクターがある場合、
エフェクターを買った方が良い気がします。
アクティブピックアップを搭載したギターはどうするのか。
オーディオインターフェイスの受け側のインピーダンスと、
ギターのインピーダンスを比較して判断する。
これが答えですが、実は微妙にギター側のインピーダンスが
インターフェイス側を超えてしまうことがあります。
多くの場合は、ラインイン接続で大丈夫ですが、
音に変化を感じる場合はHi-Zに接続する場合もあります。
つまりは、
シンセ、電子ドラム、電子ピアノ、マイクはラインイン。
電池を使っていないギターはHi-Z。
電池を使っているギターは通常ラインイン。場合によりHi-Z。
但し、サスティナー搭載ギターは電池を使っていてもHi-Z。
この場合、電池はピックアップに使っているのではなく、
サスティナーで磁場を発生させるために使っています。
ピックアップはパッシブであることが多いです。
Hi-Zが無い場合は、コンパクトエフェクターかダイレクトボックスを
間に挟む。
よって、マルチを含むエフェクターからの信号はアクティプ、
パッシブを問わずライン入力で良い。
こんなまとめになります。
余談ですが、エレキギターの多くはハイインピーダンスかつ
微弱な信号なので、ケーブルの品質は重要です。
ロックで不良で骨太なイメージのあるエレキギターですが、
微弱な信号を伝導により損失したり、ノイズが混入しやすかったり。
実は結構「か弱い」楽器なのです。(^^;
何かの参考までに。
コメント
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鍵コメさん、こんにちは。
お役に立てて何よりです。(^^)