今回はエフェクターなどの電源についてです。
最近ではエアコン用などで200V交流もありますが、
家庭用のコンセントの多くは100Vの交流です。
この100V交流にも2種類あり、50Hzと60Hzがあります。
これは何故かというと、
日本で発電機が輸入された明治時代に、
関東にはドイツから50Hzの発電機が、
関西にはアメリカから60Hzの発電機が輸入された事に起因します。
本年の大震災で、関西圏から電力の融通ということもありましたが、
現在、周波数変換所は東清水変電所、佐久間周波数変換所、
新信濃変電所の3箇所しかなく、変換能力は100万kW程度しかないため、
関西の電力は関東圏や被災地の方の需要に足りなかったのです。
福島第一及び第二原発の発電量は900万kW以上でした。
ちなみに、50Hzと60Hz別に設計された電気製品を異なる周波数の
電源に接続すると、本来の性能を発揮しないばかりか、最悪は故障や
発火となる危険性があります。
100V 50Hz/60Hzの波形をみるとこんな感じです。
[Hz]なので1秒間に何回揺れるかなので、
緑の波形が60Hz、赤い波形が50Hzです。
この汚れ(ノイズ)がDTM環境やオーディオ、
ライブ会場では「宿敵」となるのです。(^^♪
コンセントに接続する機器や配線によるノイズについては、
以前に書いたので参照ください。
今回はエフェクターということで、
電池とACアダプターについての違いを簡単に書いてみます。
100V交流をエフェクターで使用できる出来るように変換するには、
大きく分けて2つの方式があります。
【レギュレター方式】
シリーズレギュレター方式、ドロッパー方式とも呼ばれます。
この方式では交流の名残として50Hz/60Hzのリップルノイズが
発生します。
このリップルノイズはハムノイズとも呼ばれ、
何も演奏していないのにアンプから「ブーン」という
低い音が発生します。
特にコンプレッサーや歪み系エフェクターを使用している場合は、
このノイズと一緒に本来の信号も増幅することになります。
【スイッチング方式】
比較的ノイズが小さい方式といわれていますが、
高周波ノイズなので聞こえないだけです。
ただし、分周が起こると耳に聞こえる周波数となって
ノイズが出てしまします。
スイッチングノイズの周波数に何らかのパルスが重なれば、
F(ノイズの周波数)/n(パルス)となり、耳に聞こえない高周波の
ノイズも耳に聞こえるようになります。
大きく分けるとこの2種類だと思います。
通常はフラットな波形を示します。
外部からのノイズの影響を受け難いクリーンな電源です。
最近、単3型充電式電池を複数用いた、
エフェクト用電源を見かけますが、なるほど理にかなってます。
実際問題として、
演奏に影響があるほどのノイズをエフェクター用電源のみから
混入する事は稀ですが、DTMやDAWでの録音、ライブハウス等で、
無音時のノイズが気になる場合は、使用しているエフェクターの
電源をACから電池に替えてみるのも一つの手です。
ギグバックの中にエフェクター用電池を携帯しておきましょう。
何かの役に立つかもしれません。
ノイズとは関係ありませんが、昔バンドをしていた時に、
他のバンドのギターの方が電池がないというので、
バッグの中に入れていた予備電池を渡した事があります。
電池一つで新しい交流と仲間が増えました。(^^♪
世の中何がきっかけで新しい「縁」が始まるか判りませんね。
何かの参考までに。
※文中に使用したキャプチャはイメージです。
実際の交流電源などを測定したものではありません。
コメント
SECRET: 0
PASS: cf688a0582eca5fbe5cbbefc5eaf3d3b
エリック・ジョンソンだったか?、エフェクターの電源は電池に拘っているなんて話を聞いたことがあります。
やっぱりスタジオなら、コンセントもちゃんと考えるべきなんでしょうね。
どうしようかな…♪
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
TK さん、こんばんわ。
私の場合、集合住宅なので録音環境は良いといえません。
逆を言えばノイズ対策として施した結果は判断しやすいです。
>どうしようかな…♪
何か導入されるのでしたら、是非その効果をレポートくださいませ。(^^♪