ギターやエフェクター、オーディオインターフェイス、またはオーディオ関連製品で、標準フォン、ステレオケーブル、1/4インチサイズ、6.3mmサイズ、バランス・アンバランスケーブルという記載があります。
呼び方が違うだけで実は2種類に分類できます。
TSとTRS
ギターやシンセ等に使用される2極のアンバランス接続用のケーブルです。
アンバランス接続は不平衡接続ともいいます。
海外のサイトでは1/4inchや6.3mmと記載されることもあります。
TRSフォン
ステレオ信号をアンバランス接続する場合や、
モノラル信号をバランス接続する際に使用します。
オーディオインターフェイスのライン入力等に
TRSと記載があるとき、シンセをステレオでライン出力すると、
TSフォン×2をインターフェイスに接続することになります。
別にインターフェイスのライン入力がTRSである必要は
ないのではと思うこともあるかと思います。
そこで今回は、TSフォン、TRSフォンと
アンバランス接続、バランス接続について書いてみます。
TRSの意味は、
T=チップ=Tip
R=リング=Ring
S=スリーブ=Sleeve
この頭文字をとって[TRS]と呼んでいます。
リングの無いものは[TS]ですね。
先程も書きましたが、TRSフォンのケーブルを使う際は
2つの利用方法があると思います。
一つはステレオ信号に使用する場合。
この場合は、チップ(T)に左(L)chの信号を、リング(R)に右chの信号を、
そしてスリーブ(S)はアース(接地、コールド、グランド)となります。
アンバランス接続ですね。
一つは、TRSでモノラル信号をバランス接続する場合。
この場合は、チップに正相(Hot)を、リングに逆相(Cold)を、
スリーブはアースとなります。バランス接続ですね。
TSの場合は、チップが信号、
スリーブがアースのアンバランス接続です。
では、アンバランス(不平衡)接続と
バランス(平衡)接続では何が違うのでしょうか。
一般的にバランス接続されたTRSやXLR(キャノン)はノイズに強く、
アンバランス接続はノイズに弱いとされています。
しかし、先の説明でTRSケーブルに2chの信号を流す時は
不均衡接続なので、TRS接続すべてがノイズに強い訳ではありません。
ケーブルで信号に混入したノイズはそのまま残ってしまいます。
このため、アンバランス接続ではケーブルの長さは
短い方が良いとされています。
送信時に正相と逆相の信号を生成してケーブルに送ります。
ケーブルの中で混入したノイズは、信号を利用する際に合成されます。
この際、ケーブルから混入したノイズはキャンセルされます。
ハムキャンセル、ボーカルキャンセル、ノイズキャンセル等と
呼ばれる機能も逆相をぶつけて相殺する技術です。
この為、バランス接続はケーブルが長くても
比較的ノイズに強いと言われています。
挿す方はプラグ。受ける方はジャック。
挿す方は判りやすいですが、
受ける側がTSなのかTRSなのかは一見して判りません。
もしラインがモノラル×2で出力されるステレオ信号なら、
TSであればアンバランス、TRSであるならバランス(入力)出力です。
ジャック1つでステレオ信号を送る(受ける)場合は、
TRSケーブルを利用したアンバランス接続となります。
モノラル信号の場合は、TSであればアンバランス、
TRSであればバランス接続となります。
このようなことから、オーディオインターフェイスでは、
受ける信号がモノラルであってもTSケーブルだけではなく、
TRSケーブルも受けれるような仕様になっている機種もあります。
何かの参考までに。