コンプレーサの設定についてもう少し。
過去記事:COMPの仕組み(2010/10/16)
過去記事:COMPの設定 1(2010/12/02)
CubaseStudio5のVSTプラグインにはコンプレッサーがあります。
しかし、仕組みとパラメータの意味が理解できたなら
プリセットをアレンジできますし、自己流を作ることも可能です。
まず、ギターですが、アタックタイムが早いと原音のアタックが潰れて
ピックでの強弱ニュアンスが潰れてしまいます。
カッティング等にコンプレッサーを掛ける場合はアタックタイムを遅くして
原音のアタックを残してリリースタイムを長くする。
歯切れの良いカッティングになると思います。
このアタックタイム遅、リリースタイム長の設定はキックドラムにも
有効です。キックのアタックを残し、余韻を潰すので歯切れが良くなります。
逆に、アタックタイム早、リリースタイム短
これは、シンセにお勧めです。
アタックを潰して余韻を持ち上げている状態なので存在感が出てきます。
ボーカルにも良いかもしれません。
スネアを「パン!」と鳴らすなら
アタック遅 原音のアタックを残す
リリース長 原音の余韻を潰す
スネアを「パァン」と鳴らすならリリースタイム短です。
シンバルにはリリースタイム短で余韻を強調することもできますし
スピード感のある曲で余韻が邪魔になるようならリリースタイム長で
余韻を潰します。
CubaseではFXチャンネル、他のDAWにも備わっている機能ですが
原音に対するエフェクトを別のチャンネルで掛ける機能(SEND)について。
ここにリバーブを持ってくれば、このリバーブ音のみに対して
コンプレッサーを掛けることができます。
バラード等で残響に存在感を出したい場合に有効です。
スネアのトラックを別に用意し、FXチャンネルに送ります。
FXチャンネルでリバーブを掛け、これにコンプレッサーを掛ける。
バラード系によくあるスネアの「パァ~ン」です。
コンプレッサーで音を「整える」といいますが、
これは、原音に対しアタックタイムで表情をコントロールし、
リリースタイムで余韻を揃え、全体的な音圧バランスをとる
ということです。
キメのフレーズでアタックが潰れてモサッとしたり、
異なる楽器が同じフレーズ(ハモリ含む)を弾いているのに
音の減衰(余韻、リリース)がバラバラだと一体感が出ません。
これらを上手くコンプレッサーを使って整える訳です。
あとは、全体で掛けるトータルコンプで各楽器を軽く馴染ませれば
コンプレッサーも喜んでくれることでしょう。(^^♪
CubaseStudio5では通常のコンプレッサーですが、
上位のCubase5にはマルチバンドコンプレッサーがあります。
これは、低域、中域、高域の別に異なる設定でコンプレッサーを
掛けることができます。
ギターを始めた頃、楽器屋さんのお勧めもあり
ディストーションの次に買ったのがコンプレッサーでした。
最初は、「音が変わる=エフェクター」だと思っていたので、
「これ、不良品やん!」と言ったこともあります。(^^;
で、無理やり同価格帯のオーバードライブに交換してもらった
記憶があります。開封していたし、何度か使った状態でしたが、
快く対応頂きました。
店長さんも、
「ギター始めたばかりの高校生にゃ、コンプは解らんよな~」
と思ったに違いありません。(^^♪
しばらくして、バンドでコンプが必要となり、結局その返品した
コンプを買ったので、どうか許してください。若気の至りです。
コメント
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昨夜の記事と当記事、完全保存させていただきます。
本当にコンプとかリミッター、マキシマイザー等を用いてのトータルなサウンドメイクには苦慮してまして。
いつも元のサウンドとか目指すところがわかんなくなるんですよね。ずっと練り込んでいくと必ず。
マジ参考になります。毎度あざーすw 。
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毎度です。
記事の補足ですが、1トラックの中でギターの奏法や音色が変化する場合、その都度コンプの設定を奏法や音色に合わせた方が良いです。パワーコードとアルペジオでは、同時発音数も変わるので、スレッショルドを変化させた方が良いでしょうし、音の聞かせ方(特にリリース)も異なります。
なので、私は、ピアノトラックでもコードバッキングと分散和音のトラックは別に用意し、異なるコンプの設定としています。
ドラムは曲に応じて、一体的に掛けて、要所要所で設定を変化させるか、
スネアトラック、キックトラック、タムトラック、シンバルトラックと分けています。
この場合は、バラード系のスローなテンポの曲が多いです。
私の場合、1トラックに対して同じ設定を最初から最後まで使うことは結構まれで、コンプのオートメーションONの2MIXとOFFの2MIXを聞き比べながら、労力とのバランスを取っています。(^^;