先日2017年11月17日のこと、GIBSON、Cakewalk、TASCAM Professional Softwareより、Cakewalk社製品及びSONARについての積極的な開発や生産が中止されることがアナウンスされました。
ギブソンブランドはCakewalk社を買収し、日本では同じギブソンブランド配下であるティアック株式会社がTASCAM Professional Softwareブランドで販売、サポートを行っていました。
これまでの経緯
2013年、ギブソン(Gibson)はTEAC(ティアック)と資本業務提携契約を締結し、TEACはGibsonの傘下となしました。
また、同年、ギブソンはローランド(ROLAND)からケークウォーク (Cakewalk)社の全株式を取得しました。
その後、ギブソンはTEACのTASCAM(タスカム)ブランドからCakewalk製品を展開すると発表され、2014年1月よりTASCAM Professional Softwareブランドから
Cakewalk社のSONAR X3シリーズの発売が開始されました。
この際に「心配だ。」という記事で1998年にOpcode社を買収し、4大シーケンサー(Performer、Vision、Logic、Cubase)のなかで当時のNo.2であったStudio Visionを手に入れたもの翌年に潰しています。
いわゆるDTM界におけるギブソンの「前科」です。
この時に「アップルにロジックがあるように、マイクロソフトが介入してWindowsにSONARを・・・・」とか思いましたが、今後どこも介入することなくCakewalk社製品及びSONARはStudio Visionと同じ道を辿るのでしょうか。
寂しいものです
私は結果的にYAMAHAやSteinberg、LINE6製品、いわゆるYAMAHA傘下グループの製品を使用しているので昔から「YAMAHA派」と思われています。(^^;
別に狙って購入している訳ではなく、「結果的」になのですが、ROLANDもKORGも他のメーカーも好きですし、ROLANDでバンドルされていた時代からSONARは使ってみたいDAWの一つでした。
Cakewalkとう名も馴染みのある社名なのです。
ギブソン傘下となった翌年、SONAR X3シリーズが発売され、バンドル版もSONAR X3 LEとなりました。
今年の春には「SONAR HOME STUDIO」が発売され、これまでダウンロードのみで販売されていたバンドル版であった「SONAR X3 LE」も並行してオンライン販売が継続されていました。
昨年は「SONAR ライフタイムフリーアップデートキャンペーン」として期間中に購入したユーザーは今後のアップデートをライセンス更新することなく無料で行えるというものでした。
また、マンスリーアップデートとなって、毎月のアップデート、付属プラグインの追加など、かなり積極的な取り組みが施されていました。
直近では2017年11月13日にBig Fish Audio ループライブラリが追加されたり、TH3 Cakewalk Editionアンプシミュレーターアップデートが行われ、アンプとキャビネットが追加されました。
Cakewalk 30周年を記念して、30th Anniversary Anderton Collection FX Chainsがバンドルされたのもこのアップデートでした。
ホントについ先日のアップデート内容です。
そういえばCUBASEが今年9.5になることはこれまでのリリーススケジュールから暗黙の了解で、ユーザーは2年ごとのメジャーアップデートと毎年0.5が刻まれるマイナーアップデートに「お布施」の用意をしています。
今年のリリースは約3週間早かったのです。
しかもWindowsではFall Creators Updateからそれほど経過しておらず、動作検証にもう少し時間が必要であっただろうにというタイミングでのリリースでした。
他のDAWでは50%オフキャンペーンを行ってるところもありますし。
ギブソンの発表は「なんだろうな~。」と思っていた矢先のアナウンスでした。
各社よりのアナウンス状況
・GIBSON BRANDS
http://www.cakewalk.com/Gibson-Announcement
・Cakewalk
http://www.cakewalk.com/announcement
・ティアック株式会社
https://tascam.jp/jp/support/news/5416
PhilipsやTASCAMは大丈夫か
2014年にGibson BrandsはPhilipsのコンシュマー・オーディオ事業を行なっていた会社を買収しました。
今後はフィリップスのコンシュマー・オーディオ事業に注力するとありますが、何か心配になります。
ギター界では「信者」の多いギブソンですが、DTM界では「死神」と呼ばれる日も近いでしょう。
ここ数年、ブログではあまり負の感情は書かないように努めているのですが、今回のこれはショックであり、寂しくあり・・・。