エフェクターやオーディオインターフェイスに電源を供給する電源アダプター(パワーサプライ)について、いくつかの方式があるのでその特徴などについて書いてみます。
基本的には極性と電圧、電流が適正であれば使用に問題は無いのですが、機器によっては動作が不安定になったり、元気の無い音になったり、ノイズの原因になることがあります。
アダプター方式による違い
パワーサプライ、電源アダプター、AC/DCアダプターなど呼び方は様々ですが、大きく分けて2つの方式があります。
トランス方式
トランス方式は2種類のタイプがあります。
昔からある方式ですので、古いエフェクターや機器などはトランス方式の電源が採用されていることがあります。これらはエフェクターや機器で指定されている電源アダプター(パワーサプライ)を使用することで安全かつ本来の性能を引き出すことができます。
BOSSのエフェクターでも初期の頃はエフェクター側に安定化回路が備わっていた時期もあり、指定アダプターも型番が異なります。
最近でもトランス方式は数多く採用されている方式です。
非安定化タイプ
電源アダプターに電圧安定化回路が備わっていません。
電源安定化回路は接続された機器に搭載されています。
機器に電源安定化回路が備わっていない場合、適正な電圧となりません。
また、アダプター自体は外来ノイズに強いとされていますが、アンペアが変わると電圧も変わってしまうという特徴があり、機器の破損につながる恐れがあります。
事故を防ぐために組み合わせに注意が必要です。
安定化タイプ
電源アダプターに電圧安定化回路が備わっています。
非安定化タイプと逆の特徴があり、アンペアが変わっても電圧は変化しません。
外来ノイズに弱くノイズが混入してしまうことがあります。
非安定化タイプと安定化タイプは外見からの見分けは困難で、また説明書にも記載がない場合がほとんどです。
本来の性能を引き出すには組み合わせに注意が必要です。
スイッチング方式
最近の電源アダプター(パワーサプライ)に多い方式です。
少し前は高価であったので価格でトランス方式かスイッチング方式かおよその判断ができた時期がありましたが、最近は安価に供給されていますし、なかには粗悪な電源も多いので、しっかりとした製品を選びましょう。
小型で軽量、しかも発熱が少ない電源タイプです。
電圧は一定しており、トランス方式の機器に接続しても機器を傷める可能性は低いですがゼロではありません。思わぬ事故を防ぐために方式は合わせた方が無難です。
また、スイッチング方式の電源には特有のスイッチングノイズという高周波ノイズが発生します。
電子機器ではスイッチングノイズ対策されているものも多いですし、電源アダプター側でもノイズを軽減する回路が使用されていることも多いです。
しかし、アナログ機器とは相性が悪く、ノイズの影響を受けてしまう機器もあるようです。
トランス方式より軽いので、慣れると供給出力と重さの兼ね合いでトランス方式かスイッチング方式概ね判断できるようです。
私にはわかりませんが。(^^;
手持ちの汎用性のあるアダプターを調べてみました
定番のYAMAHA PA-3C電源アダプター。
オーディオインターフェイスやYAMAHA製電子ピアノや電子機器に多く使われており、我が家では使用していない付属品電源が何台も転がっています。
これも定番のBOSS PSA-100S ACアダプター。
最近のコンパクトエフェクターや200系、500系のエフェクトの指定アダプターです。
マルチエフェクターのGT-1やME-90でも指定となっています。
One Control EPA-2000。
DC9Vセンターマイナスで2000mA(2A)も供給できるアダプターです。
何台ものエフェクターに電源供給する際には大容量のものが安心ですね。
YAMAHA PA-3C
DC12V 700mA センタープラスで重量が示すとおりトランス式の電源でした。
BOSS PSA-100S
DC9V 500mA センターマイナスでスイッチング方式の電源でした。
スイッチングノイズ軽減の回路がアダプター本体と同じくらいあります。
回路は機器側寄りですね。
安価なスイッチング方式のアダプターには、このようなしっかりとしたノイズ対策が施されていない製品もあるので、しっかりとしたものを選びたいですね。
PSA-100Sで電源を複数台に供給する場合は、ACアダプターから電源を直接分配することはできませんが、エフェクター等の電源プラグにイン/アウトジャックがあるものなら、電源アウトからPCS-20Aで最大7台まで供給することができますが、PSA-100Sは500mAなので、供給容量を超えないように注意しましょう。
One Control EPA-2000
DC9V 2000mA センターマイナス電源。
メーカーサイトに記載はありませんが、とても軽量(120g)なのでスイッチング方式のアダプターでしょう。
製品紹介のページに「アナログノイズレス機構のアダプター」と記載があるようにエフェクター専用なので、ノイズフィルターが標準搭載されている電源アダプターです。
EPA-2000は2000mAという大容量アダプターなので、Ibanez DC301Lのような電源分配ケーブルで複数台に供給しても安心です。
我が家でも3台に供給させています。
ただし、DC301L電源分配ケーブルはPSA-100には適合しません。
PSA-100のプラグ元の絶縁位置がEPA-2000と数mm異なります。
接触不良が起こるようです。
このようにたかが電源アダプター、パワーサプライですが何かと奥が深い機器の一つと言えるでしょう。
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