私がその昔にバンドをやっていた頃に感じていたことです。
他の経験の長いバンドの音と比べて、
自分の所属しているバンドの音が如何に聞き難いか。
今思えば簡単な事ですが。
私(ギター)一人で、スタジオに籠って練習したり音作りをしてバンドに臨んでも、
全体の音はどうしても噛み合っていないのです。
当時私は他のメンバーの練習不足や音作りが悪いからだと思っていましたが、
その原因の一つは私だったのです。
DTMでDAWを使うようになって、ようやく理解できたのですが、
「単体で良い音」と「合奏(アンサンブル)の中で良い音」はイコールでないのです。
個人練習で自分ではOKだった音も、
アンサンブルの中に入れば他の楽器の音の邪魔をしていて、
全体的に良い音でなくなっていたのです。
例えばベースとギター。
ギター弾きから見てベースは低音側の4弦が1オクターブ下がった楽器。
このような理解では、ギターとベースはぶつかってしまうこともあります。
以前に「倍音の不思議」という記事で、倍音について書きました。
倍音とは基となる基音に対して発生するもので、基音より下では発生しません。
実際に弾いた音より「上」には倍音がありますが、
「下」にはありません。
もし、実際に弾いた音より下に何らかの音が発生していたら、
それは何らかのノイズか共鳴であると考える事ができます。
ベースの4弦開放(E)の音で実際に測定した結果を
「周波数解析2」で書きました。
この時は基音E1に対して、
2倍音、3倍音、4倍音、5倍音を見る事ができました。
2倍音は何故2倍音と呼ぶのか。
基音 E1は41.203Hzです。
41.203Hz×2=82.407Hz=E2=2倍音
5倍音では、
基音41.203Hz×5=207.65Hz=A♭3=5倍音です。
平均律と純正律では微妙に数値がことなりますが、
ここでは、計算結果に対するギターのフレットに対応した周波数を書いています。
ベースの倍音はギターの領域に入り、
ギターの倍音はピアノやシンセ等の鍵盤楽器の領域に入ります。
バンドではこれにドラムやボーカルも入ってくるので、
混沌としたアンサンブルとなる場合もあるのです。
このような場合、イコライザー等を使って処理するのですが
私はバンド時代にはイコライザーを使うことはありませんでした。
今、バンドをされている方。
イコライザーはあった方が良いと思います。
DAWでトラック間のミキシングを行なう際、
単体で聞いた音は良かったとしても、全体の中では音に埋もれてしまったり、
他の音の邪魔をしている場合が多々とあります。
例えば、このEQ画面ですが、
時にこのような極端なイコライザー処理を行なう場合もあります。
単体で聞けばとんでもなく変な音なのですが、
全体で聞くとまぁまぁ良い感じなのです。
もっと早く気付いていれば、バンドをもっと楽しめたのかなと思うのです。
イコライザーのススメでした。何かの参考までに。
コメント
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DAWでミックスするようになって、各音をなるべく聴きやすくしようとAnalyzerでみたり、何度も何度も聴いて耳で確かめたりしていますね。
バンドをやっていたときなんて、音の上げ下げしか意識していなかったかもしれません。(^_^;)
SECRET: 0
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TK さん、こんばんわ。
私はバンド時代、エフェクターのトーンコントロール、
アンプのトーンコントロールは「自分の好きな音」に
するためのものだと思っていました。
そしてボリュームは引くためではなく、
前にでるためにあるものだと。
さぞ、聞き苦しいバンドであったことと思います。
その反省から、今は何事も控え目をモットーにしていますが、
周りは決してそうは感じてないようです。(^^;