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床の強度

昨日は、音圧の透過損失について書きました。
今回は、部屋に楽器等を置く場合の重量についてです。

りんご
これも建築基準法関連の建築基準法施行令で定めています。
第85条で積載荷重について定められていますが、記載がN(ニュートン)です。

住宅の居室、住宅以外の建築物における寝室又は病室において
床の構造計算をする場合は、1800ニュートンとあります。

キロは質量で、ニュートンは重さです。

建築基準法に基づく政令・告示等に記載されていたキロ(Kg)の記載は、
国際単位系が導入されたことで、現在はニュートン(N)で記載されています。

ニュートンをキロに読み替える際は、
H11.9.22 住指発499(お役所文書ナンバー)によって、
1kgを9.80665Nとすることが示されています。

1800N÷9.80665N=183.5kg=180kg
住宅の居室が耐えられる積載荷重は、1㎡あたり約180kg。

このような計算となります。

N(ニュートン)を使用しているので、
この計算は「地球」でのみ有効です。(^^♪

重力が変われば換算する数値が変わります。

ピアノの設置
では、ここからピアノの設置について書いてみます。

2011年3月にYAMAHAより発売された、
コンパクトグランドピアノ GB1K(1,155,000円)。

この機種は6畳の子供部屋にも設置できるように、
グランドピアノとしては最も小型な機種で、価格も安価です。

幅146cm、奥行151cm、高さ99cm、重量261kgです。

多くのグランドピアノはこのサイズより一回り以上大きく、
重量も330kg~350kg位でしょうか。

ここでは、幅160cm、奥行180cm、重量330kgとします。
これに、椅子(5kg)、演奏者(90kg)を加えて総重量425kgとします。

ピアノの設置
まず、ピアノです。
ピアノの多くは3本脚で設置されます。

330kg÷3本脚=110kg/1脚

いくら1㎡あたり180kgまで耐えれる床でも、
局所的に110kgの重量が掛かれば変形してしまいます。

自宅の冷蔵庫、テレビ台、パソコンラックの脚と床面を見て下さい。

床面が変形していませんか?

通常、局所的な重量が掛かる場合、
荷重の掛かる面積を板などを用いて荷重を分散します。

ピアノの設置
板の上にピアノを設置するとしましょう。
演奏者のスペースと重量も勘案してみましょう。

まずはピアノです。
160cm×180cm=2.9㎡
330kg÷2.9㎡=113kg/1㎡あたり

床は大丈夫そうです。

では、演奏者のスペースと体重などを加えます。

425kg÷2.9㎡=146kg/1㎡あたり

実際は演奏者のスペースを入れると、
160cm×180cm以上になるので、
㎡あたりの荷重はもっと少なくなりますね。

もう一つ、注意点があります。
部屋のどの場所に設置するか。

プラスティックの30cm定規を両手で持って、
中央に重いものを乗せてください。

中央部分が重量で下がります。
端に置いてみると下がりません。

荷重(重量)の重い物は、
部屋の隅に設置するのが建物構造上からも良いのです。

防音ルーム
防音ルームも同じような計算です。
設置面積と演奏者、楽器を含めた重量で計算してみてください。

局所的に大きな負荷となる場合は分散させましょう。
実際は床面の積載荷重180kgだけで判断することは稀です。

あくまで、単純な「ものさし」の一つです。

実際は局所的付加を軽減させるとともに、
部屋の面積に応じた計算をします。

何かの参考までに。

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