2011年2月に発売された、マイクプリアンプとボーカルプロセッサーです。
オーディオインターフェイス内臓のマイクプリアンプと
単体のマイクプリアンプの価格帯が同じであるなら、
その違いはどの程度なのか知りたかったのです。
antares Auto-Tune Evo は、CUBASEでいうVariAudio、
単体ソフトでいうMelodyneのようなものです。
単純にピッチ補正機能です。
TASCAM TA-1VPには、マイクモデラーが搭載されており、
ダイナミックマイクの音をコンデンサマイクの音にしたり、
真空管モデリングで真空管マイクをシミュレーションできます。
手持ちのマイクが、
Shure SM58,Shure SM57,Shure Beta 58a,Shure KSM 32,
Audio Technica 3035,Audio Technica ATM31,
Audio Technica ATM41a,Audio Technica 4050,Rode NT1,
Rode NT2,Rode NT3,CAD M177,CAD E200,CAD E350
以上のマイクであるなら、マイクモデリングの恩恵は高いと思います。
TA-1VPでは、[SM58→Large Diaphragm Condenser #2]
このような設定となるのです。
上記に書いたマイクでない場合、手持ちのマイクが
Hand-held Dynamic,Studio Dynamic,Wireless,
Small Diaphragm Condenser,Large Diaphragm Condenserの
どれに該当するマイクなのかを設定してモデリングします。
私の場合はSM58とNT1が該当し、AT4040はないようです。
AT4040の場合は[Large Diaphragm Condenser]でしょうか。
マイクプリアンプ部はTASCAM DM-4800と同等の回路構成と
なっているようです。もちろんファンタム48Vも装備されています。
DM4800は64chのデジタルミキシングコンソールで、
70~80万円のコンソールです。
この卓と同等の回路構成というのです。
もちろん価格を考えれば全く同じであるはずはなく、
あくまで[同等]という表現が許される範囲でしょう。
TASCAM TA-1VPのプロセッサーには、ハイパスフィルター、
コンプレッサー、ゲート、ディエッサー、イコライザーと、
基本的なエフェクトは内蔵されています。
エフェクトの配列は、
インプットゲイン→マイクモデラー(EQ)→
→コンプレッサー/ゲート→ディエッサー→オートチューン
内部ではこのように接続されています。
オートチューンではピッチ補正の際に、
25種類のプリセットスケールを適用させます。
とても簡単ですね。
簡単といえばダブルトラッキングも簡単です。
ダブルトラッキングとは、歌や演奏を2回重ねて音を太くする手法ですが、
この際に微妙に音色とピッチを変更しています。
TASCAM TA-1VPでは簡単な設定を行ない、
1回歌うだけでダブルトラッキング効果を出力することができます。
また、ダブルトラッキングをステレオモードにすると、
左チャンネルは通常の出力、右チャンネルはダブルトラッキング出力と
なるので、DAW側で別のトラックにそれぞれの音を録音することが可能です。
TASCAM TA-1VPの入力はキャノン(XLR)入力とライン(TRS)入力が
用意されていますが、同時に使用することはできません。
※ライン入力にアンバランスを挿すとレベルが低くなります。
※ライン入力はマイク入力が想定されていません。
1ch入力/2ch出力です。
※2ch目の出力はダブルトラッキング機能を
ステレオモードで出力する際に使用します。
リアパネルのMIDI端子でコントロールやMIDIダンプもできます。
TASCAM TA-1VPの注意点は全てバランスで入出力されることです。
標準プラグはTSフォン、2極のアンバランスケーブルです。
TA-1VPではステレオヘッドホンに付いているような3極プラグを使用します。
TRSフォン、バランスフォン、フォンSと呼ばれるものです。
更に言えば、受け側のオーディオインターフェイスやミキサーも
TRSの受け口を持っていなければなりません。
鳴らないことはありませんが、レベルの低下とノイズに弱くなります。
違いについては過去記事「TSとTRS」で少しだけ書いています。
スペックは周波数特性が20Hz~20kHz、S/N比は98dB以上、歪率は0.008%、
ダイナミックレンジは100dB以上とスペックに問題はありませんし、
デジタル出力も装備されているので便利に使えそうです。
※ TASCAM TA-1VPのサイトではダイナミックレンジ100dB以上と
記載されていますが、製品発売1ヶ月前に出された仕様書には
ダイナミックレンジ120dB以上とあります。
ネットでは37,000円~49,800円と価格に開きがあるようですが、
オーディオインターフェイス内蔵と単体ではどれくらい違いがあるのかを
試したくて、Audio Technica AT4040とTASCAM TA-1VPを買ってみました。
何かの参考までに。
コメント
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ってかアナタ本格的にヴォーカルに注力するおつもりですね? 。
まさかアンタレス… そんな抜けがけってないわ(笑)。
これはレビューに期待。
当方も以前から導入を検討している機種で。
あ、もちろん「ヴォーカルにアンタレスを使用」のレビューをメインでよろしくお願い致します(爆笑)。
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こういう機材もあるんですね。(^_^)
参考になります。
イジると面白そうですね。(^^♪
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7th-lab さん、こんにちは。
使うならCUBASEのVariAudioの方が自由度が高いので、
アンタレスの機能は使わないかもしれません。
ボーカルに注力というよりは、
ギターのアンプシミュレーター感覚で、
マイクモデリングで遊んでみたかった。(^^)
そして単体のマイクプリって音良いの?
実はその程度の興味だったりします。(^^;
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TK さん、こんにちは。
単体のマイクプリの性能と、マイクモデリングは
ギターのアンプモデリングみたいに便利なものなのか
興味があって買いました。
アンタレスの機能はK-POPのような曲を作る場合には
重宝するとおもいますが、ロック系の曲では登場の機会が
ないような気がします。
音が変わるからケロケロな訳で、
音が変わるボーカル補正はロックには
あまり向かないと思うのです。
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こんちゃ
おおおおおおお・・・
TA1!!!
自分出た時から買おうか考えてました
ただ 買って使わなくなるのが怖くて
買ってませんが・・・・・
天下のももどんさんが購入したとなれば
きっと すごい使い方も見つけてくれる
だろうし
う~~ん どうしよう・・・
リアルで自分の声が補正されるのって
どんなかんじなんでしょうかね~~
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やまね さん、こんばんは。
やはり TA-1VPってピッチ補正のイメージが強いのですね。(^^)
TASCAMの安価なマイクプリアンプのつもりで買ったので、
実は「補正」について使う予定がなかったり。
まさか私がポップス曲を作る柄でもないし。(^^;
実は私が興味あるのはマイクモデリングの部分なのです。(^^)