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Elioth S507-1

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Elioth Japan S507 TS-Rです。

価格は税込54,800円
楽器屋さんでは見かけることがないElioth S507。

アメリカでの値引き前の価格は849ドルということなので、
これを事実とすると7.5万円前後が定価のギターです。

付属でギグバックとビューティーピックガードが付いていました。

ギグバックのクッション性は良いと思いますし、
手持ち時のバランスも悪くありません。付属品としては上々です。

アクリルピックガードのデザインシートは紙製です。
私は使わないのでレポートはなし。(^^;

ボディはアルダー、北米産と記載があります。
ネックはハードメイプルでこれも北米産。

高価なギターは別として、安価なギターでは
材の種類や産地より、材のランクの方が私は気になりますが、
ボディの振動は良いように感じました。響いています。

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指板はローズウッド。

濃い色が好まれるので安価なギターでは
染色されていることもあると聞いています。

このギターのフレットボードは
染色されている板を使用しているのかは判りません。

最初弾いて指が黒くなりましたが、
これは弦によるものでした。

我が家のエピフォンもバッカスも同じだったので、
他のメーカーと比較して劣っているという訳ではありません。

フレットは22Fで高さは2.4mmのミディアムサイズ。
スケールは648mmなのでロングスケールです。

ジャンボフレットではあまり気になりませんが、
ミディアムフレットではチョーキングの際、
指板の滑りが気になることがあります。

このS507は指板による指先の
引っかかり感はありませんでした。

価格を考えれば、キメの細かな
ローズウッドであるように感じました。

フレットの頭も安価なギターにありがちな
ザラザラとした研磨不足はないようです。

ただし、フレットが少しくすんでいました。
これは湿度の高い状況で発生しやすいものに感じます。

会社情報から地図を見ると海辺であること、
楽天サイトで注文から出荷の流れの様子を見てみると、
ストック倉庫に梱包された楽器が並んでいます。

購入者で弦が錆びていた、ネジが錆びていたとの記載も
見受けられるので、おそらく保管中の湿度が高いのです。

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段ボール梱包の中はギグケースに入ったギターです。
ギグケースの中はクッション材に包まれたギターです。

段ボールが吸収した湿度の影響をギターも受けるので、
弦の錆びやフレットのくもりにつながったのでしょう。

ただし、価格を考慮すれば梱包方法は一般的であるので、
ストック倉庫のある場所が悪いか、換気設備を整えるしか
方法はないでしょう。

とはいえ、楽器店で購入する際も、展示期間の長かった
ギターでは弦のサビやくすみがあるので、この点において
大きく劣っているとも私は感じませんでした。

私の場合、購入したギターは不具合を確認し、
返品の必要がないことを確かめてメンテナンスを行います。

メンテナンスと同時に弦交換もするので、
フレットのくすみも弦の錆びも特に気になりません。

フレットクリーナーで磨いて弦を交換すればいい話。
もちろん届いた商品の程度にもよりますが。(^^;

初心者では弦交換やメンテナンスを自分でするのも
いろいろ調べたり大変なこともあるので、その際は
楽器屋さんに持ち込んでメンテと弦交換を行って貰えば良いでしょう。

このコスト分が値引き額と思えなければ、
ネットでの購入より店舗で購入したほうが無難です。

出荷時に調整と書いてあるネット店でも、
ホントにした?と思えることはよく聞きます。(^^;

え?
その店舗で購入してないからお願いするのに気が引けるって?

ギターを5年弾いて毎月弦を交換するとします。
5年×12ヶ月×500円=3万円。

楽器店は3万円の売り上げになりますし、
後にアンプやエフェクター、楽譜の購入を
してもらえる関係を作りたいと思うでしょうし、
次に購入する際は自分のお店で購入して貰うために
信頼関係を築きたい思っているハズです。

気にせずに持ち込みましょう。(^^)

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ペグはロッキングタイプ。
テンションピンは2つでローラータイプ。

この巻き心地とチューニングの安定感は
素直に秀逸だと感じました。

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ナットは牛骨。
多少の汚れはありましたが
演奏に問題ある程ではなかったです。

少し弾いてみましたがチューニングの安定性は
良いように感じました。

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フレットの端を指でなぞります。
フレット端の処理も良いようです。

演奏の際に手を傷つけることはなさそうです。
非常に滑らかでした。(^^)

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全体的なフレットボードの状態、
ネックとボディの結合部、ピックガードの成型。
目立った傷もなく良好です。

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ピックアップは贅沢ですね。(^^)

フロントとセンターにSeymour Duncan SSL-1。
これはビンテージストラトのP.U.を再現したモデルで、
出力を押さえた分、高域特性が良いピックアップです。

リアはSeymour Duncan TB-4。
SH-4と概ね同じです。

ブリッジの違いによってポールピースの間隔が異なります。
ギブソン系にはSH-4。フェンダー系にはTB-4。

ブリッジやトレモロによってはこの限りではありません。

このElioth S507のリアP.U.はタップすることはできません。
リアのみのタップが必要な場合は、S505となります。

センターとリアのハーフトーンでは
リアは自動でタップされるようです。

S507ではリアのみでタップが出来ない代わりに、
トレモロにピエゾピックアップを内蔵しており、
エレアコ風の音を出すことができます。

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ただし、ブリッジに搭載してあるピエゾ素子の数は2つ。
エレアコの中堅機種以上にあるような音はでません。

S507では低域側と高域側の2つだと思いますが、
エレアコの中堅機種以上では、これに中音域用のピエゾを
1つないし2つ内蔵しています。

安価なエレアコのピエゾが2つであることや、
S507はトーンコントロールのみでエレアコのような
EQを搭載していないことから、安価なエレアコと良くて
同等かそれ以下と思った方が無難です。

それでも、エレキギターから持ちかえることなく、
エレアコ風の音が出ることや、エレキギターの音と
ピエゾからの音をミックスして出力できるのは魅力的です。

エフェクターを使用しても似たようなことはできますが、
マグネティックピックアップの音をピエゾないし
アコースティックの音にシミュレートするので、
純粋にピエゾを搭載したS507の音はエフェクターを
使用したその音より雰囲気はあると思います。

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ピエゾ用に9V電池を使用しています。

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再度ピエゾピックアップ搭載のブリッジについてです。

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トレモロアームはイモネジを緩めて装着します。

気づかずに無理に押し込むとブリッジや
イモネジに負荷が掛かって壊れてしまったり、
マウントスクリューに加わった力でボディが
割れたりするかもしれません。

アームも傷つきます。

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付属している一番小さいレンチで緩めて
トレモロアームを装着しましょう。(^^)

ちなみにピエゾを搭載していないS505に搭載されているブリッジは
WILKINSON VS50IIですが、正確にはWVS50 IIK CRだと推測されます。

[W]はWILKINSONの頭文字。
[VS50II]が型番。
[K]は韓国(Korea)製。
[CR]はブリッジの色CHROMEを示すもの。

国外でのWVS50 IIK CRの小売価格は92ドル前後なので8千円前後。
国内ではコストオンして1.0万円前後と勝手に推測します。

これは同じ小物であるP.U.の並行輸入版が、
国外のネット販売価格の価格より概ね2千円~3千円
高値であったことからの推測です。

VS50IIはウィルキンソンのカタログではWVS5011とあります。
「11」と「II」なのでどちらかは誤植なのでしょう。

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ここで Seymour Duncan製のP.U.が
付いていることについて少し書いてみます。

セイモアダンカンの日本総代理店はESPです。

正規代理店とは別ルートで、正規代理店の承諾なく、
真正品を卸、小売することを並行輸入といいます。

昭和45年のパーカー事件で大阪地裁は「一定の要件の下で、
真正品の並行輸入は国内商標権者の権利侵害を構成しない。」

このような判断がされました。

昭和47年には、大蔵省関税局から「真正品の並行輸入は商標権の
侵害には当たらない」ものとして取り扱うよう通達が出されました。
(昭和47年8月25日付蔵関1443)

平成15年には最高裁判決で、商標の同一性、出所の同一性、
品質の同一性を満たすことを前提に、並行輸入は商標権を
侵害しないとする判断がなされました。(フレッドペリー事件)
このことから、Elioth製ギターのダンカンピックアップが、
海外の直営店、海外の正規代理店などから仕入れて
組み込まれており、これが、商標の同一性、出所の同一性、
品質の同一性が担保されているなら違法性はないと思います。

ESPは輸入代理店とともに製作販売の委託も持っていますが、
並行輸入品の修理等の対応を「有償」で行うか否かはESPの判断と
なります。極端な対応は独占禁止法に抵触する恐れもあるので、
ESPからすれば面倒な存在であることには違いないでしょう。(^^;

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SSL-1には本来ピックアップカバーが付きません。

SSL-1を搭載したESP系ギターやその他のメーカーでも
ロゴ入りのカバーを使用している製品は見かけません。

本物?と一瞬思いましたが、
ピックアップカバーにSeymour Duncanのロゴが
プリントされているので、仮に不正に使用された商標であったり、
偽物であった場合には、ESPが黙っていないと思います。

社の利益の為にもESPはチェックしていると思うのですが、
どうでしょう。アナウンスが無いことを思えば、Eliothに
対して法的に対応する必要は無かったと思うのが自然でしょうか。

ちなみにEliothは会社情報を調べても、詳細は不明です。

株式会社 KMD MUSICについても詳細は不明です。
米国での価格や米国からの上陸を示す有用な情報もヒットしません。

エリオスレボリューショングループも
そのグループ会社、事業内容も不明です。

なんせYahoo.comで日本のサイトや知恵袋がヒットするのですから。(^^;
国外ではブランド名を変えているのかもしれませんが。

実際に見て触って聞いて買えないギターだったので、
いつもより文字数の多い内容となりました。(^^;

ましてや「盛り」とも解釈されかねない会社情報。

永久保障も会社が無くなればそこで終りなので、
有名メーカーや安定しているメーカーでない限りは
ただの文字でしかありません。

演出にしたらやり過ぎと思いますし、
事実であるなら情報不足と感じます。

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ブリッジもフローティングであったり、
ロック式のアームやペグであるなど、
ギターは間違いなく良いギターなのですが。(^^;

木目も塗装も綺麗でした。

すぐ届きますし。
電話での対応は物凄く親切でした。

だから情報不足が惜しいなぁと思うのです。(^^)

購入時のレポートなので、
少し使ってみないと判らない部分もありますが、
そのあたりはまた暫くして書いてみましょう。

次回は購入後メンテナンスのために分解するので、
サーキットやボディのザグリを見てみます。

私の手元に届いた1個体についてのレポートですが、

何かの参考までに。

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