最近はPCのサウンドについて書いてきたので、
Dynamic range について触れておきたいと思います。
ダイナミックレンジとは、音の最小から最大の差を「dB」で表したものです。
ノイズレベル以下では意図した音がノイズに紛れて聞こえません。
ノイズレベル以上で音と認識できます。
S/N比とは信号とノイズの差を「dB」で表したものです。
よって、音を再生する機器にあっては、
S/N比が概ねダイナミックレンジとなります。
以前に、kHzとbitについて簡単に説明しました。
過去記事:kHzとbitの関係(2010/11/12)
44.1kHz=1秒間に44,100回の標本化
16bit=65,536段階で量子化
48kHz/24bitにあっては、上図のとおりです。
人間の耳は約20kHzが聞き取れる限界だといわれています。
では、ダイナミックレンジはどうでしょうか。
およそ130dBであるといわれています。
それでは検証です。
サンプリング周波数を「2」で割ると記録できる高域の上限となります。
44.1kHz÷2≒22kHz
聞き取れる範囲の記録という意味では、44.1kHzで良いのかもしれません。
つぎにダイナミックレンジです。
「1bit=6dB」なので
16bit×6dB=ダイナミックレンジ 96dB
CDは、20kHzまでの音をダイナミックレンジ 96dBで記録しています。
では、DVDオーディオの場合「192kHz÷2=96kHz」
人間の耳の能力を超えていますね。
それでも空気感として感覚的に感じることは
できるかと思います。
「24bit×6dB=ダイナミックレンジ 144dB」
これは丁度良いくらいでしょうか。
オーケストラのダイナミックレンジは、120dB以上ともいわれているので、
CD-DAではダイナミックレンジが足りていないことになります。
記録周波数よりこのダイナッミクレンジの広さがCDより音が良いと
感じる要因かも知れません。
DAWやPCで良く扱う組み合わせのおさらいです。
44.1kHz/16bit
1秒間に44,100回サンプリングし、その音を65,536段階で記録している。
記録できる高域の上限は22kHzでダイナミックレンジは96dBである。
44.1kHz/24bit
1秒間に44,100回サンプリングし、その音を16,777,216段階で記録している。
記録できる高域の上限は22kHzでダイナミックレンジは144dBである。
48kHz/16bit
1秒間に48,000回サンプリングし、その音を65,536段階で記録している。
記録できる高域の上限は24kHzでダイナミックレンジは96dBである。
48kHz/24bit
1秒間に48,000回サンプリングし、その音を16,777,216段階で記録している。
記録できる高域の上限は24kHzでダイナミックレンジは144dBである。
96kHz/24bit
1秒間に96,000回サンプリングし、その音を16,777,216段階で記録している。
記録できる高域の上限は48kHzでダイナミックレンジは144dBである。
192kHz/24bit
1秒間に192,000回サンプリングし、その音を16,777,216段階で記録している。
記録できる高域の上限は96kHzでダイナミックレンジは144dBである。
上記は、あくまでも理論上のお話です。
先日、PCサウンドの測定を掲載しましたが、
高サンプリングレート/高ビット=良い測定結果では無いようです。
それぞれに得手不得手がありました。
これらを踏まえて、
自身の環境に適したサンプリングレートとビットレートを選択すると、
所有する機器を最大限に活かした再生と録音が出来るかも知れません。
もしかすると、今の設定は所有機器が苦手な設定かも知れませんよ。(^^♪