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CUBASE9.5 64ビット浮動小数点ミキシングエンジン

CUBASE PRO9.5

CUBASEが9.5シリーズとなり、ミキシングエンジンが新開発64bit浮動小数点エンジンに刷新されました。

Cubase Elementsも同時に9.5シリーズとなり、インストールプログラムが共通であるバンドル版CUBASE AI/LEも同様に新開発64bit浮動小数点エンジンが搭載されたことになります。

これまでPRO/ArtistとElements/AI/LEが同時に刷新されることは無かったと思うのですが、オーディオエンジンの変更により、今回は同時にリリースということになったのでしょう。


32bit浮動小数点エンジンと64bit浮動小数点エンジン

16bitで表現できるのは2の16乗なので65,536とおり
24bitで表現できるのは2の24乗なので16,777,216とおり
32bitで表現できるのは2の32乗なので4,294,967,296とおり
64bitで表現できるのは2の64乗なので18,446,744,073,709,551,616とおり

32bitと64bitと書けば単純に2倍の差ですが、実は結構な差なのです。

浮動小数点処理は符号部、指数部、仮数部に分かれるので整数演算のように単純な比較はできませんが、小音量時の分解能は聴いてわかるほど違いがあるはずです。

32bit浮動小数点エンジンの場合はダイナミックレンジが156dBであるのに対し、64bit浮動小数点エンジンの場合は331dBというダイナミックレンジで内部処理されます。

また、浮動小数点計算では理論上クリップが発生しません。

CUBASE9.5シリーズから採用される新開発64ビット浮動小数点ミキシングエンジンで処理されるのは内部処理となります。

「書き出し」では44.1kHz/16bitであったり48kHz/24bitで書き出すことが多いと思いますが、その前段階の処理精度が上がったということです。

具体的にはサミング、ミキシング、エフェクト処理等が該当し、スタインバーグのサイトに記載するようにダイナミクスや解像度、透明性が向上し高音質となります。

内部処理とビット解像度

新開発64bit浮動小数点エンジンの採用で高音質化されたCUBASE9.5ですが、ここで混同しがちな内部処理と解像度設定の違いについておさらいです。

今回の新エンジンは「内部処理」を64bit浮動小数点で処理するというもので、プロジェクトの解像度であったり、書き出しでのbit深度とは別物です。

プロジェクトの解像度

・プロジェクト設定の解像度は録音データのサンプリング周波数やビット解像度(深度)を示すもので16bit/24bit/32bit Floatから選択します。

CUBASE ミックスコンソール

・内部処理はDAWの内部で計算する部分です。

プロッセッシング精度

スタジオ設定のプロセッシング精度で32bitか64bitから選択します。

プロジェクトの書き出し

・書き出しはではステレオトラック(最終トラック)から出力されるデータのファイル形式やサンプリング周波数、ビット解像度(深度)を設定します。

仮に出力されるWAVデータ等を48kHz/24bitにすると、録音データが44.1kHz/16bitであっても、内部処理は新開発64bit浮動小数点エンジンで行われ、最終的に48kHz/24bitで書き出されます。

変換は少ない方が良いですし、下位から上位より、上位から下位への変換の方が音質は良いと言われています。

といっても96KHz/24bitで録音するとかなりのデータ容量となりますし、それなりの処理能力が必要となります。

ちなみに浮動小数点計算の場合は理論上クリップが発生しませんが、オーディオインターフェイスの段階でクリップしているものはどうにもなりませんし、最終出力でクリップしていると書き出されたファイルはクリップしています。32bitであれ64bitであれ浮動小数点演算内部処理でも入口と出口の段階ではクリップに注意しましょう。

過去の関連リンク
kHzとbitの関係
WAVのデータ容量
Nyquist Frequency
Dynamic range

 

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