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Requiem~a novelette~

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Requiem~a novelette~

第17話 終りを告げる鐘

あれから1週間が過ぎた。 俺達はどこかぎこちない。 それはそうだろう。 あんなことがあったんだ。 昨日と変わらない毎日が始まった。 それでも人はこんな生活を幸せと呼ぶのだろう。 でも何かが足りない。 心の中にポッカリと穴が空いているようだ。...
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第16話 天使の涙

穏かな日だ。 いつもの毎日が始まる。 ロゼッタは診察の後片付けをしている。 夜間の急患で忙しかったが、充実した毎日を俺は送っている。 今日は休診日だ。 ロゼッタの家は村から少し外れた所にある。 家の横には小川がせせらいでいる。 眼を凝らして...
Requiem~a novelette~

第15話 純白の白衣

「・・・セイ。」 「・・ンセイ。」 「先生!トライオード先生!」 「ロゼッタ?」 ロゼッタが俺を激しく揺さぶっている。 「ここは・・・どこだ?」 「大丈夫・・・ですか?」 俺の真似をしているようだ。 「ここはニクスの村。そしてここはロゼッタ...
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Requiem~a novelette~

第14話 閃光の中で

俺はアベルのいるテントを離れてエノーラのもとに急いだ。 やけにテントが静かだ。 嫌な予感を感じてテントに飛び込んだ。 その光景に俺は言葉を失い、膝を落とし、地面の土を強く握りしめた。 「エノーラ・・・。」 彼女は床に倒れていた。 彼女の手に...
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第13話 悪夢

ここはどこだ? とても暗い。 ドドド、ドドドドドドド。 銃声だ。 あちこちで銃声が鳴り響いているのが聞こえる。 俺はテントの中で兵の治療を行なっている。 いや、治療と呼ぶには程遠い。 ただの手当を俺は必死でやっている。 沢山の血で染まった真...
Requiem~a novelette~

第12話 真夜中の客

ドン、ドン。 ドン、ドン、ドン。 「先生!先生!開けて下さい!トライオード先生!」 ドン、ドン。 ドン、ドン、ドン。 激しく扉を叩く音で無理やり起こされた。 「今何時だ?」 「誰だこんな真夜中に。」 眠い目をこすりながら音のする方に足を進め...
Requiem~a novelette~

第11話 勝者と敗者

あれからどれくらいの刻が過ぎたのだろうか。 ヒドラの偵察隊キャンプのアタックからだ。 俺の名はトライオード。 カロン国の雇われ軍医だ。 カロン、ニクス、ヒドラの争いは今も続いている。 ヒドラの若き指導者は力を付けた。 ニクスの1/3を占領区...
Requiem~a novelette~

第10話 最後の晩餐

陽だまりの中に俺はいる。 目の前には川が流れている。 山から流れ来るその水はとても澄んでいる。 反射する日差しが水面に様々な模様を与えている。 時折、魚が跳ねている。 せせらぎの音が心地よい。 直ぐ近くのキャンプでは兵士たちの談笑が続いてい...
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