前に、4kHzの壁、5kHzの谷という記事で老化による難聴や
騒音による難聴について書きました。
今回は、その続きで薬剤による難聴や機能障害について。
くすり等の作用によって、
耳の機能に障害を及ぼすことを「耳毒性」といいます。
その中で、一般的にしられている薬剤がトルエンです。
トルエンは長期間に及ぶ暴露で高音が聞こえなくなると
言われています。また、実際に耳に音が到達してから
脳が認識するまでの間に、何らかの障害が発生し、
脳が認識するのに時間が掛かる現象も確認されています。
トルエンと聞けば、昔ヤンチャだった方はご想像のとおり、
中毒性があり、吐き気も催します。最悪は脳障害となるのですが、
トルエン中毒による脳障害は回復しないようです。
意図的に吸入しなくても、
普段の生活の中に、この薬剤は結構存在しています。
例えば、家の塗料や樹脂からトルエンが放出され、
シックハウス症候群となった話は記憶に新しいです。
また、ガソリンにも入っているらしいです。
もっと身近なものでは、ペンキ、プラモデルのシンナーや塗料、
接着剤やマニキュア、ベンゼン。
一つくらいは家にあります。
といっても、誤った使い方をしなければ何も問題がないのですが。
意図して摂取しなければ為らないものの中にも、
耳毒性のものは存在します。
例えば病院で処方される薬。
これは飲まない訳にはいきませんが、これらの薬を飲んで
耳鳴りや頭痛、吐き気、めまいが起こる場合は、医師に相談
してください。
主に抗生物質ですが、
カナマイシン:細菌性腸炎等で処方。大腸菌や赤痢など。
ストレプトマイシン:結核治療に使われていました。
ゲンタマイシン:これは良く聞く名前です。腎盂腎炎や緑膿菌治療など。
ミノサイクリン:MRSA、ニキビ治療の他に、特定感染症に名を連ねる
感染症の治療にも使われています。
また、これらの薬剤は医師が処方する他に、ペットや菜園、花壇の
作物に対する病気の治療、予防としてホームセンターで売られている
商品の中にも含まれているものもあります。
花の病気の為に薬を散布する場合はマスクを必ず着用し、
風下に立たないようにしましょう。
その他、利尿剤に含まれる成分や頭痛、鎮痛、消炎剤、
抗がん剤にも、耳毒性の成分が使用されています。
これらの中には、服用を止めることで回復するもの、
回復しないものがあります。
カナマイシン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシンによる
耳毒性難聴は回復しません。ミノサイクリンは回復するそうです。
あれこれ、書きましたが処方された薬を指示量服薬するこは
なんら問題ありませんし、勝手な判断で服薬を中止する方が
危険です。副作用と思われる症状が現れた場合は、まず、
医師に相談しましょう。そしてその指示に従いましょう。
結論:
結構、身近に耳毒性の薬品は存在している。
用法や使用量、方法をまもって使いましょう。(^^♪
何かの参考までに。