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マイクについて5

先日、マイクについて1234について書きました。
今回はその続きで、オーディオインターフェイスとマイクロホンについてです。

TASCAM US-144MKⅡ
オーディオインターフェイスの多くは、ライン入力、
マイク入力、ギターなどのHi-Z入力が用意されており、
その接続にはギター入力Hi-Zの記事で書いたように、
「ロー出し/ハイ受け」の原則に従い、
インピーダンスを合わすことが大切です。

これに加え、インターフェイスとマイクの規定入力レベルにあった
マイクを利用する(組合す)ことも必要です。

レベルが合っていない製品を接続すると録音した音が小さく、
ノーマライズやコンプレッサー等で音量を補正した際に、
ノイズまで一緒に持ち上げてしまったり、ペラペラな音で
録音されてしまいます。

では、レベルの合った製品を選ぶとはどういうことでしょうか。
私の手持ち機器 TASCAM US-144MKⅡを例に説明していきます。

まず、オーディオインターフェイスの規定入力レベルを確認します。

マイク利用時:
入力インピーダンス:2.2kΩ/規定入力レベル-58dBu~-14dBu

ライン利用時:
入力インピーダンス:15kΩ/規定入力レベル-40dBu~+4dBu

HI-Z利用時:
入力インピーダンス:1MΩ/規定入力レベル-51dBV~-7dBV

このようになっています。

私のギターは全てパッシブタイプのハムバッカーピックアップなので、
500kΩのトーンポットが付いています。

I/O(インターフェイス)がHi-Z利用時で1MΩ、ギターが500kΩ。
「ロー出し/ハイ受け」になっていますね。

前回までのおさらいでした。(^^;

それでは、マイクについてですが、ダイナミック型マイクの
代表格であるSHURE SM58を例にしてみます。

この「SM58」の感度は、-54.5dBVです。

補足ですが、
dBuとdBvは0.775vを0dBu/0dBvとしています。
dBVは1vを0dBVとしています。

よって、大文字のVと小文字のvでは意味合いが変わります。

SM58の-54.5dBVをdBuに変換します。
dBVの値に2.2を加えるとdBuに変換できます。

SM58 は、-56.7dBuとなりました。

規定入力インピーダンスと接続の関係
US-144MKⅡのライン入力は、-40dBu~+4dBu(MIC/LINE時)なので、
SM58では、信号が小さすぎることになります。

では、SM58を標準プラグのライン入力ではなく、
キャノン(XLR)接続のマイク端子に接続してみます。
US-144MKⅡのマイク入力は、-58dBu~-14dBuですので
SM58の-56.7dBuは規定入力範囲に収まっており利用可能です。

すなわち、US-144MKⅡとSM58の組み合わせでは、
標準プラグのライン入力を利用せず、キャノン(XLR)端子の
マイク入力端子を利用する。

これが、接続の「正解」となります。

TASCAM US-144MKⅡ
写真では、切り替えスイッチで「INPUT R」を
[MIC/LINE]か[GUITAR]を選択できます。

マイクが標準フォーン(TRS)であっても、
端子の表示には[LINE/GUITAR]とあります。

一見、切り替えスイッチで標準フォーンプラグのマイクが
使用できると思いがちですが、これは機器内部のインピーダンスを
切り替えるもので、規定入力レベルを考えると、マイクの接続は
キャノン(XLR)接続でなければならないのです。

マイク録音で音量が小さい、ノイズが多い、音がペラペラ、
高価(有名)なマイクなのにイメージと音が違う。

このような場合は、インターフェイスやミキサーの
規定入力レベルとマイクの感度に問題があるのかも知れません。

何かの参考までに。

 

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