マスタリング時のレベルメーターの読み方について書いてみます。
DAWやMTRに付いているレベルメーターの多くは Peak Meterです。
DTM機器はDigital処理を行っているので、
0dBfsを超えるとクリップしてしまいます。
ピークメータで0dBfsを超えてはいけません。
トータルコンプレッサーやトータルリミッター、
トータルマキシマイザーで0dBfsを超えないように
音圧を整えますが、この際に視覚的にも確認できるように
ピークメータが付いています。
0dBfsを超えてクリップすると、プチ、パチ、バリなどの
クリップノイズが発生します。
クリップノイズは、16bit、24bit等の整数計算で
処理をしている時に発生します。
32bit(float/浮動小数点)処理の場合は原理的に発生しません。
DAWの内部処理は32bit(float)なので、内部的にクリップは
発生しませんが、入力時と2MIXなどの出力時には
整数処理なので0dBfsを超えないように注意する必要があります。
ピークメータの他には、オーディオ機器のアンプなどでは
良く見かけましたが、VU Meter があります。
これは300msの平均を示すメータです。
比較的、聴覚に近い要素で表示されます。
ピークメーターで0dBfsを超えないように、
VUメーターで平均が高くなるようにすれば、
総じて「音圧」のある音と表現される音になります。
昔のCDと今のCDを聴き比べると、
昔のCDの方が全体的に音が小さいと感じたことはありませんか。
これは昔と今で音の平均の音圧の基準が違っているからです。
同じ年代のCD同士では、音の大きさに違和感は少ないハズです。
基準が違っていると書けば誤解を受けますね。(^^;
昔は今ほどの音色数(トラック)を使用していないので、
ダイナミクスレンジの広い音作りであったと思います。
最近では音圧が意識されているので、
昔と比べて音圧の平均が上がっているようです。
DTM雑誌や参考書でも「音圧を上げる」という記載が
昔より遥かに多く、購入者に訴求するキーワードになっています。
メーターの話に戻ります。
RMS Meterというものもあります。
これも平均を示すメータです。
取り扱われ方は VUメーター=RMSメーターと、
同じものとして取り扱われていることが多いです。
厳密に言えばどうなのか私は知りません。(^^;
ピークメーターはDAWやMTRに付いていますが、
RMSメーターは付いていない場合もあります。
DAWならフリーのVSTプラグインもありますので、
検索してみてください。
私は以前にもこのブログで紹介したことがある、
フリーVSTプラグインのVoxengo SPAN を使っています。
このVoxengo SPANは、AU(mac)、VST(mac)、VST(win32bit)、
VST(win64bit)の別に用意されていることと、プラグインは
インストールタイプではなく、解凍後に.dllファイルを
プラグインを格納しているフォルダにコピーするだけという手軽さが良いです。
気に入らなければ.dllファイルを削除するだけです。
ミキサー画面でただ動いているメーターにも
役割があって動いているということと、見方が判ればまた違った
アプローチのあるのではないかと思って書いてみました。
コンプレッサーやマキシマイザー、リミッターの使い方も
もしかしたら変わってくるかもしれません。
何かの参考までに。
※記載内容に間違いがありましたので、後日修正いたしております。
正 VUメーター / 誤 UVメーター
コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
おはようございます♪
今回もとても参考になります♪
フリーVSTプラグインのVoxengo SPAN…
フリーであるのですね!
知りませんでした><
早速試してみようと思います。
ありがとうございます♪
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
HA-ROOKIE さん、こんばんわ。
フリーのVSTプラグインでも結構使えます。(^^)
SFX系で宇宙っぽいイメージのVSTiもありますし、
ハイゲイン系プリアンプのVSTプラグインも多いです。
「VST フリー」で検索すれば厳選集などもすぐに見つかりますよ。(^^)
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
初めてコメントいたします。
クレオフーガさんのツイートからきました。
細かなことですみません。
「UV」ではなく通常は「VU」メーターです。
現在のメジャーなDAWにはRMSメータはほぼ搭載されていると思いますが?
最近では、K-12、K-14、K20といったダイナミックレンジを把握するためのKシステムも浸透してきました。Studio Oneなどにはメータリングオプションにデフォルトでついてきますし、ご紹介のSpanにも搭載されていますね。
放送業界もCMになると途端に音圧が上がってしまう、世界的に問題視されている状況を、「ラウドネス値」の基準を設けることで、解決しようとしています。
これに伴って、ラウドネスメータもソフト・ハードともに販売されるようになりました。
ピーク値やRMS値の関係も音楽の種類によってによって、その見方も変わりますので、
制作者としては奥の深い課題だと思っています。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
Take59 さん、コメントありがとうございます。
ご指摘のとおり、UV(UltraVviolet)とVU(Volume Unit)では
意味合いが全く異なりますね。
本文を訂正させて頂きました。
>現在のメジャーなDAWにはRMSメータはほぼ搭載されていると思いますが?
本文に、
「ピークメーターはDAWやMTRに付いていますが、
RMSメーターは付いていない場合もあります。」
と書いたのは、実はCUBASEには搭載されていないのです。
CUBASEをメジャーなDAWと考えるか否かは別として、
旧シリーズのDAWを現在も使われている方の中には
搭載されていないこともあると思い、
本文中にあるような表現にいたしました。
また、Take59さんのコメントには「ほぼ」という表現が
ございますので、ご指摘の2点については全くそのとおりです。
Studio Oneには搭載されているのですね。
CUBASEの新バージョンで搭載されることを期待しつつ、
もしかしたら自分が知らないだけかもしれないので、
リファレンスマニュアルをもう一度読んでみます。
ご指摘ありがとうございました。