ギターで一番重要なのはネックだといわれていますが、
ネックにはペグ、ストリングスガイド、ナット、フレット、
インレイ、指板材、ネック材など様々なパーツ及び材で構成されています。
その中で今回はフレットの簡単なメンテナンスについて書いてみます。
購入時のフレットは「A」。
頂点を支点として弦振動をネックへ伝えます。
しかし、消耗するにつれ頂点が摩耗し「B」のような平面となり、
・チョーキングがスムースに行えない(面の傷、面の抵抗)。
・弦の揺れの上下で支点となる位置が面の左右となり音が濁る。
・面の傷により弦が切れやすくなる。
・クスミ、汚れによって音が変化する。
このようなことが挙げられますが、
僅かな違いや違和感なので気づき難いかも知れません。
また、フレットのメンテの際は弦も張り替えることになるので、
音の変化は弦の交換によるものが大きいでしょう。
それでも弦の交換はちょうどよい機会なので、
フィンガーボードとフレットの汚れ取りを。(^^)
フレットはニッケルを含む合金である場合が多く、
汚れは緑色のサビが発生する要因となります。
フィンガーボードでもメイプル指板は塗装してあるので、
クロスで汚れを拭き取るかボディポリッシュで軽く拭けばOK。
エボニーやローズウッド指板は無塗装なので乾燥に注意です。
オレンジオイル、レモンオイル、フィンガーボード専用液を使って
汚れを落とすと同時に保湿を行います。
この際、オイルをつけ過ぎてはいけません。
フレット浮きの要因になりますし、埃がつきやすくなります。
乾拭きを忘れずに。(^^)
また、フィンガーイース等の弦潤滑剤を
指板に直接スプレーしないようにしましょう。
ティッシュ等に吹き付けて弦を拭くだけでOKです。(^^)
毎回の弦交換では簡単に指板とフレットのクリーニングを。
そして頃をみてフレットのメンテナンスです。
先程の挿絵の「B」の状態を改善します。
PLANET WAVES FRET POLISHING SYSTEMや
Hero Shine Clothなどを使って、
フレットのキズ、クスミ、カドをとります。
最初は全体的に軽くキズとクスミを取ります。
そして挿絵のように面となった頂点を
もとの状態に近づけるように磨きます。
多少なりともフレットを削ることになるのでフレットは摩耗(消耗)します。
あまり頻回に行う必要はありませんし、
削るといっても消耗に対してそんなに神経質になる必要もありませんが。(^^;
弦交換の際、フレットのキズ、クスミ、頂点の摩耗をみて
必要だと感じた時に行う程度の頻度です。
楽器は大切に使いましょう。(^^)