2024年1月下旬にFIXED WAH Indigo Note が発売され、売れ行きが好調のようでフィックスド・ワウが再注目されている感じがします。
単体で購入すれば高価なエフェクターとなりますが、マルチエフェクターの機能を使用して同じような効果を得ることができます。
そこでGT-1000でFIXED WAHと似た効果が得られる設定方法について書いてみます。
ワウペダルとは
Wah Pedalは可変式パラメトリックイコライザーのようなもので、ペダルの操作でフィルターのカットオフ周波数を変化させている昔からあるエフェクターです。
1960年代後半にクラプトンがCREAMで使用しており、ジミヘンも使用していたことで有名です。
ペダルを踏むとワウワウと聴こえることからワウペダルと呼ばれています。
ジム・ダンロップのCry BabyとかVOXのペダルとか有名です。
少数派ですが、バンドパスフィルターと呼ばれることがあります。
FIXED WAHとは
FIXED WAHとはワウペダルを任意の位置で固定したエフェクターです。
Indigo Noteの価格は48,000円(税別)ですが、とんでもない価格で市場に流通しているようです。
それだけの人気商品なのです。
ワウ半止めのサウンドが得られるFIXED WAHの人気もあってか、JIM DUNLOP社のQ ZONEが復刻しているようです。
高すぎて手が出ないFIXED WAHの中では比較的安価な部類に入ります。
マルチエフェクターでのFIXED WAH設定方法
ここではBOSS GT-1000を例にマルチエフェクターでのFIXED WAH設定方法です。
ペダルが付いたマルチエフェクターなら応用が利くと思いますので参考にしてください。
ここまで読まれた方は既にFIXED WAHの設定方法が思い浮かんだ方も多いと思いますが。
パラメトリック・イコライザーを使用する方法
ワウペダルを半止めにするということは、可変するフィルターのカットオフ周波数を固定するということなので、マルチエフェクターにパラメトリック・イコライザーがある場合は、フリーケンシーを好きな音がする位置に設定して、ゲインで程よくブーストすればFIXED WAHと似たような効果を得ることができます。
LOW・MID・Highと3種類のフリーケンシーを持つタイプであると、更に凝った音色にすることも可能です。
通常は1つのフリーケンシーの設定とゲイン幅の設定で大丈夫です。
同じイコライザーでもグラフィック・イコライザーではFIXED WAHと似たような効果を得ることは難しいです。
他バンドのグラフィック・イコラーザーであれば何とかなるかもしれませんが、パラメトリック・イコライザーを使用した方がはやいです。
マルチエフェクターのペダルの設定を変更して使用する方法
この方法が一番簡単です。
本体を操作しても同じ設定が可能ですが、ここではBOSS TONE STUDIO for GT-1000を使用して設定してみます。
エフェクターの前段にFXペダルをアサインし、タイプを「WAH」にします。
ワウタイプはお好みでよいのですが「VO WAH」が扱いやすいかもしれません。
ペダルポジションは「25」あたりPEDAL MINは「0」、PEDAL MAXは「100」、エフェクトレベルは「100」でダイレクトミックスはお好みですが「35」あたりがよいかもしれません。
後段に使用するエフェクターや使用するギターに合わせてお好みで設定してください。
このままでは、マルチエフェクターのペダルを操作するとペダルポジションが可変し、通常のワウ・ペダルの状態です。
そこでマルチエフェクターのペダルアサインを変更します。
PREFERENCEはパッチでもシステムでも構いません。
パッチならパッチごとの設定となり、システムにすると全てのパッチでここで設定した内容が有効になります。
中ほど下に「EXP1」の設定項目があります。
ここを「FOOT VOLUME」に変更します。
こうすることで、マルチエフェクターのフットペダルはボリュームペダルとして動作し、FXペダルで設定したペダルポジションに反映されません。
つまり「固定化」されたことになります。
これでFIXED WAHと似たような効果を得ることができます。
ここではBOSS GT-1000を使用していますが、フットペダルが付いたマルチエフェクターの多くはワウ・ペダルのモデリングが入っています。
ペダルアサインを変更できれば、ワウで設定した内容とフットペダルの操作を分離することが可能かもしれません。
FIXED WAHに興味のある方はお手持ちのマルチエフェクターが設定可能か確認してみてください。