人間の耳が聞き取れるのは 20Hz~20kHz と言われています。
しかしこれは「若者の」という言葉を足した方が良いのかも知れません。
10代では、20Hz~20kHzであった聴覚も、
20代では~18kHz、30代では16kHz、40代では14kHz、
60代を超えると~12kHz位まででしょうか。
低域は40代頃までは20Hz前後ですが、
60代になると30Hzあたりといわれています。
また、男女差は無いとも言われており、
40代を過ぎると高域の落ち込みが激しくなるとも言われています。
俗にいう老人性難聴とか感音性難聴というものです。
携帯の着信音に「モスキート音」という高音を使い、
年配には聞き取れない着信音として使われているのも、
年齢により高域の特性が低下していることを逆手に取ったものだと言えます。
プロはもとより、趣味であっても音楽をされている方は、
多少なりとも楽器や機器、完成された曲の周波数特性を気にしています。
どうせ買うなら音が良く、周波数特性も良いものと思う訳です。
しかし、実際は年齢とともに耳の高域周波数特性が落ちています。
では、「年齢を重ねると音楽を楽しめないのか」
実際問題として年を重ねてもプロとして音楽に携わっている方や
レコードなどアナログ音源の愛好家の方もいらっしゃる訳です。
聞こえないのではくて、いわば耳の高域のdBが低下して
聴神経が感知しにくいのだと思います。
その証拠に音量(dB)を上げれば聞こえる訳ですし、
高価な機器を愛好すれば高域の特性が改善され聞こえやすくなります。
視点を変えてみると、音楽は音階を感じ取れなければ曲として成立しません。
人の耳が音階として感知できる上限は4kHzあたりと言われています。
なので、私は60代になって12kHzまでの高域までしか聞こえなくても、
音楽を趣味として楽しむ事は出来るようです。安心しました。(^^;
そもそも何でこんな事を書いているかというと、
先日の記事で久々に12弦ギターを弾いて
「私が60代になってもこのギターを弾きたいな~」なんて思った訳です。
60代になってもこの12弦のキラキラした音って
今の感覚のままで聞こえるのかな?
それが今日の記事の始まりです。
話を戻します。
計算してみると4kHzというと、ちょうど88鍵のピアノの最高音が
4kHz付近です。ノートでいうとC8です。
ピアノって良く考えられている楽器だと改めて感心しました。
つまり4kHzより上の領域は、音階というか音程として感じているのではなく、
空気感とか、奥行き感とか透明感とか、そういう感覚で聞いているのでしょうか。
この領域には倍音も沢山いますし、シンバル類もこの領域ですね。
確かにこの領域をEQで持ちあげると音程や音階ではなく、
「シャーッ」といった音が持ち上がる感覚があります。
そういう意味では4kHz以上の音の作り込みは大切なんだなと再認識しました。
なんだか今日はダラダラと書いている感じなのでこの辺で。
コメント
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はじめまして
最近MIDIに悩んでる「やまね」ともうします
CUBASE6がらみでここにたどり着きました
自分が深く考えずに流してきた
音楽に関することが とても詳しく
書かれてあって勉強させてもらってます
ありがとうございます。
ところで耳なんですが
ある耳の研究者がTVで言っていたんですが
聴力でアフリカの老人の平均が
アメリカのニューヨークの若者の平均と
同じだそうです。
こと聴力に関しては通常の廃用萎縮の考え方は
不成立で 生活の仕方、耳の使い方でその差が
出るそうです
今後ともよろしくお願いします
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やまね様、はじめまして。
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、廃用萎縮とは簡単にいえば使わない機能が衰えること。
耳は常に使っているので、この概念にはあてはまりません。
被験者であったアフリカの方とニューヨークの方では、
耳の使用状況が異なり、それによる違いであるのかも知れませんね。
老化とは、廃用萎縮と自己修復機能の衰え、
そして細胞の不可逆的損傷からくる機能障害によるものも
広義な意味で含まれていることもあります。
私もそろそろ不摂生が堪えるようになったので気をつけなければ。(^^;
今後とも宜しくお願い致します。
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MOMO様
前の投稿で舌足らずな点がありました
研究者の方が耳を長く使う方法を
言ってたのを書き忘れました
それは「音をできるだけ聞かない事」だそうで
そうすると耳が長く使えるそうです
音楽を聞きながら仕事とかをするのは
耳を悪くするそうですハードと大脳のソフト面で
ダメージを与える様な事を言ってました
ところで耳って不思議ですよね
雨の日だと楽器の音が悪くなりますが
あれって楽器の音が悪くなるんじゃなく
耳が悪くなるように思えるんですが・・・・
いつかMOMOさんのワイズな考察で解明して下さいな
4649Ne
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毎度でございます。
7th-lab ‘s blog の方にも多数のコメント感謝です。
何だかライブ終わったら終わったで何かしら仕事が多くて(爆)。
何もかも後回しにできないような、優先順位を決めかねる作業ばかりでして。
そしてやまねさん初めまして。
「耳」という器官って、けっこう神秘的なイメージがあります。
「音」がある意味神秘的な存在だからでしょうか。
それとも中耳、内耳部分が眼に見えないところにあるからでしょうか。
ときに耳を休ませること=音を聴かないことで、精神的には何らかのメリット or デメリットが発生したりはするんでしょうかねぇ。
7th-lab なんかだと、「音を聴かないように心がける状態」に長く居ると、不安でノイローゼになりそうな気がします。
逆に、「音による癒し」は、リラクゼーションミュージック等でその効能が語られ始めて久しくなります。
果たして「耳の休養」を選ぶか「精神の安らぎ」と選ぶか。
記事の内容を参照させていただいて想像するに、音域や音量もその重要なファクターなのかも知れません。
普段聴かない周波数の音域を、やや小さい音量(=刺激の弱い音量)で聴くことで、上手く「耳の休養」と「精神の安らぎ」のバランスがとれる、という考え方も想定できたり。
落ち着いて考えると「無音状態」ってなかなか作れませんよね。
ささやかな空気の振動さえ、鼓膜が察知して脳が「音」として認識してしまうからでしょうか。
そうなると、やはり心臓並みに止まらない器官であると言えそうです。
耳栓して眠ったりしてみようかなぁ。
先日「閃輝暗点」でビビったので、ちょっと考えるところがある 7th-lab でした(猛爆)。