昨日の記事、音程と周波数 1(リンク付)でギターとベースの音程、
周波数、ノートの関係を早見表にまとめてみました。
今回は、その続きで実際にギターを使って周波数を見てみます。
上は、ギターの6弦開放であるE2(82.407Hz)の原音です。
一番左の山が基音でそれ以外は倍音と歪成分となります。
同じデータをピアノロール形式でみてみると、
基音の1oct上のE、B、2oct上のE、G#、B、Dも若干鳴っています。
倍音と合わせると「E7」で鳴っています。
帯域のグラフをピアノロールのグラフをみると
基音よりも倍音、しかもどの倍音が強く出ているか解りやすいと思います。
しかし、聴覚上でいうと倍音の音が聞こえますか?
グラフでいうと6弦開放を弾いてG#4を明確に感じるでしょうか?
G#4(415.305Hz)は、基音では2弦9フレット(1弦4F,3弦13F,4弦18F)です。
倍音の不思議(リンク付)で書いたように、人間の聴覚は、差音といって
倍音成分から基音を作り出して感じることができるので、周波数分布で
基音より倍音成分のレベルが高くても基音をしっかり捕らえることが
できるのです。
私は雑踏や車の中で音楽が聞こえて来るとき、
特に騒音が大きいとき、ボーカルとオケの音の調が
変に聞こえる時があります。
多分、騒音で倍音成分や基音が聞き取れず、
差音も作れてないのでしょう。
プロのミックスは全周波数を上手く使っていますが
様々な楽器で構成される曲の高域周波数帯は倍音で
溢れているはずです。
もちろん倍音が発生しない楽器も多いですが。
これらを視覚上、聴覚上の判断でバランス良くミックスできる
能力は本当にプロの技なんだと思います。
CDを聞くとき、昔はその演奏や歌、歌詞しか聞いていませんでしたが
DTMでDAWを使うようになってCDの聞き方が変わりました。
何か思う曲があれば、WAVに焼いてDAWで開いて
周波数の分布を見たりしています。
これが綺麗なんですね。ホントに綺麗なんです。
機材も腕も違うのは百も承知ですが、それを差し引いても
どうやっても近づけないのです。
試しに自分で弾いてコピー曲を作って解析しても
ミックスした周波数のグラフは同じように出来ても
聴覚上は天と地の差なのです。
楽器個々の扱い方から天地の差があるのです。
ちなみに上の原音にアンプをとおすとどうなるか。
ロックサウンドで6弦開放したらこんな感じです。
5~6kHzにロックの魂をみることができます。
ただの倍音の増幅と歪成分なのですが。(^^;
今度はEmを弾いてみました。
左が原音、右がアンプサウンドです。
昨日、ギターとベースの周波数早見表を作りましたが
実際は、特に弦楽器は倍音が発生する楽器なので
本日は「倍音を見るとこんな感じだよ」って記事でした。
使用したVSTとソフトは
前に紹介したVoxengoSPAN(リンク付)とwavetoneです。
何かの参考までに。