先日より、壁や床と楽器について書いてきました。
今回は外壁開口部、すなわち「窓」の遮音についてです。
窓から漏れる音も界壁による遮音と同じ、空気による伝搬で、
遮音性能の表現には「T値」を持ちいます。
【T-1】25等級/単層ガラス
【T-2】30等級/単層ガラス
【T-3】35等級/防音合わせガラス
【T-4】40等級/二重サッシ
昨日の品確法による性能評価で書いたように、
評価項目の中に、透過損失等級(外壁開口部)があります。
通常、サッシが変更されると透過損失に影響があり、
評価結果が意味のないものになってしまうので、
マンションにおいては勝手に変更ができません。
ただし、サッシの内側に別のサッシを追加する事は問題ありません。
では、ガラス窓の透過損失はどの程度なのでしょうか。
板ガラス協会「板ガラスの遮音性能」より抜粋し、グラフを作ってみました。
FLとは単板ガラスの厚みです。
Lとは合わせガラスの厚みです。
Aとは複層ガラスの中間層の厚みです。
Aが50mm以上は二重窓です。
では、単板ガラス3mm、合わせガラス6mm、複層ガラス、二重窓です。
400Hz付近では複層ガラスより単板ガラスの方が遮音性が高く、
1.2kHzを超えると複層ガラスの方が単板ガラスより遮音性能が高いです。
合わせガラス6mmをみると、1.6kHzまでは合わせガラスの性能が勝り、
1.6kHzを超えると複層ガラスが遮音性能が良いです。
上のグラフは単板ガラスのみ4mmに変更しています。
単板ガラス3mmと比較して遮音性能のピークが低音側に移動しています。
今度は単板ガラスを6mmに変更しました。
同じ6mm厚でも単板ガラスと合わせガラスでは、
1kHz以上の遮音性能に差があるようです。
防音や遮音を考える時に、演奏する楽器によって
通常使用する周波数帯域が異なれば、選択するガラスも
変わってくるのではと思いまとめてみました。
300Hz~1kHzでは3mm厚ガラスを利用した複層ガラスよりも、
単板3mmガラスの方が遮音性能が良いようです。
ただし、1kHzを超えると複層ガラスがその真価を発揮するようです。
先日より遮音について書いてきましたが、今回で終了です。
何かの参考までに。
コメント
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ご無沙汰しております。
非常に壮大なテーマに取り組まれておいででしたね。
集中して読み込まないと思考がついていかないですね。
すんなりアタマが受け付けてくれない、というか(苦笑)。
しかし「遮音」というのは壮大なテーマです。
一般の皆さんは「外に音が漏れない=迷惑にならない」とお考えでしょうね。
7th-lab は「雑音が入らない=録音環境に優れている」という視点で記事を拝見しました。
どうやら基本的に「他人の迷惑顧みず」という性格のようです(爆)。
Ps.
Zoom H2 導入しました。
様々な疲労による声枯れが完治次第、何か唄モノを、と。
じっくり計画中です。今しばらくお待ちくださいw 。
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7th-lab さん、こんばんわ。
音楽作るのも趣味ですが、図面書くのも趣味なもので。(^^;
ZOOM H2、とうとう入手されましたか。
エフェクターも同じですが、
交流電源を整流回路を使ってを直流に変換すると、
リップルが発生するので電池使用をお勧めです。
そういえば、この前H2nが発売されたので、
無印H2は更に安くなりましたね。
私が買った頃は無印も高かったです。