はんだ線に入っている、ヤニの役割をフラックスといいます。
金属表面の洗浄、酸化被膜の除去、酸化防止、
熱で溶けたはんだを広がり易くするのがフラックスの役割です。
フラックスで多いのは松脂(松ヤニ)。別名ロジンともいいます。
松脂は170℃で金属面の酸化被膜を除去(洗浄)します。
さらに添加物を加えて活性化ロジンとすることで、
有効性を高めているものが殆どです。
ヤニなしのはんだ線の場合は、
金属面の洗浄、腐食防止機能が無い状態での融接となるので
あまりお勧めはできません。また、はんだが広がらないので、
接着面積を確保できず、後にはんだが剥がれることにもなりかねません。
はんだ線を選ぶ時に「ヤニ無し」を選択する場合は、
別途、高級品を用意している場合としましょう。(^^♪
ヤニ入りはんだ線の別の使い方として、
先程書いたとおり金属表面の洗浄や酸化被膜の除去に使えるので、
コテ先の洗浄に使うことが出来ます。
はんだコテの洗浄は、熱くなる前に写真の様に、
はんだ線をコテ先にぐるぐる巻いて、熱くなって溶けたら
ふき取ります。
また、はんだ後は写真のように汚れてしまうので、
綺麗にはんだ付けを行う為に、はんだ付け処理の度に
「捨てはんだ」としてコテ先にヤニ入りはんだ線を付けて、
溶けたはんだを布などで拭き取ります。
これで常にコテ先の状態が良くなるので、
細かなハンダ付け作業が随分と楽になります。
この時は、オーディオ用や楽器用のはんだ線を使うともったいないので、
安いヤニ入りはんだ線を購入しておいて、捨てはんだ用としましょう。
何かの参考までに。