初心者用エレキギターでは安価なパーツの寄せ集めで構成されており、設計として疑問が残るギターも存在します。
今回はエレキギターを選ぶうえでのポイントとして、ピックアップと弦の位置について書いてみます。
商品紹介ページでは判りづらいポールピースと弦の位置関係
本来、ギターの弦はピックアップのポールピースの真上に位置しなければなりません。
しかし、最初の写真でもわかるとおり、撮影の角度によってはポールピースと弦の位置関係が判らない商品紹介写真である場合もあります。
ポールピースと弦の位置がズレていると、各弦のパワーバランスが崩れ、ピックアップ本来の出力バランスや音色とならない場合があります。
また、チョーキング(ベンド)の際の音切れや出力不足という結果にもつながります。
そこまで丁寧に設計されているピックアップが搭載されているかは別として、将来、ピックアップ交換などを行ったときに、そのピックアップの性能が発揮できない場合もあります。
写真は少しずれて見えますが、実物は真上に位置しています。
正しくはこのようにポールピースの真上に弦が位置しなければ、設計が悪いギターである可能性があります。
そもそもの組み合わせサイズが悪いのか、ピックアップの取り付け位置が悪いのか、ネックの取り付け位置が悪いのか、ブリッジの取り付け位置が悪いのか。
先に書いたような演奏時の音の問題だけではなく、そのズレがブリッジやネックの取り付け位置に問題がある場合、演奏の際に6弦や1弦の「弦落ち」が発生します。
その場合、ものすごく演奏しづらいギターとなります。
多少、設計や検品に問題があってもそのまま流通していることは多いのです。
安価な初心者用ギターでも有名メーカーでは設計段階できちんと考えられていますし、検品もしっかりしています。
数千円の差であるなら名のとおったメーカーのギターをお勧めします。
ミドルクラスでも結構ズレがあるギターを見かけますので要注意です。
ピックアップメーカーはしっかり配慮しています
例えばリプレイスメント用ピックアップとして有名なSeymour Duncan SH-4を例にすると、SH-4はギブソンのエレキギター用に設計されています。
トレモロ付きのギターでは弦のピッチが異なるためシンクロナイズド・トレモロやフロイドローズタイプなどの広い弦ピッチをカバーする「TB-4」が販売されています。
このようにコストの掛かる別製品として製造されるほど、エレキギターの弦とピックアップのポールピースの関係は繊細であるといえるでしょう。
エレキギターは弦の振動をピックアップで拾い、微弱な電流としてギターアンプに送ります。
ハムバッカーより微弱なシングルコイルピックアップでは、更に指板のRに合わせて設計されたものがあります。
これもセイモア・ダンカンを例にするとビンテージストラトに代表される指板R用のVintage Staggered Strat SSL-1とフラットに近い指板用のVintage Flat Strat SSL-2があります。
SSL-1は指板のRに合わせた出力バランスとするために、ポールピースに高低差が付けられています。
これに対しSSL-2では同じコイルデザインでポールピースがフラットな仕様になっています。
これについても、コストが掛かる別製品として発売されていることから弦とポールピースの位置関係はエレキギターにとって大切であることがうかがえます。
ただし例外もあります
アーティストのシグネチャーモデルに見かけることが多いのですが、プロトタイプで何種類ものピックアップを試し、そのサウンドで採用された結果、SH-4とTB-4の関係が逆であったり、SSL-1とSSL-2の関係が逆であったりすることがあります。
これは出音で判断された結果なので良いのですが、通常は基本設計のセオリーであるポールピースの上に弦が位置するエレキギターが製造上の誤差が少ないギターといえます。
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