Elioth S507に搭載されているピックアップは
Seymour Duncan SSL-1とTB-4。
Eliothのサイトではフロントとセンター共にSSL-1nとの記載でしたが、
実際はフロントにSSl-1、センターはRW/RP(逆巻き/逆磁極)である
SSL-1RW/RPが搭載されていました。
これはハーフトーンでハムキャンセルとなる
組み合わせなので非常にありがたい誤算です。
リアP.U. TB-4のみのタップは出来ませんが、
センターとリアのハーフトーンでは自動でタップされるようです。
このようにメーカーサイトでは情報間違いや情報不足もあるので、
前回メンテナンスを行う為に分解したときに思ったことを少し書いてみます。
ピックアップのキャビティは弁当箱もどき。
でもノイズシールドの為の伝導塗装処理が施されていました。
これもサイトに情報の記載はありません。
この黒い伝導塗装にサーッキト内の部品が接触し、
通電すると、信号がアースに流れることになります。
購入時より高音が変だなと思ったら、
ポットの緩みやハンダの劣化の可能性を考えて、
サーキット内部の配線やパーツの金属部分が
伝導塗装に接触していないか確認してみましょう。
トレモロブリッジに関しての情報は、
2つのピエゾピックアップを搭載した
ブリッジであること以外に記載はありません。
S507のブリッジは、LR Baggs X-Bridge for Fender American
Standard Stratというブリッジが一番近い形成かなと思います。
ピエゾピックアップ搭載ブリッジで、
国内でも並行輸入品が販売されています。
現行のX-Bridgeはイモネジの先に別部品で凹穴2つデザインの
パーツになっているようですが、Elioth S507では一体成型です。
しかし、同じLR Baggs X-Bridgeを搭載していた、
LINE6 variax600では一体成型になっていました。
このことからS507に搭載されているブリッジは、
過去に発売されていたLR Baggs X-Bridgeではないかと思うのです。
LR Baggsは、旧機種をOEM用に製造し、
提供しているのではないでしょうか。
LR Baggsのロゴをプレスしていないのは、
OEM用であるからと勝手に思っています。
アームの造形、アームの取りつけ部分の造形とその方法、
プレートの造形、弦を通す空間の造形がとても似ています。
ピエゾ用のプリアンプは別途あてがわれたもののようですが、
ブリッジのみでいえば、LR Baggs X-Bridgeが一番近いです。
(追記:LR Baggs Ctrl-X が一番近いように思います。)
LR Baggs X-Bridgeの並行輸入品は14,800円。
海外では1万円前後で販売されているので、
原価を1/3程度と仮定してプリアンプと2軸ポットの原価を
合わせて5,000円とすれば、海外市販品との差は5,000円。
Elioth S505とS507の価格差が
5,000円であることに概ね一致します。
この仮説から推測すると、S507は付加価値を付けて
利幅を多く設定している訳ではなく、S505と同じ
利幅で販売していると推測できます。
ということは、ピエゾ以外は同じものと考えて、
その必要性によってS505、S507を選択しても、
我々消費者に「損」は無いのでしょうか。
(追記:仮にプリアンプ部をLR Baggs Ctrl-Xとすると、
原価は1/3以下でないとS505と同等となりません。)
価格なりのものなので、肯定も否定もしませんが、
情報不足の感は否めないので自分の手元に届いた
S507について書いてみました。
何かの参考までに。