5度圏について書いてみます。
5度円、5度環、Cycle of Fifths(5th)、Circle of Fifths(5th)とも言いますし、
5度(五度)ではなく4度(四度)と表現されることもあります。
この円を使うと作曲や既存曲の採譜を行うのに、非常に便利ですし、
これまで覚えた理論的なことについて、更に理解を深めることもできます。
CはFに強進行、CはGに強進行されます。
外円はその調でのシャープ、フラットの数です。
調を決めれば#や♭の数が解りますし、
譜面の#や♭の数を数えれば調が解ります。
また、ある程度楽器が弾ける方では、
テレビやCDに合わせて適当に音階を弾けば、
使える音と、使えない音が感覚的に解ると思います。
その際に、#や♭で弾いている音の数を数えると
その曲の調が解ります。
この5度円中段には長調、中心側では短調が記されています。
これにディグリーネームやダイアトニックコードを当てはめれば、
苦手な調での曲作りも簡単です。
そしてⅠはトニック(T)でもあるので、表のCをルートをすると、
右側に五度(Ⅴ)、すなわちドミナント(D)があります。
左側には四度(Ⅳ)、すなわちサブドミナント(SD)が表現されています。
(参照:トニック等について)
3コードを使った曲を作るのに調を決めれば、すぐに3コードが解ります。
ルート、Ⅰ、T(トニック)、調。
5度円を使えば、これらを直ぐに知ることができます。
なぜ5度円と呼ぶのか。
右隣が常に5度の関係であることから5度円等と呼ばれているのです。
それでは、なぜ4度円などと表現されることがあるのか。
最初の挿絵を見られた方の中で、違和感を覚えた方はいらっしゃいませんか?
それは最初の挿絵は鍵盤弾きの方に多い5度円の書き方だからです。
ギターでは上の挿絵の様に逆を使うことが多いのです。
(再度作るのが面倒なので反対にしているだけです。)
何故かは解らないので聞かないでください。(^^;
右隣は4度の関係になりますね。
これが4度円等とも呼ばれる理由となります。
長調と短調の関係について、
#と♭が0の位置にあるものはCとAmです。
ソロなどを弾くときに使える音が一緒ということになりますね。
そして、モードやスケールというものがあります。
チャーチモードが簡単なのでチャーチモードで説明すると、
CチャーチモードでCから始まるスケールは、ドレミファソラシド。
これをアイオニアンスケールといいます。
Aから始まるとラシドレミファソラ、エオリアンスケールです。
AmでAをルートとすると、どう並ぶのでしょう。
なんとなく、スケールやモードに興味が湧いてきませんか?
今回は解りやすくCを基準に挿絵を作りましたが、
挿絵の円部分をクルクル回せば、どの調でもトニックやドミナント、
ディグリーネーム、ダイアトニックが解ります。
長くなるので最後に一つだけ、裏コードについて簡単に書いてみます。
代理コードと呼ばれることもありますが、なぜ裏コードと呼ばれるのか。
裏コードと呼ばれるものは、ドミナントにおける代理コードを指しています。
5度円を見てみると、CのドミナントはG(G7)、Gの反対側にあるもの、
すなわち、裏側にあるものはD♭(D♭7)。
D♭7はCのダイアトニックコードではないので、代理コードとしては
あまり思いつきませんが、このようにダイアトニックコード以外からでも
使えるコードもあるのです。
裏コード=ドミナントに対する代理コードでダイアトニックコード以外のもの。
こんな感じでしょうか。
もうすぐ冬休み。
休日中の工作として、クルクル回る5度円を作ってみては如何でしょうか。
何かの参考までに。