DAWでMIDIデータの発音中に音程を変える時はピッチベンドを利用します。
シンセではベンドホイールを使った演奏を再現したり、
ギターでは、ハンマリングやプリングオフ、ライトハンド(タッピング)に
スライド、コードチェンジの際にも使用することがあります。
このように、打ち込みで楽器を再現する際、
ピッチベンドの出番は結構多いです。
実際のデータ入力は、MIDIキーボードによるリアルタイム入力か、
DAWにマウスで入力することになります。
また、ピッチベンドを使用する際は、使用する音源(VSTiやハードウェア音源)が
ピッチベンドに対応していることと、音源の初期設定のベンド幅がいくらか。
これらを調べておく必要があります。
ベンド幅は「ピッチベンド・センシティビティ(PitchBendSensitivity)」といい、
この値が「12」なら12半音、上方向に12半音、下方向に12半音。
言い換えれば、上下1オクターブで2オクターブの幅でベンドできます。
この値が「2」なら上下2半音(上下1音)で計2音分の幅となります。
では、どの位ベンドしたら良いか、簡単に表にまとめてみました。
センシティビティ「12」の表を見て下さい。
となりどうしの差が683と682の場合がありますが、
これは平均律なので誤差があると考えて下さい。
ギターの1音チョーキングを打ち込みで再現する際は、
ピッチベンドを使って、センシティビティ12の時は「0から1365」、
センシティビティ2の時は「0から8192」へとなだらかに音程を上げれば
良いという訳です。
ベンドが1音(2半音)の時は問題有りませんが、
これ以上ベンドする場合はセンシティビティ2の設定の場合は
コツか設定の変更が必要となります。
最初にセンシティビティ2の場合は上下1音、計2音の幅と書きました。
この範囲に収まる場合は、予め最初の音の打ち込みとベンドを使って
処理できますが、2音(4半音)を超える場合は設定の変更が必要となります。
設定変更は各DTM機器の取扱説明書などを参考にしてください。
ソフト音源(VSTi)は、MIDIコントロールナンバー対応、非対応、
一部対応とバラバラなので手持ちの音源の確認が必要です。
CUBASE6に付属しているVSTi、HALion Sonic SE での設定変更です。
最近のソフト音源(VSTi)は音源側の設定でピッチベンドの幅が変更できます。
CUBASE6からHALion Sonic SEを起動すると、
上のキャプチャのように起動します。
すると、詳細な設定が可能なインターフェイスに切り替わります。
HALion Sonic SEでは、下の赤枠にある「Pitchbend」で
上(+)方向へのベンド、下(-)方向へのベンドの別に設定が可能です。
初期は、-2、+2なので、上下2半音。
言い換えれば+8191で+1音、-8191で-1音のベンドとなります。
ここを+12、-12に変更すれば、上下1オクターブのベンド幅で
ピッチベンドすることができます。
Cubase6の場合は対応音源を使用する事で、簡単に奏法を表現できる機能や、
その他のDAWでも、奏法の名前を選択するだけで、奏法を表現できる機能を
装備しているものがあります。そちらの方が断然に作業が早いです。
また、使用する音源がMIDIコントロールナンバーを受け取ることができ、
DAWにリストウインドウがある場合は、CCを使用した設定変更が可能です。
CC101(RPN MSB)=00H(0)
CC100(RPN LSB)=00H(0)
CC6(DataEntryMSB)=02H(2)又は0CH(12)
CC38(DataEntryMSB)00H(0)
この手法を使うのはGM規格に準拠したハードウェア音源を
コントロールする場合に多いでしょうか。
「新しいものが最良の楽器とは限らない」
気に入った音があればその楽器がベストなわけで、
新しい古いがあまり関係ないのが楽器です。
古い打ち込み作法も時には役に立つ時がありますが、
最近はMIDIコントロールナンバーやシステムエクスルーシブを
使う機会が減ったので、かなり忘れてしまっています。(^^;
何かの参考までに。