DAWで曲のテンポを設定しますが、それに関連する雑学です。
テンポは曲の速さを表わしますが表記方法は様々です。
(以下 4/4拍子での記載となります。)
120BPM
TEMPO=120
M.M=120
♩=120(環境依存文字:四分音符)
120BPMに用いられる単位は Beat Per Minute といい、
「1分間に何ビート刻むか」を表わしています。
DTMや楽器関連機器によく用いられています。
TEMPO=120は、1拍の速さを表わしています。
M.M=120に用いられるM.Mとは、
Malzel’s Metronom の略記で、メルツェルメトロノームと読みます。
メルツェルとはメトロノームの開発者を表わしているので、
M.Mの意味は「メルツェルさんの作ったメトロノームで刻む速さ」
という意味になります。
この他に、♩=120(環境依存文字:四分音符)という表記も
用いられます。これは、メトロノームが刻む音が何音符にあたるかを
判りやすくするために用いられる表記です。
では、ここから数字遊びです。
4分音符を1とすると、
8分音符は1/2、16分音符は1/4、32分音符は1/8です。
テンポ120(120BMP)では、4分音符を1分間に120回刻むので、
「60秒÷120=0.5秒」
テンポ120での4分音符1個は0.5秒となります。
では、これを「ms」ミリセコンドにしてみます。
その前にミリセコンドとは、「1秒の1/1000=1ms」。
milli second、ms、msec、ミリ秒と表記されます。
ハードディスクやオーディオインターフェイスのレイテンシ等に
よくでてくる単位です。
テンポ120での4分音符1個は0.5秒ですので、
0.5秒×1000=500ms となります。
この計算でいくと、120BMPでの各音符の時間的長さは、
8分音符=0.25秒=250ms
16分音符=0.125秒=125ms
32分音符=0.0625秒=62.5ms
こんな感じでしょうか。
では、160BMPで計算してみます。
4分音符=0.375秒=375ms
8分音符=0.1875秒=187.5ms
16分音符=0.09375秒=93.75ms
32分音符=0.046875秒=46.875ms
テンポ160での32分音符でも、
一般的なオーディオインターフェイスのレイテンシーより大きいです。
では、現実的ではありませんが 300BPM(TEMPO300)。
4分音符=0.2秒=200ms
8分音符=0.1秒=100ms
16分音符=0.05秒=50ms
32分音符=0.025秒=25ms
32分音符で25ms
レイテンシーの大きいオーディオインターフェイスの
遅延は20ms~25msなので、300BPM位のテンポで
32分音符1個分のレイテンシーということができます。
この秒とミリ秒の関係をみると、
オーディオインターフェイスのレイテンシーは、
20ms=0.02秒
15ms=0.015秒
10ms=0.01秒
こんな感じです。
この計算を覚えれば、
エフェクターのディレイタイムを計算するときに役に立ちます。
もっとも、DAWでは自動でやってくれますが。(^^;
過去に遅延と演奏距離(リンク付)という記事で
レイテンシーと演者の距離感についても書いていますので
何かの参考までに。