ギターのピックアップ交換について、
HSH,3S配線(リンク付)をモデルに書きました。
今回は、一部分のピックアップだけをリプレイスする際に
知っておくと便利なポラリティチェックの方法です。
ポラリティとは極性のことです。
取り付けるピックアップ配線のホット、アースを逆に付けたり
メーカーで逆の場合もあるので交換の際には確認が必要です。
ポラリティが逆だと張りがない、浮ついた、何か変な音になります。
これはポラリティを逆にするとお互いが電気的に打ち消し合うからです。
しかし、大体は使った事のないピックアップを取り付ける訳ですから
その音が本来の音なのか、ポラリティが逆の音なのか慣れないと
判断が付きません。
ポラリティチェックの方法
用意するものはテスターと六角レンチ。
六角レンチは何でも良いです。なければドライバーでも
スプーンでもピックアップの磁石に付くものなら何でもOK。
テスターは針の振れるタイプが判りやすいです。
デジタル式で数値のみはあまりお勧めできません。
数千円の安いもので十分です。
まず、テスターの準備です。
測定項目を抵抗(Ωと表示している場合もあり)にします。
測定レンジは1k(x1000と表示している場合もあり)にします。
テスター棒の赤(+)とピックアップ配線のホットを繋ぎます。
ピックアップの配線は赤白の場合は「赤」です。
テスター棒の黒(-)とピックアップ配線のコールドを繋ぎます。
ピックアップの配線は赤白の場合は「白」です。
ピックアップの配線が黒白の場合は、
白がホット、黒がコールドです。
メーカーにより線の呼び方が異なる場合があります。
+=プラス=ホット
-=マイナス=コールド=アース=グランド=GND
では、線を繋いだままでピックアップの表面に
六角レンチをくっつけて放します。
さて、針は右に振れたでしょうか。
それとも左に振れたでしょうか。
これまで使っていたピックアップと取り替えるピックアップとが
同じ方向に振れるようにしなければいけません。
もし、テスター棒+とピックアップ配線色のホットを
繋いだ状態で逆に触れた場合は、ピックアップ配線色が
ホットを示す赤であってもコールドとして扱います。
なので赤に組み合わされた白または黒色のコールドを
ホットとして扱います。
ただし、センターピックアップはワザと逆に配線(逆位相)して
・ハムバッカーのようにハムキャンセルを行なう。
・独特のフェイズトーン(ハーフトーン)にする。
このような配線パターンを行なっていることが多いです。
このことから、リプレイス用のピックアップは
その出力やトーンの設定により、同じ製品名でも
フロント用、センター用、リア用と分けていることもあります。
また、逆に繋いだ音の方が「好き」「曲に合う」こともあるでしょう。
ポラリティ(極性)を合わせるのはセオリーですが、
絶対という訳でもないようです。
もし、オークション等でピックアップが交換されたギターを
入手したが、そのピックアップの銘柄に相応しくない音と感じた場合は、
もしかしたら配線が逆に取り付けられたものなのかも知れません。
ピックアップA+ビックアップB=ハムバッカー
ハムバッカーの場合は配線は4本(+網線)と多いですが
シングルx2と考えれば簡単です。
AとBの片側だけの配線をテスターにつないでも針は振れません。
テスターの針が振れる組み合わせを探せば良い訳です。
タップ機能を使う場合は4本のままで良いです。
タップ機能を使わない場合は
AのコールドとBのホットを繋ぎ、Bのコールドと裸線を繋ぎます。
結果、AのホットとBのコールドの2本になります。
これでシングルと同じ2本線です。
AのホットとBのコールド(と裸線)の2本を
セレクター、ポットに接続すれば良い訳です。
最後に注意事項ですが、
ピックアップのメーカーにより線の色は様々です。
上の図の配線色はあてになりません。
ハムバッカーの挿絵はセイモア・ダンカンをモデルにしています。
最初の説明と矛盾しますが、ダンカンは黒がホットなんです。
緑はコールドです。網線はコールドなので、赤と白を結線します。
ディマジオは、これまた違うのです。(^^;
誰かピックアップの配線色を規格化して下さい。
何かの参考までに。