インターフェイスとヘッドホンの
ステレオクロストークについて書いてみます。
クロストークを簡単に書けば右(左)の音が
左(右)から聞こえる現象が発生することです。
インターフェイスのステレオクロストーク
標本化と量子化の設定替えて測定したもので、
一番下がステレオクロストークの測定結果です。
48kHz/24bitの設定では-93.4dB以下で左右のチャンネルが混ざります。
これは最近のPCサウンド 1で測定したマザーボードのサウンドチップと
PCI Express接続のサウンドボード、それとUR28Mを比較したの一部です。
この線から下で左右の音が混ざります。
全て混ざるということではありませんし、
それを聞き取れるかとは別の話です。
UR28MはDTM用のI/Oということもあって、
低域から高域までの特性が非常にフラットな結果になっています。
ヘッドホンのステレオクロストーク
選択肢の多いヘッドホンで少し書いていますが、
ヘッドホンにもクロストークが発生しています。
計算の結果、SHURE SRH840のクロストークは-32dBでした。
これはヘッドホンのインピーダンスとテスターで測定した
ヘッドホンケーブルの抵抗値を元に計算した結果です。
プラグやケーブルの抵抗を共通インピーダンスと言いますが、
これは1Ωから2Ω前後、多くて3Ω程度でしょうか。
このうちプラグ等の接触抵抗が5%~6%と言われています。
共通インピーダンスのうちSHURE SRH840のケーブルでは
1.1Ωであったので、その多くをヘッドホンケーブル等が
占めていることになります。
また、RchのドライバはLchのドライバ付近まで配線が延ばされて
片側配線となり、L/R/GNDの3極プラグでジャックに接続されます。
左右の配線の長さが異なるということは
左右でインピーダンスがことなるということになります。
こだわった製品では左右別出しケーブルのヘッドホンがありますが、
これは左右のインピーダンスを揃えるためです。
これから先に試してみたいこと
UR28Mのクロストークが48kHz/24bitの設定で-93.4dB、
私のSHURE SRH840ではクロストークは計算上-32dB。
ヘッドホンケーブル等を交換して30dB前後改善したという話も聞きます。
するとSRH840で-62dBあたりは狙えそうです。
ヘッドホンケーブルが痛んできたら
交換ケーブル等を吟味してみましょうか。
かといって「良い音」とは別の話です。
クロストークが良い製品が良い音とは限りません。
これは高価なギターが好みの音という訳ではないと思いますし、
技術バリバリのギタリストが誰もが憧れる
ギタリストという訳でもないのと似ているでしょうか。
趣味ならば好きなインターフェイスと
ヘッドホンでDTMすればよいと思います。
あくまでも知っておいて損はないというお話です。(^^)
選択肢の多いヘッドホンに書いていますが、
テスターで測ったケーブルの抵抗の実測値と
ヘッドホンの仕様に書いてあるインピーダンスからクロストークを計算できます。
dBへの換算表もその記事に掲載しています。
劣化したケーブルの交換等でインピーダンス等が変化して
共通インピーダンスが改善することもありますし、
プラグやジャックの清掃メンテナンスで5~6%も
共通インピーダンスが改善するのなら日頃のお手入れは大切ですね。(^^)