昨日は音色の配置で、私のよく使う基本的な音色配置について書きました。
その際に、上の図の様に定位が重なった音色は
EQなどで目立たせると良い場合があると書きました。
本日はその実際です。
上のキャプチャは Multi Inspector Free とうプラグインです。
これを4トラックにアサインしています。
各トラックは、G3、C4、E4 というMIDIノートを入力しており、
発音させる音色は、Cubase LE5 付属の HALionOneで、
1Tr ピアノ 緑のグラフ
2Tr シンセパッド 黄色のグラフ
3Tr ストリングス 青のグラフ
4Tr シンセリード 赤のグラフ
定位はセンター、音量はピークが同じになるようにレベルを合わせています。
これを音が重なって分離していない状況と考えます。
では、定位はそのままで音を分離していきます。
図では、それぞれピークがある周波数にポイントを絞りました。
緑の2、黄の3、青の1、赤の2
1例ですが、これらを持ち上げ、他のピークを下げると、
それぞれの音色が見えやすくなります。
それでも、黄3と青1は近いので可能なら定位をズラす。
これで、昨日の図でいう縦配置と横配置の見晴らしが良くなりました。
最後に、緑1にあるような低音はピアノではいらないのでカット。
黄1もベースに当たるのでカット、黄2はギターに当たるのでカット。
この音色の組み合わせでは、
赤のリード音色だけ高域の特性が異なり、浮いてしまいます。
10kHz以上を若干下げると全体に「塊感」がでます。
この辺りの周波数は様々な楽器の倍音成分やハイハット、
シンバル、リバーブ成分の為に空け気味でも良いかと思います。
ちなみに、上のキャプチャはCubaseLE5の
VSTインストゥルメントトラック チャンネル設定の画面です。
青枠の中で使うプラグインはEQや音量のスライダーの手前で
エフェクトが掛かり、赤枠では後にエフェクトが掛かります。
ディレイやリバーブで考えます。
青枠にこれらをアサインすると。
残響系エフェクトの効果音とともにEQ処理を行います。
赤枠にアサインすると、EQ処理後の音に残響音が加わります。
FXチャンネルでは、
青枠内に「残響系→ダイナミクス系」とアサインすれば、
残響音にコンプやマキシで存在感を出させ、
その後、EQでオイシイ周波数だけ持ち上げて聞こえ易くすることが出来ます。
実音でも残響でも音の輪郭がどこかで聞こえれば、
耳はその音色を認識し、聞きたい時に探してくれると思います。
同じ曲を聞いても、皆同じ様に聞こえているとは限りません。
歌詞を聴いているときは、細かな楽器のフレーズは
聞こえていないことが多いです。(私だけ?)
聞きたい時に探しやすいようにチョットだけ存在を出した後に
引っ込めても、カクテルパーティ効果で探し出せます。
存在を知らないと、この効果は期待できません。
あとは、設定画面中央のEQを使うと青枠、赤枠の制約がありますが、
このEQを使わず、別途用意されたVSTプラグインのEQを使用すれば、
青枠の中でも自由度が増すと思います。
私が行っている音像の分離と存在感の出し方について書いてみました。
何かの参考までに。
コメント
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毎度でございます。
当方のブログへのレス感謝です。
MI Free、実は前回の記事で教えていただいてから、DLして使用しています。
Sound DesignerというAUと同時起動しています。
Sound Designaeは、前回の記事にある図のように音を「配置」していけるエフェクトです。
本来は、演奏している空間の形状をエミュレートして、反射や残響を作るためのエフェクトですが、演奏者がその空間のどこにいるかをある程度設定できるので、逆に「配置」ができる、というわけです。
現在、当記事のグラフほど差が出ていないので、やはりパラEQと併用するのが望ましいようですね。
さらに、視覚的な状態と聴感上の状態のどちらか一方に集中してしまいがちな自分がいます(苦笑)。
だって棒グラフがいろんな色で並ぶとキレイなんだもん。
(そういうとき、実際の音像はとんでもないことになっている爆)
この続きも期待しています。ぜひよろしくw 。