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倍音について

随分と前に倍音について何回か書いた事があります。
今回はその補足的内容です。

倍音は、ハーモニクス、ハーモニックオーバートーン、
又は単にオーバートーンを呼ばれることもあります。

楽器の実音正弦波に対して発生する周波数の異なるトーンを
指していますが、この基となる音を基音と言い、基音と異なる
周波数で鳴っている音を倍音と呼びます。

倍音は、基音より下の周波数で発生することはありません。

基音より下で鳴っている音があるとするならば、共鳴や意図
しない雑音が殆どです。

エレキギターではスプリングの共鳴、ボディやトレモロに使用する
金属パーツの共鳴、不要な鳴き、電気回路(サーキット)から発生
又は混入する電気又は電波や電磁ノイズをはじめ、演奏者のミス
トーンや他の弦のミュートが不十分で鳴っている場合などです。

生楽器の倍音は基音に対して正確に発生している訳では無く、
ユレやズレがあります。ギターやピアノで例えるなら、平均律で
音を出している楽器でも、発生する倍音は純正律であるので、
このことのみでも多少のズレは発生しているのです。

といっても聞こえる範囲では全く気にならない程度ですが。(^^;

逆に電子楽器などから生成される倍音は、整数倍音のみであったり、
ユレやズレがないので機械的に聞こえるとも言われています。

ちなみに、基音がかき消された状態でも、
人の耳は倍音成分から基音を作りだして聞く事ができます。

これを差音と呼びます。(前に書いた事がありますね)

倍音は基音の1/2周期で鳴っている音を第2倍音、
1/3の周期で鳴っている音を第3倍音といい、
周期が1/2になると周波数は倍になります。

そして周波数が高くなるにしたがって音は高音となります。
では、どんな音が鳴っているのか書いてみます。

第1倍音=基音です。通常倍音とは呼ばず基音と言います。
第2倍音=周期が1/2なので、基音の1オクターブ上の音です。
第3倍音=基音の1オクターブ上の完全5度の音です。
第4倍音=周期が1/4なので、基音の2オクターブ上の音です。
第5倍音=基音の2オクターブ上の長3度の音です。

ここまでは以前、DAWに録音した波形を分析して書いた事があります。
ここからは音が小さく波形から読み込めませんでした。

第6倍音=基音の2オクターブ上の完全5度の音です。
第7倍音=基音の2オクターブ上の短7度の音です。
第8倍音=周期が1/8なので、基音の3オクターブ上の音です。
第9倍音=基音の3オクターブ上の長2度の音です。
第10倍音=基音の3オクターブ上の長3度の音です。

計算していけば第11倍音以上も簡単に知る事ができますね。

第9倍音と第10倍音では2半音(1音)の違いとなり、
ここから上の倍音は倍音同士の音程が密着してきます。

では具体的な音程を用いて書いてみます。

第1倍音=C3(基音)
第2倍音=C4(1oct)
第3倍音=G4(1oct/完全5度)
第4倍音=C5(2oct)
第5倍音=E5(2oct/長3度)
第6倍音=G5(2oct/完全5度)
第7倍音=B♭5(2oct/短7度)
第8倍音=C6(3oct)
第9倍音=D6(3oct/長2度)
第10倍音=E6(3oct/長3度)
第11倍音=F#6(3oct/増4度)
第12倍音=G6(3oct/完全5度)
第13倍音=A6(3oct/長6度)
第14倍音=B♭6(3oct/短7度)
第15倍音=B6(3oct/長7度)
第16倍音=C7(4oct)

倍音は純正律で発生するので、平均律のその音とはズレがありますし、
DAWで波形をみても第5倍音以上の音は小さいので、これ以上は単なる
計算上のお遊びでの雑学ですね。(^^;

音程と周波数 1という記事で、ギターとベースに関する
音名と周波数を書いているので下記の計算を、この記事で
用いた表と比べて見て下さい。

C3(130.813Hz)の第6倍音は、130.813Hz×6=784.878Hz
平均律でのG5は783.991Hzなので多少の誤差が認められます。

具体的に書けばこのようになります。

何かの参考までに。

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