昨日は、ギターのインピーダンスやHi-Z端子(リンク付)について書きました。
今回はケーブルやコードについて。
オーディオコード、映像コード、ギターケーブル等、
映像または音を趣味としていると様々なコード類が必要になります。
特にエレキギターはハイインピーダンスで微弱な信号であることから、
ノイズや抵抗による損失を受けやすいので、ケーブルは大切なのです。
では、本題のケーブルの品質について。
通常の電気線は「TPC」というタフピッチ銅が素材として使われています。
伝導体として使われている銅の純度は概ね99.5%と言われており、
メートルあたりの結晶数は150,000個です。
安価なケーブルは、このTPCであることが多いです。
信号を旅人に例えると、
1万5千箇所の関所を通り、関所ごとに「袖の下」を支払い、
目的地に着く頃には身銭も体力も残っていません。(^^;
いつの時代もお役人様には利権が付きものです。
時代劇のお話です。(^^♪
ミドルクラスのケーブルにはOFCを使用している記載が多いです。
伝導体として使用している銅の純度は99.995%、メートルあたりの
結晶数は50,000個。TPCと比較して結晶数が格段に少なくなっており、
伝導率の向上につながっています。
信号君の支払う袖の下は1/3になりました。(^^♪
純度はOFCと変わらないことが多いですが、メートルあたりの結晶数が
20個と極端に少なくなっています。
信号君は懐暖かく、体力も温存して目的地に辿り着けます。
OFCの別名は無酸素銅、LC-OFCの別名は線形結晶無酸素銅です。
漢字表記の方が性質が伝わりやすいですね。
更には、単結晶状高純度無酸素銅というものがあります。
結晶数は僅か1個~2個と言われています。
ここまでくれば、私には手が届かない額になっています。
ヘッドホンにもOFCが使われていますし、
ギターケーブルにもOFCが使われています。
結晶数が少ない程、伝導率が高く、
音の立ち上がりや特性が良いということになります。
また、メーカーにより呼び方は様々ですが、信号の流れる方向に
結晶の向きを揃えて伝導率を上げている製品もあります。
「高品位」製品として販売されているケーブルの多くはOFCを採用して
いますが、これだけで音が改善される訳でもありません。
一般的に「高品位」ケーブルとして販売されている品は、外部ノイズを
遮断するシールド処理がしっかりしていたり、プラグ部分で損失が
起きないようにケーブルとの接続にコストを投資しています。
昔、最初にギターを買った時に付属していた2m位の細いギターケーブル。
これをアンプに接続するとタクシー無線のようなものを拾って、ビックリ
したことがありました。
たかがケーブル、されどケーブルです。
もちろん、ケーブルへの投資効果を感じるには、機器本来の性能にも
左右されるので、所有の機器に見合ったケーブルを選択する事が大切です。
極端な話、機器よりケーブル代が高くなると本末転倒です。
通常はTPCからOFCに変更するだけで外来ノイズの影響を受け難くなります。
先程書いたとおり、OFCがノイズに強い訳ではなく、高品位コードはシールド
対策がキチンと施されているという理由からです。
ノイズの影響を受け難く、伝導率の高いOFCコードあたりが
趣味でDTMするには丁度よいと思います。
以前にも書きましたが、アナログは「魔物」です。
デジタルは低コストでそこそこの音ですが、音を追及すると
いつかアナログに辿りつき、アナログの魔物に魅入られ、
魔物の囁くがままに高額商品を買い漁るのです。(^^;
私は良いです。趣味と割り切ってますし。
耳もそんなに繊細ではありません。
年なりに高音に対する周波数特性が落ちてきています。(^^;
もちろん、原資がないことは言うまでもありませんが・・・。
何かの参考までに。