MIDIでピアノを打ち込む時に、
その奏法を知らないとなかなか本物っぽく聞こえません。
また使用している音源がハードウェアであっても
ソフトウェア(VSTi)であっても対応しているMIDI
コントロールナンバーやVSTiならMIDI Learn対応の
有無を知っておけば、より本物らしく入力することが出来ます。
その為には、まず本物を知るということが必要です。
ピアノには2種類。
グランドピアノとアップライトピアノがあります。
同じピアノの音ですが発音させる構造が異なっていたり、
その構造から倍音特性がことなります。
グランドピアノは倍音豊かで、アップライトピアノは
グランドピアノのそれと比較してこもった音になります。
ピアノと言えば弦をハンマーで叩いて発音する
弦楽器でもあり打楽器でもある楽器です。
その構造からペダルを使って音を
コントロールすることができます。
ピアノの足元に3つのペダルがありますね。
実はこのペダルの役割は、グランドピアノと
アップライトピアノでは異なっている場合があります。
グランドピアノでは、左のペダルはシフトペダル。
ペダルを踏んだり踏んだままシフトさせて固定すると、
ハンマーの位置がズレて音色を変えることが出来ます。
アップライトピアノの左ペダルはソフトペダル。
ペダルを踏むとハンマーの位置が弦に近づくので
弦を強く叩くことが出来なくなります。
その結果、音が柔らかく(ソフトに)なります。
グランドピアノの中央のペダルはソステヌートペダル。
ペダルを踏む直前の鍵盤のダンパーだけが弦から離れます。
弦振動がそのまま続くので直前の音のみ余韻が続きます。
アップライトピアノの中央のペダルはマフラーペダル。
ペダルを踏むとハンマーと弦の間にフェルトが入り、
音量を下げると同時にアタック音が柔らかくなります。
グランドピアノの右のペダルはダンパーペダル。
アップライトピアノの右のペダルもダンパーペダル。
鍵盤から指を離してもダンパーが戻らないので、
弦の振動は続いている状態です。ラウドペダルとも言います。
アップライトピアノでもグランドピアノと同じ
役割をペダルに与えている場合もありますし、
メーカーによってペダルの名前が異なる場合が
ありますが、機能に違いはありません。
また、グランドピアノの左ペダルは弱音ペダルとも言いますが、
音色に変化を与える機能であって、ソフトペダルや弱音ペダル
ではないと定義し、その呼称を使用しないメーカーもあります。
電子ピアノでは鍵盤を押す圧力とスピードがハンマーの動き。
これに相応した音を発音しています。
鍵盤を押す強さ等によって音色が変わる使用を
ベロシティーといいます。
ベロシティーに対応した電子ピアノは鍵盤を押す
強さや速さによって音が変わります。
ベロシティーに対応していない電子ピアノでは、
強く弾いても弱く弾いても同じ音が発音されます。
またベロシティー別に何段階の音色を用意しているかを
ベロシティーレイヤーといいます。
仮に30段階のベロシティーレイヤーの音源では、
127段階のベロシティーを30の音で発音させます。
同じ[ド]を強く~弱く弾くと強さの別によって
対応した30のサンプリングから発音されます。
ではペダルの機能はどうなっているのでしょうか。
これは対応したMIDIコントロールナンバーで
オンオフしています。
電子ピアノについているペダルは、
内部でMIDIコントロールナンバーで
その機能にアサインされています。
MIDIコントロールナンバー64 ホールド1
ピアノのダンパーペダルにあたる機能です。
MIDIコントロールナンバー66 ソステヌート
オンの時では弾いている音が持続されます。
MIDIコントロールナンバー67 ソフトペダル
音色が柔らかくなります。
MIDIコントロールナンバー69 ホールド2
オンの状態でエンペローブが固定。
サステインが続いている状態。
これらのMIDIコントロールに対応した
ハードウェア音源やソフトウェア音源は、
このMIDI信号を受信するとそれに対応した
動作をするように設計されています。
電子ピアノのフットスイッチが1つなら
サステインペダルでMIDIcc64、
2つならどのコンロトールにアサインされているのか。
また変更できるのか。
このMIDIccの情報もデータとして打ち込めば、
更にピアノの表現力は増すことになります。
またVSTi音源で先のMIDIccに対応していなくても、
MIDI Learn機能でアサインすれば可能です。
自分の使っている機器や音源の仕様。
打ち込む楽器の奏法を知っていると、
例え打ち込もでもその表現力は格段に
上がってくると思います。
何かの参考までに。
コメント
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はじめまして。防音室をさがしていてこのサイトにたどり着きました。ちょっとお聞きしたいのですが、ヤマハアビテックスウッディー0,8畳を所有されているそうなのですが、広さ的にアコースティックギターの録音なんかはできるのでしょうか?お店なんかに問い合わせるとギターには狭いと良く言われるのですが、いかがでしょうか?差し障り無い程度で結構ですので教えて頂けないでしょうか?宜しくお願いします。
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kickrobert さん、こんばんは。
我が家の防音室は関西に会社がある
新日本ミュージックさんのセリーヌになります。
Dr30 0.8畳のタイプです。
セリーヌ Dr30 0.8畳ロングタイプ 室内寸法 907×1274×1950 247kg
ウッディミニR Dr30 0.8畳 室内寸法 761*1203*1964 160kg
私は防音室内に小さな棚を入れてキーボードとマウスを置いています。
壁には液晶ディスプレイを設置しています。
この状態でアコースティックギターを弾くことが出来ます。
ウッディミニRは幅が少し狭いので室内に何も置かなければ
ギターの演奏は可能だと思います。
譜面台を真正面に置くスペースはありません。
私は液晶モニタに譜面を表示させているか斜め前に設置しています。
ウッディミニRでは奥行きが76センチなので更に厳しいかもしれません。
私は身長185センチですが、防音室中央の室内灯の
真下に立たなければヘッドホンをしていても問題ありません。
気になったのは76センチではアコースティックギターを
マイクで録るとき真正面からは無理のように思います。
セリーヌは90センチあるので膝先にも少し余裕がありますし、
ブームスタンドを使えばマイキングは可能です。
また防音室は音を外に逃がさないので防音室です。
逃げ場のない音は室内で反響します。
このまま録音したのでは録音結果は良くありませんし、
大きな音で歌えば音圧で耳がかなり疲れます。
吸音パネルを何枚か入れることになるかと思います。
(私は4枚入れています。)
このパネルで更に室内は狭くなることも考慮する必要があります。
私は最初YAMAHAセフィーネII イーブイで考えていたのですが、
最終的に防音効果に大きな違いは見当たらず、
76センチと90センチを比べて90センチのセリーヌを購入しました。
現在もこの記事の内容と配置は大きく違いません。
ご参考までに。
http://momodons.blog96.fc2.com/blog-entry-658.html
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ご丁寧にありがとうございます!
なるほどセリーヌだったのですね。
色をみて勝手にウッディーだと思い込んでいました。
録音についても色々とありがとうございます。
とても参考になりました。
お手数掛けてすみません。
またちょくちょく遊びにきますね。
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アコースティックピアノのサンプルデータが
なぜあんなにデカクて重いのか
この記事を熟読すると理解できますね。
ピアノの音色の再現の歴史は
サンプリングで音を利用しようとする、そのものの歴史のような気がします。
昔は「アタックはこのピアノ、リリースはコレ、で各々にディケイを違えて…」とか
試行錯誤したモンです。
「あ、同時発音数足りねぇ…」とか(爆) 。
その試行錯誤の経験が、作編曲の際に活きることが頻繁にあるんですが(汗)。
あの苦しかった「制約」との戦いは
いつの間にやら過去の遺物となって忘れ去られていくのでしょうか。
恐るべし技術革新。
あーなんかジジィの戯言みたいになっちゃったw 。
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kickrobert さん、こんにちは。
お役に立てて何よりです。(^^)
何かありましたらいつでもお気軽にです。
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7th-lab さん、こんにちは。
懐かしいですね。(^^)
アタック音に選んだ音を直ぐ減衰させて
リリース音色に切り替えて。
繋ぎが自然になるようにレイヤーを
いくつか重ねたりしていましたね。
64ポリでも足りないくらいでした。(^^;
そのうち手作業だったコレが、
パフォーマンスモードで最初から
それ風の音が入っていたり。
DXIIFDやV2ではかなり遊びました。(^^)