デジタルカメラのCMOSセンサーの大きさと画素数について書いてみます。
中判と呼ばれるものは43.8mm×32.8mm。
面積にして1436.64m㎡、APS-Cと比較して367.6%。
35mmは36.0mm×24.0mm。
面積にして864m㎡、APS-Cと比較し221.1%。
APS-Cサイズはメーカーによって多少大きさに違いがあるので、
ここではAPS(Advanced Photo System)カメラの35mm判通常サイズ
APS-Cタイプ(23.4mm×16.7mm/2:3)を基準に書いていきます。
APS-Cは23.4mm×16.7mm。
面積にして390.78m㎡、基準として100.0%。
例えばCANONのEOS KissX4/X5では、
APS-Cサイズでも22.3mm×14.9mm。
面積にして332.27m㎡、APS-Cと比較して85.0%。
赤い四角がAPS-C規格で、
白線にピンクの四角がキャノンのAPS-Cサイズです。
ちなみにPENTAX K-30では23.7mm×15.7mm、
面積にして372.09m㎡、APS-Cと比較して95.2%。
Nikonのデジタル一眼レフの入門機であるD3300では23.5×15.6mm、
面積にして366.6m㎡、APS-Cと比較して93.8%。
同じメーカーでも機種によって違う場合もあります。
35mm換算を行うときは自分のカメラの倍率を調べておきましょう。
ちなみに、換算結果により求められるのは画角です。
被写界深度は元の焦点距離が基準となります。
フォーサーズ/マイクロフォーサーズ(4/3型)は17.3mm×13.0mm。
面積にして224.9m㎡、APS-Cと比較して57.6%。
1型(CX)は13.2mm×8.8mm。
面積にして116.16m㎡、APS-Cと比較して29.7%。
1/1.7型は7.6mm×5.7mm。
面積にして43.32m㎡、APS-Cと比較して11.1%。
1/2.3型は5.9mm×4.4mm。
面積にして25.96m㎡、APS-Cと比較して6.6%。
1/3型(iPhone5s)は4.8mm×3.6mm。
面積にして17.28m㎡、APS-Cと比較して4.4%。
比較的よく見かけるセンサーサイズを列挙してみました。
・花を買いました
PENTAX K-30、PENTAX Q10、CANON EOS Kiss X4、
CANON IXY 30Sを使って撮り比べた時の記事です。
K-30とX4はAPS-Cサイズのイメージセンサー。
Q10と30Sは1/2.3型サイズのCMOSです。
画素数について。
ここからはAdvanced Photo SystemのAPS-Cタイプではなく、
デジタル一眼レフのAPS-Cサイズから
23.6mm×15.8/372.88m㎡を基準として、
コンデジ1/2.3型(5.9mm×4.4mm/25.96m㎡)で話を進めます。
有効画素数が同じ1600万画素であって、
CMOSサイズがAPS-Cと1/2.3型の場合、
1画素あたりの面積はどうなっているのでしょう。
APS-Cサイズ 372.88m㎡÷1600万画素=0.000023305
1/2.3型 25.96m㎡÷1600万画素=0.0000016225
1画素あたりの面積は14.3倍も違います。
1画素あたりの面積が大きいほど光を受ける面積も大きいのです。
では1画素あたりの面積が小さいとどうするのか。
アンプで信号を増幅するのでノイズが発生し、
ノイズリダクション等の処理を行う画像処理エンジンが必要になってきます。
「小さいCMOSに大きな画素数+最新の処理エンジン」
「小さいCMOSに大きな画素数+世代の古い処理エンジン」
「小さいCMOSに小さな画素数+最新の処理エンジン」
「小さいCMOSに小さな画素数+世代の古い処理エンジン」
「大きなCMOSに大きな画素数+最新の処理エンジン」
「大きなCMOSに大きな画素数+世代の古い処理エンジン」
「大きなCMOSに小さな画素数+最新の処理エンジン」
「大きなCMOSに小さな画素数+世代の古い処理エンジン」
こんな組み合わせができますね。(^^)
小さいといっても1200万画素もあればA3印刷に耐えれますし。
こう考えるとコンデジでは1200万画素あたりで
比較的最近の処理エンジンを搭載した機種が綺麗なのかなと思います。
もちろん、レンズや処理エンジンの設計や性能も関係ありますし、
やはり一番は撮影者の「構図」等の感性や、
そのカメラを扱う「技術」と「経験」なのですが。
APS-Cと1/2.3型では面積が14.36倍も違います。
同じ画素数であればイメージサンサーの大きい方が
1画素あたりの受光量が大きいので綺麗に撮れますが、
この綺麗とは何のことを言っているのでしょうか。
一つは、ダイナミックレンジが広いということでしょう。
ダイナミックレンジという言葉はDTMでも
よく聞きますが信号の最大値と最小値のことです。
厳密には違うのかもしれませんが、
S/N比といわれることもあります。
S/N比はsignal(シグナル)とNoise(ノイズ)の比のことです。
信号を増幅しなければノイズも少ないでしょう。
同じ画素数でCMOSの面積が異なるなら
CMOSサイズの大きい方がノイズが少ない、
ダイナミックレンジが広いということになります。
明るい所と暗いところまでの色彩が豊かでも良いです。
次にノイズが少ないことがあげられますが、
同じ画素数ならCMOSの面積が大きいほど
1画素あたりの受光量が高いので高感度となり、
画像処理エンジンで信号を増幅するレベルが下がります。
結果、ノイズリダクションの掛かり具合が小さくなり、
元の画像への影響が少なくなります。
後はCMOS面積が大きいほどピント範囲が狭くなるので
大きいボケを作ることが可能なことでしょうか。
良くボケると綺麗にボケるは違いますから、
結局は撮影者の腕やレンズしだいなのですが。(^^;
コンデジでも綺麗に撮る人は撮る。ですし、
曲でもそうですが、綺麗にまとまっていても
伝えたいものがなければ伝わりません。
逆に伝えたいものがハッキリしていれば
完成度に関係なく伝わるものです。(^^)
私の場合、まとまりもせず
伝わりもせずなのは言うまでもありません。(^^)
小さいCMOSに大きな画素数のカメラでも、
もしRAWデータで保存できる場合。
大いに活用しましょう。(^^)
RAWとは生データのことで、ホワイトバランスやカラー調整、
シャープネス等をカメラ側で設定する前のデータです。
よって後でゆっくり「合わす」ことができます。
手間ですが。(^^;
色味が変、白トビ、黒つぶれ等はRAW現像ソフトで後処理します。
いわば撮ることに集中できます。
後で手間ですが。(^^;
JPEGだと圧縮されていますし、
カメラ側の設定も反映されているので、
撮影後に画像加工すると画質が落ちます。
最近の画像編集のレタッチソフトは
優秀なので昔ほどではありませんが。
また、JPEGは圧縮処理が加わっていることも
画像が劣化する原因ではありますが、
その前に8bit諧調です。
JPEGでは「赤(R)」「緑(G)」「青(B)」の各色を8bitで扱っており、
合計で24bitの諧調を表現することができます。
8bitは2の8乗。
2×2×2×2×2×2×2×2=256。
8bitでは256色を扱えるので、
RGBで256×256×256=16,777,216色=24bitフルカラー。
しかしRAWではもっと多くの諧調を持つことができます。
12bitのRAWでは、各色(RGB)で4096階調を持つことができます。
RGBで4096×4096×4096=687億1947万6736色=36bit
14bitのRAWではどうでしょう。
14bitは2の14乗。
2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2=16,384諧調
RGBで16,384×16,384×16,384=4兆3980億4651万1104色=42bit
まさに桁違いの情報量です。
これがJPEG保存の際に各色256諧調に圧縮されるのです。
情報量は1/26万に。(^^;
しかし、人の目で認識できる諧調に限りがあるので、
実際には1/26万という大きな数字ほどには感じません。
2010年2月26日に発売されたCANON EOS kiss X4の
イメージセンサーは1800万画素で14bit A/D変換を備えています。
RAW保存形式はキヤノン独自の14bit-RAWです。
このことは、CMOSでA/D変換された14bitデータが
そのままがRAWとなっているといえます。
PENTAX K-30では12bitでA/D変換されているので、
保存されるRAW(DNG)は12bitとなります。
イメージセンサーからのA/D変換の12bitと14bitの違いは、RAW保存の際に687億1947万6736色か4兆3980億4651万1104色という違いの他に、JPEG変換する際に687億1947万6736色から1677万7216色を生成するか、4兆3980億4651万1104色から1677万7216色を生成するかにも関係してきます。
さて、ここで少し一休み。(^^)
簡単なモデルを作ってみました。
中間色を並べているだけですが、
色の境目が暗く見えたり波だって見えませんか?
これは「マッハバンド」といって
人の目が色の境を認識している証拠ですが、
実際に境目は暗くありませんし波だってもいません。
錯視によるものです。
そして諧調を増やしていくと、
このマッハバンドが見えなくなるポイントがあります。
はい、そこが人の目の諧調認識の限界ポイントです。(^^)
人間の目の諧調識別能力は200~256色前後と言われています。
256諧調といえばちょうどJPEG(8bit)あたり。
人の目の諧調認識を考慮した規格なのであたりまえなのですが。
しかし最近では人の目はもっと諧調を
認識できるとも言われているようです。
2km先の動物が見えるというやつでしょうか。(^^)
話をJPEGとRAWに戻します。
試しに同じカメラで同時にRAWとJPEGで
保存した写真を比べてみてください。
ヒストグラムを表示させるとRAWとJPEGでは
異なる山を描いていると思います。
その差がカメラ側で処理された内容といえます。
恐らくですがJPEGの方が明るくハッキリ、
そして綺麗に見えるでしょう。
だってRAWの方はまだ何もしてませんから。(^^;
これからRAW現像で打倒!カメラの画像処理エンジン。なのです。
私はいつも負け戦となります。(ToT)
A3程度への印刷ならJPEGでもRAWでも違いは感じませんし、
パソコンのディスプレイでもその違いを感じることは少ないでしょう。
しかし、等倍や拡大で見ればエッジ部分等の差は歴然ですし、
トリミングや加工編集を行う場合、RAWデータは強い味方なのです。
JPEGはカメラ側の設定により処理されたJPEG(8bit)、
RAWはCMOSセンサーがA/D変換したそのまんま(14bit/EOS Kiss X4)。
右上のヒストグラムの差はカメラの設定によって、
画像処理エンジンが行った処理結果(JPEG)です。
JPEGとRAWでは圧縮、未圧縮の他に諧調が異なる事を書きました。
点々内の「葉脈」が分かりやすいでしょうか。
JPEGでは葉先にいくほどノッペリとしています。
葉脈の見え方も。
DTMでのEQ処理も似たようなもので、
そこに「ある」ものはブーストでもカットでもできますが、
「ない」ものはどうしようもありません。
また「ある」ものでも、
その状態が良くないとこれまた悩みものなのです。(^^;
特に天体写真ではトリミングや色味の修正を行うので、
JPEGではどうしても加工後の劣化が気になります。
トリミングしてもJPEGだとこんな感じで、
もう何をどうやっても・・・。(^^;
その前に私の場合は撮影下手なので、
後でホワイトバランスやカラーモード、
シャープネス等を決めれることがメリットなのです。(^ ^)
失敗写真もなんとかなる場合もありますし。
コンデジでもRAW保存できる機種であるなら、
ぜひ一度RAW現像を試してみましょう。
対応した機種ならRAW現像ソフトは購入時に付いているか、
メーカーサイトでダウンロードできるようになっています。
それと、RAWは生データの意味なので、
データ保存はメーカーの独自形式です。
別途RAW現像ソフトを購入される場合は
使っているカメラのRAW形式に対応しているか確かめましょう。
最後の方は話が変わってしまいました。(^^;