楽器を弾き始めの際、まずは好きな曲であったり課題曲を弾けるように練習するところから始めるかと思います。
そして弾けるようになると今度はオリジナル曲へとステップアップしていくのではないでしょうか。
DTMでは楽器を弾いて録音したり、VST音源などで楽器を再現して曲を組み立てることが出来るので便利ですよね。
そこで、今回はバーチャルシンガーで1曲作ってみましょうという作曲のススメです。
有名なバーチャルシンガーは?
ボーカル曲も最近ではバーチャルで再現出来るので、分野によっては成立してしまう世の中になっています。
「AIシンガー」というのですね。
「ボーカルエディター」「バーチャルシンガー」ともいうらしいですね。
私は少数派ですがバーチャールシンガーという呼称で呼んでいます。
ボーカロイドというバーチャルシンガーソフトはボーカロイド曲という一つの音楽ジャンルにもなっています。
「ボカロ曲」ていうのですか?
現在ではバージョンを重ねて「VOCALOID6」となっていました。
3あたりまでは試しに使用していたのですが、時の流れは早いものですね。
VST音源として使用できるのでDTMとの親和性も高いのが特徴です。
「CeVIO AI」も老舗で有名ですがVSTプラグインとしては非対応だったような・・・。
「Synthesizer V」も有名ですね。
まだいくつか発売されているようですが、情報を集めやすいのはこの3ソフトあたりでしょうか。
メロディーラインはどう作る?
バーチャルシンガーに歌ってもらうボーカルラインの作成が一番敷居が高いのではないでしょうか。
コードを組み合わせて曲を作成するのも「作曲」ですが、ボーカル(メロディー)ラインを作るだけでも作曲と言います。
このメロディーラインを作るのが難しく感じるのはないでしょうか。
そこで今回は以前にも書いたことはあるのですが簡単なメロディー作成方法です。
まずは知っている既存の曲の歌詞を用意します。
既に語呂は良い感じになっていると思いますので、元の曲は意識せず適当に歌詞を使って鼻歌を歌ってみましょう。
例えばAという曲の歌詞をバラード風にとか、ロック風、または〇〇風みたいな感じで鼻歌で歌います。
それをスマホで録音しておきます。
Aメロ、Bメロ、Cメロくらいでいいでしょうか。
なれたらイントロも作ってみましょう。
何回かやっていると案外メロディーラインは作れるものです。
次は鼻歌を音符に変換します。
鼻歌を音符に変換してみよう
まず前提としてバーチャルシンガーを使用すること、バーチャルシンガーは有名どころでボーカロイドを使用することで書いていきます。
バーチャルシンガーソフトウェアは操作性とシンガーの声の好み、あとは何か調べるときの情報量の多さで選択してみては如何でしょうか。
VOCALOID6を使用するとすると親和性が高いDAWは「CUBASE」「ABILITY」があげられるでしょうか。
鼻歌をMIDIに変化する機能が重要となるのですが、使い勝手が良いのはABILITYでしょうか。
ABILITYでは「シングtoスコア」とい機能があります。
CUBASEではVariAudioを使用しますが、少し敷居が高い気がします。
CUBASEもABILITYもARA 2に対応しているのでVOCALOID6のスタート/ストップが可能です。
ABILITYの「シングtoスコア」機能を利用して鼻歌をMIDIデータに変換して、重なりや音の長さを若干修正すればボーカロイドで使用することができます。
次にバーチャルシンガーに歌ってもらう歌詞を作っていきましょう。
歌詞を作ってみよう
出来上がったMIDIデータに合わせて歌詞を作ってみましょう。
多少の文字の多い少ないは音符を割ったり伸ばしたりで対応します。
まずは出来上がったメロディーのMIDIデータをAメロ、Bメロ、Cメロに分けて、繰り返しを考えます。
A、B、C、A、B、C、C
最初はこんな感じで如何でしょうか。
思い浮かばない部分はLa・La・La・La~で良いかと。
何なら最初は全部ラララでも。
曲をとおしで作ってから歌詞を考えた方がストーリー性が出る場合もあります。
詩先(曲を作るときに詩から先に作る)、曲先(曲を作るときにメロディー又はオケから先に作る)がありますが、ここで書いているのはいわゆる曲先タイプですね。
ちなみにですが、曲のクレジットで作詞、作曲、編曲というものがあります。
作詞は文字通り詩を作った人。
作曲は大まかなコード進行まで作る場合とメロディーだけでも作曲となります。
編曲はメロディーにコードを付けることも含まれていたり、コードを変えたりすることも含まれます。アレンジはもちろん編曲に該当します。
メロディーラインにコード進行を付けてみよう
出来上がったメロディーラインにコードをつけると、一気に曲としての完成度があがります。
同じメロディーでもコード進行やアレンジによって曲の雰囲気もガラッと変わりますよね。
一方、ある程度の音楽理論などの必要性から敷居が高く感じることも。
最近のDAWではコード進行を提案してくれる機能が備わっているDAWもあります。
私は使ったことがないので詳しくはないのですが、先に紹介したCUBASEもABILITYにもコード進行を提案してくれる機能が備わっています。
鼻歌をMIDIに変換したりコード進行を提案してくれる機能はDAWによって備わっているグレードが限られている場合があるので新たに購入する場合やアップグレードする場合は事前に確認しておきましょう。
ちなみにコード進行からメロディーを作っていくパターンで作曲する方も多いです。
ギターやピアノでコードを弾きながら同時にメロディーも口ずさみながら組み立てていくやり方です。
この方法で慣れている方は同時にメロディーに歌詞を乗せて作る方も多いです。
コード進行を組み立てながらメロディーを歌詞と同時に重ねていくパターンです。
私はこのパターンが多いです。
ここで仮歌詞、仮メロディーでA、B、Cメロで1番を作って構成を組んで全体オケを作ります。
全体オケを聞きながら仮メロディーや仮歌詞を修正していくやり方が私はやりやすいです。
少し話は逸れましたが、コード進行も慣れのようなもので理論によって基本パターンは存在するので、それにテンションを付けたり裏コードに入れ替えたり、キーをバチャルシンガーの特異なキーやボーカルさんの声域に合わせて組み立てればよいでしょう。
基本パターンとは、
Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵ
Ⅳ→V→Ⅲm→Ⅵm
Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ
Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅴ
このような表記になるのですが、これをCメジャーのキーに当てはめてみます。
C、Dm、Em、F、G、Am、Bdimが簡単で使いやすいでしょうか。
トニック=Ⅰ、Ⅰ6、Ⅰmaj7=C、C6、Cmaj7
サブドミナント代理=Ⅱm、Ⅱm7=Dm、Dm7
トニックの代理=Ⅲm、Ⅲm7=Em、Em7
サブドミナント=Ⅳ、Ⅳ6、Ⅳmaj7=F、F6、Fmaj7
ドミナント=Ⅴ、Ⅴ7=G、G7
トニックの代理/サブドミナントの代理=Ⅵm、Ⅵm7=Am、Am7
ドミナントの代理=Ⅶdim、Ⅶm7(b5)=Bdim、Bm7
先の基本パターン「Ⅳ→Ⅴ→Ⅲ→Ⅵ」に当てはめると
F→G→Em→Am となります。
少し進行をアレンジして「F→G→E→Am」でも良い響きです。
この基本パターンや理論でルール化されたものを提案してくれる機能を最近のDAWは機能として持っているのですから便利になりました。
さて、コード進行が出来たら次はアレンジです。
実はアレンジも最近ならDAWまかせ
デモレベルならDAWの機能を使ってサクッと作ってしまいましょう。
アレンジもDAWによっては機能として持っているものがあります。
ABILITYにはありますね。
CUBASEはどうだったかな?
いつもCUBASEを使っていますが、使わない機能のことは全然わかりません。(^^;
アレンジは調によって使える音と使えない音があるので難易度は高い気がします。
フレーズを考えるのもなかなか難しいですよね。
最初のうちはDAWに任せましょう。
スケールというものを覚える必要があるので、後回し。(^^)
まとめると
ここでは「作曲のススメ」ということで、言い換えれば初めての作曲。
まず鼻歌と歌詞は自分で考えて後はDAWの機能とバーチャルシンガーに任せましょうということでした。
作曲も慣れなので、最初は簡単でよいと思います。
数をこなしていくうちに自分に合った方法が見つかっていくものです。
私も最初に作った曲はイントロもアウトトロも無いピアノ伴奏だけの曲でした。
メロディーを鼻歌で作って、ギターで音を探して、ギターでコードを付けて、歌詞を付けて、ピアノで伴奏して4トラックのカセットMTRに録音したものでした。
1トラックに鼻歌
2トラックにギターでコードを弾いて
これを繰り返し聞きながら歌詞を考えて
3トラックにピアノを録音して
4トラックに歌って録音
再生時には3と4トラックだけ音を出していました。
いまではPCの性能にもよりますが数十トラックから数百トラックの曲も自宅で作れるようになっています。
17か18歳の頃に作った記憶があるので35年前くらいですね。
今ではDTM、宅録という言葉も一般的ですし、バーチャルシンガーも一般的になっています。
作曲の敷居もDAWのサポート機能で下がっているので、チャレンジしてみては如何でしょうか。
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