先日より、ドラムマップの作成方法や機器等にバンドルされている
CubaseLE5を使った曲の作り方を書いてきました。
今回は、MIDI入力、いわゆる「打ち込み」についてです。
ドラムのMIDI入力について簡単に書いてみます。
Cubase等のドラムエディタを利用した入力がメインとなりますが、
他の楽器を入力する際のキーエディタやスコアエディタも見え方が
異なるだけなので、応用が聞きます。
ドラムフレーズは「ズッタンズズタン」にハイハットを8分で入れています。
キャプチャでは、音量を示す「棒」が最大音量になっています。
この音量をベロシティーといいます。
このままでは抑揚が無いばかりか、キックやスネアとの音量バランスも
適正ではありません。
再生される音は、機械的で無機質なものとなってしまいます。
これを現実とすれば、ドラマーは全身全霊で叩いている状態なので、
体力は1曲も持たないかも知れません。(^^;
ではこれを、実際にドラマーが叩く様子を思い浮かべて入力してみましょう。
まず、キック(バスドラム)で、「ズッ(タン)ズズ(タン)」の繰り返しフレーズです。
最初の「ズッ」は、右足で1回。力が入っています。
次の「ズズ」は右足で2回ペダルを踏み、2回目は踏んだままで一呼吸。
この場合では、キャプチャのように2打目が強くなります。
また2打目を踏み込んだ後に、次のキックの準備の為に
ピーターをヘッドから話す場合では1打目が強くなります。
テンポの速い曲などです。
しかし結局は1打目と2打目の強弱は曲の雰囲気に合わせて決めます。(^^;
拍子の1拍目も、奇数小節は大きめ、偶数小節は少し小さめで
自然とリズムカウントをしているドラマーさんも多いので、
データでも微妙に音量差を付けています。
つぎにスネアドラムです。
基本2拍目と4拍目に打ちますが、4拍目に力が入ります。
また偶数小節の4拍目に力が入ることが多いです。
これでキックとスネアの奇数小節と偶数小節のアクセントで
何小節目を叩いているかをドラマーの人は感じています。
つぎにハイハットです。
音量はキックやスネアより小さいですよね。
データでもこれらより小さくして現実に近づけます。
スネアは左手で、ハイハットは右手で、
腕をクロスしたような感じで叩いています。
チョット真似てエアドラムしてみましょう。(^^♪
ドラムを想像してください。
ハイハットはスネアの左上の位置にあります。
では、右手でハイハットを「ツツツ・・・」と刻んで下さい。
その腕の下で、「・タン・・タン」とスネアを叩きます。
ハイハットを叩く腕が邪魔になりませんか?
スネアを叩く時はハットを叩く時の「振りかぶり」が
自然と大きくなります。大きく振りかぶった後の打音は大きいです。
これをデータで表現するとキャプチャの様になります。
音量を示す「棒」はハイハットのものです。
青印の位置でスネアを叩いているので、赤印のハイハットの音は
先程の理由で大きくなります。
また、右腕と左腕はバラバラに動いていますが、
矢印の時だけ同時になるので、必然的に力加減が大きくなるものです。
こんな感じで、実際の演奏者の気分になってMIDI入力すれば
機械的な音にならず自然な再生音になるのです。
今回は簡単に説明していますが、スネアを「ダンッ」と強く打てば、
打面によって跳ね返りがあります。キックも跳ね返りがあります。
これを知る為にわざわざドラムを習う必要はありません。
少し「お行儀」が悪いですが、箸をスティック変わりに机を叩いてください。
軽く打った時はどうですか?
強く打った時はどうですか?
連続で打った時はどうですか?
机を叩いた状態で打つのを止めた時はどうですか?
これをMIDI入力で再現すると、スネアのデータの前後に僅かな音量で
スネアを入力すれば、この跳ね返りを表現することができます。
このダミーデータともゴーストデータともいえる音は、
実際再生するとあまり役にたっていないと感じることが多いのですが、
無駄にはなっていません。(ダミーノート、ゴーストノートという場合もあります)
コツはドラムトラックのみを再生し、聞こえるか聞こえないかの音量が良いです。
このように、実際の演奏者の気分になってMIDI入力を行なえば
機械的な再生音にならずに済みます。
テンポの速い曲では労力を考えると省いてもよいですが、
テンポのゆっくりとした曲では、生っぽさに違いがでます。
サックスでも演奏者を考えながら入力すると・・・
譜面上では連続したフレーズになっていますが、
プレイヤーは呼吸しているので、息を吸うタイミングはデータを空けましょう。
どこで息を吸うか。
そのフレーズを口ずさんで、自分が息を吸った所。そこで良いと思います。
最近のVSTiでは、この「生っぽさ」を自動で行ってくれる機能を持つものも
ありますが、是非一度「手入力」で再現してください。
演奏者の気持ちになってMIDI入力するということは、
楽器への知識や興味により、視野が広がるかも知れません。
何かの参考までに。