MIDI入力(打ち込み)やディレイで必要な計算について。
最近のDAWでは、テンポに合わせて勝手に変更してくれますが、
その理屈を知っておいて損はないと思います。
まずは、テンポと使用しているDAWの1小節あたりの分解能を調べます。
ここでは、曲のテンポを120、DAWのMIDIに係る分解能を960とします。
上の表を完成させるのに簡単なのは、まず「4分音符」を導き出すことです。
TEMPOとは、1分間に何拍という速度記号なので、
60秒(1分)÷テンポ120(120拍)×1000(秒をmsに単位変換)
=500ms(0.5秒×1000)
これで4分音符の時間が出ました。
今度は、分解能より4分音符1個のtickを算出します。
分解能とは、1拍を何コマで表現できるかで、1コマ分を1tickと言います。
分解能960のDAWでは、最大1拍を960コマ(tick)に分けて表現できます。
4分音符1個分音を遅らす場合は、
ディレイタイム500msとすれば良いですし、
MIDI入力での場合は打ち込んだポイントから
960tick後ろが次の4分音符の入力ポイントということになります。
こんな面倒な事はDAWの機能が全てやってくれますが、
知っておいて損はないと。
知っておいてやらないのと知らないので出来ないでは
結果は同じでもスキルは異なります。
あとは、簡単です。
4分音符の値を半分にすれば8分音符。更に半分で16音符です。
符点8分音符を分解すると、8分音符1個と16分音符1個です。
250ms+125ms=375ms
これが符点8分音符の値です。
では、3連系ではどうでしょう。
ここでも4分音符の3連を基準にすると簡単です。
60秒÷テンポ120×1000×4(ここで1小節の長さにしています)÷3(3連の長さにします)=667ms
これで4分音符の3連1個あたりの時間が計算できました。
次に分解能です。
8分音符の3連は1拍に3個なので、単純に960を3で除算します。
=320tickが答えです。
ここまで出来たら1/2にすれば16分の3連、更に1/2で32分の3連です。
いちいち計算するのは面倒だ。
なので、DAWにその機能があるのですが、
色々と応用やアイディアも出るので、
いっその事エクセルで作ってしまいましょう。
=60/120*1000
これで4分音符のmsが出ます。
これを倍にしたり1/2にすれば良いのです。
=960/2これで8分音符のtickがでます。
これを倍にしたり1/2にすれば良いのです。
これを応用すれば、3連系も簡単です。
6連も9連も、要は3連の連続なのでこれもOKですよね。
知っておいて損はないけど、すぐ何かに役立つかと言えば
DAWが勝手にやっていることが多いので、今では単なる雑学です。
昔はこんな計算やシステムエクスルーシブを作成するために
16進数の計算したりしてました。いや~懐かしい。
前にもテンポと時間という記事で似たような事を書いているので、
興味を持たれた方は何かの参考までに。