上位グレードのDAWの多くにはIR(Impulse Response)データを
利用したVSTプラグインが搭載されています。
また、フリーのVSTプラグインでもIRデータを利用できる
プラグインも増えてきました。
では、インパルスレスポンスとはどんなデータなのでしょうか。
上図はインパルスレスポンスデータのイメージです。
基となるインパルス信号を測定したい空間にで出力します。
この音を拾って、基の信号の周波数特性等と比較分析し、
これをデータ化します。
空間では、様々な反射や残響によって基の音が変化します。
例えば、壁の材質により反射音の高域が吸収されたり、
壁の角度によって複雑な反射音となったり、奥行きのある
空間をサンプリングすれば、音の遅延はより多くなります。
また、同じ空間でも測定位置によって結果はことなります。
上図は基となる信号の出力位置を「A」、
集音位置を「B」として表しています。
左の図は、反射音も音の遅延も少ないデータとなります。
中央の図は、反射音も音の遅延も大きくなります。
右の図では、出音、集音位置で左右非対象の反射音なので
複雑な反射音のデータとなります。
よって、公開されているIRデータの基となる空間や
機器が同じでも処理結果が異なる場合もあります。
インパルスレスポンスは、主に空間を再現することに
利用されていましたが、この原理を応用して
アンプ等をサンプルしたインパルスレスポンスデータを
使用するアンプシミュレータも登場しています。
まだまだ、高価なDAWに付属しているプラグインの印象が
強いですが、フリーのVSTプラグインも出てきたことから
インパルスレスポンスデータをダウンロードできるサイトも
増えてきました。
しかし、インパルスレスポンスデータは処理が重いので、
複数のプラグインを同時に立ちあげて使用するには
高いPCスペックが必要です。
最近ではGPGPUに対応したVSTプラグインも出てきているので、
インパルスレスポンスデータを扱うVSTプラグインがGPGPUに
対応する日もそう遠くはないのかも知れません。
何かの参考までに。
コメント
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毎度でございます。
急激な湿度の変化にちょっとヤラレている 7th-lab です。
このまま入梅などという状態はぜひ避けたい訳ですが。
「Logic Pro」には、IRを直接的に加工できるエフェクトとして「Space designer」があります。
〇異常にシステムに負荷がかかること
〇複数のトラックで利用しないと、単独トラックだけに使用してもあまり意味を為さないこと
〇負荷が高く、複数使用を強いられるのに、聴覚的効果が薄いこと
上記のような理由で、どうしても避けて通ってしまう機能。
実は、ピッチコレクトの機能もプリセットされているのですが、ほとんど同じような理由で、こちらも避けて通ってしまいます。
VSTi の方も、これらのものはずいぶん負荷が高いのではないかと想像します。
Ps . 「Melodyne Essential」、意外と負荷がかかりませんでした。
詳細は後日、「7th-lab ‘s blog」でw 。