私はピアノ(電子含む)とドラム音源は
いくつあってもいいと思っていますが、
プラグインではコンプレッサー等のダイナミクス系と
リバーブもいくつあっても良いと思っています。
それぞれに特徴的ですから。
コンプレッサーについてはコンプレッサーまとめ 2015や、
コンプの仕組み、COMPの設定 1、COMPの設定 2、
Comp/Limit/Maxi、コンプレッサーで何度か書いているのですが、
全般的なことしか書いていないので今回はプラグイン別で書いてみます。
まずはCubase PRO 8.5のチャンネル設定で TestGeneratorを起動します。
とりあえず、1kHzのサイン波を発生させて、次のスロットにコンプレッサーを
アサインしていきましょう。
使用したコンプレッサーはCUBASEに付属もの、
WAVES Gold + RenMaxxに付属するもの、
個別に入手したものを使っています。
キャプチャにないダイナミクス系も試していますが、
今回は特に面白かったプラグインについて書いてみます。
WAVES H-COMP
これはWAVES GoldにバンドルされているH-Compです。
お気に入りで使用頻度は高い方です。
左上のツマミANALOG OFF、1~4の動作について、
H-COMPのユーザーガイドでは
このようにしか記されていません。
実際の動作の違いはどうなっているのでしょうか。
そこで試してみます。
アナログモードがオフの時では1kHzのサイン波に大きな変化はありません。
アナログモードを「1」にすると、
入力された周波数に対して2倍音と3倍音が付加されています。
今回の場合は1kHzのサイン波を使用しているので、
1kHzに対しての2倍音、3倍音である2kHzと3kHzに信号が加わっています。
アナログモードを「2」にすると、
入力された周波数に対して2倍音と3倍音が付加されますが、
先程のモード1と比較して2倍音は小さめです。
アナログモードを「3」にすると何だか複雑な倍音構成になってきました。
偶数倍音と奇数倍音の両方が発生し、20kHZあたりまで続いています。
アナログモードを「4」にすると奇数倍音のみになりました。
他のパラメーターを変更してもアナログモード別の傾向は同じであったので、
「ANALOG」は倍音設定に関する独立したモード設定なのでしょう。
Tube Compressor
これはCUBASEに付属しているTube Compressor です。
真空管式のコンプレッサーをモデリングしているので、
倍音が付加されることは容易に想像できます。
起動時の状態でも2倍音、3倍音が強めに発生しています。
真空管のドライブを最大にしてみます。
偶数倍音と奇数倍音の構成で
11倍音あたりまでを出力しているようです。
Nomad Factory Bus Driver
先月、期間限定の無償配布で入手した Nomad Factory Bus Driver です。
60年代のオプティカル・コンプレッサーにサチュレーターと
ソフト・クリッパーを統合したプラグインということなので、
これも倍音が付加されるタイプのコンプレッサーです。
起動時では偶数倍音と奇数倍音の構成で6倍音あたりまでが見て取れます。
特徴としては第5倍音が小さめということでしょうか。
Bus DriverのTUBE DRIVERの設定を「5」まで上げてみます。
それでも第5倍音はまだ見受けられません。
TUBE DRIVERの設定を「6.5」以上にしたあたりから
第5倍音の発生が見て取れるようになりました。
耳で聞いても違いは判るけど
ダイナミクス系のプラグインはDAWに付属のものや、
バンドル製品に付属するもの、
その他有償・無償で入手したものなど沢山あっても、
そのうち数種類しか使わなくなっていたり。(^^;
それが使い勝手であったり、好みの効き方であったり、
楽器ごとで使い分けていたりと人それぞれですが、
プラグインの特徴を覚えておけば何かの役に立つかもしれません。
今回はコンプレッサーが主体でしたが、
リミッターやマキシマイザー系、空間系や残響系のプラグイン。
真空管モデリングのプラグインは倍音を付加しますが、
同じ機種をモデリングしていても、メーカーによって
倍音構成や出力などが異なっていたりと
その特徴を見てみたりすると案外面白いかもしれません。(^^)