私は曲の構成を考える時やミキシングする際に、
事前に頭の中でイメージを組み立てます。
曲の構成を考えるときは、曲の雰囲気をイメージしながら
楽器の周波数帯域を考慮し、楽器の選択とフレーズを置く帯域、
選択した楽器の配置(定位)、奥行、また曲全体の奥行き等を
漠然と決めています。
その際に、頭の中で上図の様なイメージを組み立てて、
そこにポンポンと置いていく感じなのだと思います。
大雑把に決めた定位と奥行きを、パンやリバーブを使って
具現化していくのですが、その際に、上図の三角形の部分に
配置された楽器は、リバーブを浅く、三角形と背景に掛かっている
楽器は少しだけ深く、背景の部分はトータルリバーブで調整する
ことが多いです。
バラードのドラム、特にスネアでは、背景の部分であっても
個別に処理しています。
具体的には、スネアを個別のトラックで用意し、イコライザーで
事前調整します。そしてFXチャンネルに送り、これにリバーブを
深く掛けています。
そして、FXチャンネルでは、リバーブを掛けた後にEQ等で
リバーブ音を整えて、最後にこのリバーブ音にコンプレッサーを
掛けて、残響成分に存在感を出します。
FXチャンネル内の「リバーブ」「EQ」「コンプレッサー」の
順序は人により作法が異なる場合もありますし、曲により変更
する場合もあります。要は出音で判断ということになります。
上図の定位と奥行きの部分の三角形をどう捉えるかによっても
最終イメージが変わってきます。
例えば上の図ですが、
左は、バラード系に多いパターン。
中央は、ポップスに多いパターン。
右は、疾走感あるロックに多いパターンです。
全て背景のグレーの部分(曲全体の奥行き)を見ているだけです。
左の図も視線を下にもってくれば、右の図になります。
イメージの視点だけの話です。
では、実際に曲をイメージしてみましょう。
上の図は先程からの図にイメージを置いたものです。
グリーンの球形は、楽器全体の音像をイメージしています。
このグリーンの球形の中には、上図のように様々な楽器が
定位と奥行きにより配置されています。
曲の最初から最後まで「1つの形」ではつまらないので、
上図のように、Aメロ、Bメロ、サビなどで曲全体の
音像の位置や使用する周波数帯域、出力レベルもイメージします。
Cメロは右図のように音像を広げて周波数帯気も広範囲に、
出力レベルも最大になれば盛り上がります。
この頭の中のイメージを具現化するのに、ミキサー画面と
いつも格闘するのですが、全然近づかないのが私なのです。
知識も技術も足りないですが、
一番足りてないのはセンスだと自覚しております。(^^;
曲を作る作業において、楽器を弾いている時間より、
ミキサー画面と戦っている時間の方が長いです。
プロの方は「完成→終了」なのでしょうが、
私は、最後には諦めて「終了→完成」となるのです。
つまり、楽器の録音も、ミックスも根気が無くなった時点で
作業終了です。
完成度より、そのプロセスを楽しんでいます。(^^♪
何かの参考までに。