先日より楽器の音圧やマンション等における壁の遮音性、
床面の積載荷重について書いてきました。
壁の遮音性については前回書いたとおりですが、
今回は床の遮音性です。
私は弦楽器と鍵盤楽器を主に弾くので、
DTMをするときに床面の遮音性はあまり重要でないのですが、
サイレントドラム(YAMAHA DTXPLORER)を叩くときは下階に
配慮が必要ですし、快適な生活環境や近隣に迷惑を掛けない
ためにも知っておく必要があると思い記録しておきます。
まさに、自分の為の備忘録です。
床の衝撃音に関する遮音性能を示す値として、L値があります。
Floor Impact Sound Levelが正式名です。
ちなみに空気を伝わる(伝搬)振動はD値です。
Sound Pressure Level Differenceが正式名です。
壁や部屋の遮音工事、防音ルームでD値は登場しますね。
床衝撃音の等級L値は2種類に分かれます。
LL値とLH値です。
LL値はL値のLight Weight、LH値はHeavy Weightです。
値は小さいほど遮音が良いです。
LHは重量衝撃音なので、足音や子供などの飛び跳ねる音で聞こえる
「ドン、ドン」といった低音が対象です。
LLは軽量衝撃音なので、玩具や物を落とした音や、椅子などで聞こえる
「コン、コン」といった中高音が対象です。
具体的には、
【重量衝撃音】
L-60/よく聞こえる
L-55/聞こえる
L-50/小さく聞こえる
L-45/聞こえるが意識する事は少ない
L-40/かすかに聞こえるが、遠くから聞こえる感じ
【軽量衝撃音】
L-60/かなり聞こえる
L-55/気になる
L-50/聞こえる
L-45/小さく聞こえる
L-40/ほとんど聞こえない
【生活環境】
L-60/スリッパの音が聞こえる、お互いに我慢できる程度
L-55/イスの音がうるさく聞こえる、注意すれば問題ない
L-50/イスの音が聞こえる、やや注意が必要
L-45/小さな玩具を落とした音が大きく聞こえる、少し気をつける程度
L-40/生活している気配はあるが気にならない、気兼ねなく生活できる
これらは日本建築学会により推奨されており、
マンションではLL-45、LH-50を推奨しています。
RCスラブに床材を貼るのが「直貼り床」
スラブと床材の間に緩衝材の入れる工法が「二重床工法」
二重床工法のうち、
スラブと床材の間に断熱材やモルタル、
発砲スチロールまどを入れるのが「浮床」、
ゴム材の上に支持ボルトを設置し、その上に床を張るのが「置き床」、
電車のレールのように枕木の上に床を張るのが「根太」です。
使用している緩衝材にもよりますが、
一般的に浮床が遮音性能が高いといわれています。
平成12年(2000年)に施行された法律で、
通称「品確法」と呼ばれる住宅の品質確保の促進等に関する法律では、
「住宅性能表示制度」が定められており、第三者機関によって評価を行ない
評価証を交付することとなっています。
施行当初は新築のみでしたが、平成14年(2002年)より中古物件にあっても
この制度が適用されています。
住宅性能表示は10分野30項目であり、このうち遮音性能については、
重量衝撃対策、軽量衝撃対策、透過損失等級(界壁)、透過損失等級
(外壁開口部)の計4項目です。
外壁開口部の透過損失以外は共同住宅のみ評価されます。
評価証には、設計の段階で交付される「設計住宅性能評価書」と
完成の段階で交付される「建設住宅性能評価書」の2種類あります。
なお、設計住宅性能評価書の交付がないと建設住宅性能評価書の
交付を受けることができません。
共同住宅における性能表示は等級が用いられ間ます。
【等級5】LH-50/LL-45
【等級4】LH-55/LL-50
【等級3】LH-60/LL-55
【等級2】LH-65/LL-60
等級が高いほど快適な生活環境であるといえます。
先日より楽器の音圧や界壁の遮音、
そして今回で床面の遮音について書いてみました。
何かの参考までに。