長年、指やあちこちに出来ていた「例のモノ」の正体がやっと判りました。
奈良に住んでいたときは、大学病院や大阪での専門医や京都の大きな病院で診てもらいましたが、診断にいたることはなく、「自己免疫性での皮膚疾患」の一種であろうということで、10年もの間ステロイド内服薬を飲み続けてきました。
長すぎたステロイドとの付き合いとその代償
多い時で1日1シート=10錠=5mgX10=50mg
人間の体内で自然に分泌される糖質コルチコイドの量は1日あたりプレドニゾロン5~7mgと言われているので、10倍もの量を内服していたときもありました。
しかしこれも1週間が限度と言われ症状が酷い時のみの処方です。
平均では5mgX4~6錠を服用していた時期が長かったでしょうか。
仕事を辞め、広島県に引っ越してきてから脱ステロイドを行い(医師の指示なく絶対に行わないでください)、症状が酷くなっても服用量を増やさず自然に治癒するのをまって薬に頼らないようにしました。
仕事を続けながらでは難しかったと思います。
時々、血液検査でコルチゾール値を検査していますが、現在でも3μg/dLから上昇することはありません。
通常の検査結果での適正範囲は 7.07~19.6μg/dL ですので、少ない人の半分、多い人と比較して1/6位しか分泌されていません。
コルチゾールは感染やストレス時に上昇して体調を維持するのですが、感染時でも高ストレス時でも3μg/dL以上分泌されないので、「平静を装う」のが精いっぱいで、正直、人の話も入ってきませんし、何を聞かれて何を答えたかも覚えていない時期がありました。
引っ越して1年は職に就かずひらすら症状に耐え、現れては消える「ヤツ」に翻弄されながらも、ステロイドを減量して離脱する。(医師の指示なく絶対に行わないでください)
それはそれは最悪な1年でした。
最近は低コルチゾールに体が慣れたのでしょうか、仕事に就き1年が過ぎました。
そして新しい土地で新しい病院やクリニックを受診し、たまたま検査にひっかかり、診断されました。
それが「皮膚T細胞リンパ腫」
血液検査、病変部位の病理検査、皮膚パンチ生検を行い確定診断されました。
病名が付くまで10年掛かりました。
ステロイドの代償として副腎委縮による副腎皮質機能低下症と引き換えに。
皮膚T細胞リンパ腫とは
血液は、赤血球、白血球、血小板といった「細胞成分」と、血漿と呼ばれる「液体成分」で構成されており、血液全体の約45%が細胞成分で、残り約55%程度が血漿成分です。
このうち白血球には、好中球、好酸球、好塩基球、単球(マクロファージ)、リンパ球で構成されています。
更にリンパ球だけ細分化してみるとT細胞、B細胞、NK細胞に分けることができます。
血液の白血球の成分であるリンパ球のうちのT細胞が“がん化”して増殖し、私の場合は皮膚に多くみられるので「皮膚T細胞リンパ腫」となります。
いわゆる悪性リンパ腫であって血液のがんの一種です。
皮膚T細胞リンパ腫は発症が潜行性で,ときには,生検を行っても診断困難な慢性のそう痒性発疹として現れることがある。この前駆症状は,最終的に皮膚T細胞リンパ腫と診断されるまで,数年にわたりみられる場合もある。
菌状息肉症の病変は斑,局面,または腫瘍結節を特徴とし,結節はしばしば潰瘍化して感染を起こす。(MSDマニュアル プロフェッショナル版より)
ほとんどの患者が診断時点で50歳以上であり,診断後の期待余命は7~10年で,無治療の場合も同じである。ただし,生存率は診断時の病期に応じて著しく異なる。IA期で治療を受けた患者の期待余命は,菌状息肉症がみられない同様な人々の期待余命と同程度である。IIB期で治療を受けた患者の生存期間は約3年である。III期で治療を受けた患者の生存期間は平均4~6年である。IVA期またはIVB期(皮膚以外の病変)で治療を受けた患者の生存期間は1.5年未満である。(MSDマニュアル プロフェッショナル版より)
私は今年で50歳、発症と思われる年から10年が経過しています。
まずはこの段階で期待余命が7~10年です。
問題の病期ですが、上の表は右クリックで別ウインドウで開くと大きく表示されると思います。
T が「T3:腫瘤形成 1 病変またはそれ以上」 であり、N、M、B が0ないし1なので病期は「IIB」に該当します。
そこで先の引用文をみると「IIB期で治療を受けた患者の生存期間は約3年である。」とあります。
余命3年といったところなのでしょうか。
治療はメソトレキセート錠2.5mgを2日に分けて合計7.5mg服用しています。
白血病の治療を目的とした場合、メソトレキセートは1週間に3〜6日、成人で5〜10mgの服用となります。
現在私が服用している量は中間的な内服量といったところでしょうか。
これまで皮膚症状が「悪化しては終息し、また悪化しては終息し」を体の何処かで大なり小なりいつも発生していたのですが、メソトレキセート内服開始から皮膚症状は改善し、それ以来、皮膚症状がこれまでのように悪化することはありません。
まだ2ヵ月目ですが薬が効いているといってよいでしょう。
ただし「IIB期で治療を受けた患者の生存期間は約3年である。」
治療を受けても3年らしいですね。
でも実感がありません。
まだまだ調べ足りていないのでしょう。
後半は更に掘り下げて余命を伸ばしてみます。(^^)
その前についでの検査で見つかった別の癌の疑いの話を。
PET-CT に写った別の癌
先ほど、悪性リンパ腫であって血液のがんの一種と書きましたが、医師もリンパ節やその他の臓器に癌がないかPET-CT で確認した方が良いというので撮りました
これは体を巡っているリンパ線です。
所々にある丸いところが「リンパ節」です。
PET-CT を撮ると症状が出ている皮膚の位置と体中を巡っている太い血管?リンパ?がサーモグラフィーのようにグラデーションで写っていました。
癌は糖を好むので放射線に糖をくっ付けて体に入れて撮影すると、糖を食べた癌細胞がCTに写ります。
・・・・腸にもなにかある。
PET-CT に写った結腸付近の赤い塊
PET-CT に写ったサーモグラフィーのような映像をみると結腸付近に赤い塊が写っています。
サーモグラフィーでいうなら熱々な箇所。
後に内視鏡で検査すると2つの小さいポリープと、ブロッコリーのように茎から生えたような肉塊が。
これは中心が癌かもしれないと医師は言います。
なかなかおぞましい姿をしています。
これは早く取った方が良いと。
ここまでが去年の話で、年が明けてすぐにポリープ2つと、この腸から生えたように伸びた茎とその先にある肉塊を内視鏡を使って切除しました。
病理検査に出していますが、癌ではなければ良いのですが・・・・。
取っちゃったからどっちでもいいか。笑
残るは血液の癌だけとなりました。
ここまで書いて(読んで)そもそも?
MSDマニュアル プロフェッショナル版では、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)
は菌状息肉症、セザリー症候群として記載されており、それをもとにすると菌状息肉症・Sézary 症候群のTNMB分類にたどりつき、余命3年と計算できますが。
しかし、別の専門クリニックを見ると「原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖症」についての記載に、原発性皮膚CD30陽性リンパ増殖症は、CD30陽性リンパ球の浸潤による皮膚T細胞リンパ腫で、多くはドーム状、局面状隆起した腫瘍、時には皮下の腫瘤として発症して、潰瘍化を伴うことが多いとのこと。
そして予後は一般的に良好と記載がありました。
ここでは、放射線療法が有効なことが多く、単発の場合は外科的切除が行われることもあるが、メソトレキセートが有効なことがあると記載があります。私が処方された薬です。
最近では、皮膚に広範に播種し、皮膚外に浸潤して再発・難治性の場合は、CD30抗原を標的とした抗体薬物複合体 アドセトリスで治療する事があると記載があります。
その他に「リンパ腫様丘疹症」というものがあり、大型で核異型を有する未分化、免疫芽球、ホジキン病類似の腫瘍細胞からなる慢性、再発性、自然消退性の皮膚限局性の疾患であり、と大型細胞が少なく、好中球を始めとする炎症細胞の浸潤を伴うとのこと。
直径数mm~1 cm大までの鱗屑と掻痒を伴う紅褐色丘疹や結節性病変が体幹や四肢に出現し、中心に壊死や痂皮を伴うことがり、それぞれの皮疹は2〜3週間で軽度の瘢痕と色素沈着を残して自然退縮すこと、また、年余にわたって繰り返し、新旧の皮疹が混在するとされています
リンパ腫様丘疹症の20%の症例では、菌状息肉腫、原発性皮膚型未分化大細胞リンパ腫、ホジキン病を続発することが報告されているとのこと。
私の場合は直径数mm~1 cm大までの鱗屑と掻痒を伴う紅褐色丘疹や結節性病変が体幹や四肢に出現し、中心に壊死や痂皮、潰瘍、腫瘤を伴うこと。それぞれの皮疹は2〜3週間で軽度の瘢痕と色素沈着を残して自然退縮すことなど、リンパ腫様丘疹症に近い症状です。
リンパ腫様丘疹症は、CD30 陽性の大型異型細胞に加え、赤血球漏出や好酸球浸潤などを認めるとあるので、私の病理からCD30陽性であったことにもあてはまります。
メソトレキセート内服でも治療を行うことからリンパ腫様丘疹症にも合致します。
しかし、T細胞が癌化していることには間違いないのです。
要は、皮膚T細胞リンパ腫ではあるけれども、菌状息肉症、セザリー症候群は発症していない、表面上ではリンパ腫様丘疹症に見える症状だけれども、病理検査するとやっぱり皮膚T細胞リンパ腫ということなのでしょうか。
実は階層があってそれぞれ内包しているものもあるのではないでしょうか。
病変部位の病理検査ではCD30陽性が出ていたので、これも気になるところです。
簡単に階層を調べてみると現在の症状によっての位置関係がわかりました。
階層と段階
結局のところ、私の場合は階層でみるとこのような感じになるのでしょう。
皮膚T細胞リンパ腫(私の診断名)
・・菌状息肉症
・・菌状息肉症のバリアントと亜型
・・・毛包向性菌状息肉症
・・・パジェット様細網症
・・・肉芽腫様弛緩皮膚
・・セザリー症候群
・・成人T 細胞白血病・リンパ腫
・・原発性皮膚CD30 陽性リンパ増殖症
・・・原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫
・・・リンパ腫様丘疹症(ここ?)
・・皮下脂肪織炎様T 細胞リンパ腫
・・節外性NK/T 細胞リンパ腫,鼻型
・・種痘様水疱症様リンパ腫
・・原発性皮膚γδT 細胞リンパ腫
・・原発性皮膚CD8 陽性進行性表皮向性細胞傷害性T 細胞リンパ腫
・・原発性皮膚CD4 陽性小・中細胞型T 細胞リンパ腫
・・末梢性T 細胞リンパ腫,非特異
皮膚T細胞リンパ腫である以上、どの階層のどの症状になってもおかしくはないのです。
また菌状息肉症、原発性皮膚CD30 陽性リンパ増殖症には下記のステージがあるようです。
紅斑期
発疹の時期は数年から数十年続き変化します。
扁平浸潤期
赤い斑は徐々に厚くなり、硬くなります。
腫瘤期
更に進行し、発疹の中にしこりが出来たり出血したり、潰瘍になったりします。
内臓浸潤期
この時期は数か月から数年続き、内臓に広がり臓器症状や発熱、倦怠感、体重減少が生じます。
私の場合は基本的に紅斑期のようですが、腫瘤ができたり潰瘍状になる場合があるので、紅斑期と腫瘤期を行ったり来たりしていました。
現在はメソトレキセート内服で治まっています。
内臓浸潤期のところで「数か月から」とあるのでこの期にあっては数か月で死に至るとも読めます。
今後の治療
検査結果の際に色々説明は受けましたが、細分化され理解が難かったです。
とにかく症状を抑えるためにメソトレキセートを処方するよ。←今ここ
改善がみられなかったらアドセトリスを試してみるよ。
症状が進行すると化学療法に移行するよ。
インターフェロンも視野に入れるよ。
最後の頼みは骨髄移植になるよ。
ただし骨髄移植は60歳までだからね。
そんな感じでした。
皮膚T細胞リンパ腫といっても、まだ菌状息肉症、セザリー症候群の症状がみられないので、先の病期には該当せず、今のところ、予後は一般的に良好といえるのでしょう。
ただし菌状息肉症、セザリー症候群がみられると先の病期に合わせると発症時点から余命3年。
異常リンパ節が発見されたり、異常リンパ球が5%を超えだすと余命1.5年が目安のようです。
また菌状息肉症、セザリー症候群以外の分類での発症も考えられます。
内臓に飛んだら最短数か月。
半年に1回、CTで異常リンパ節やその他臓器に変異がないか確認するそうですが、被爆量が増えるのであまりいい気がしません。
どうやら血液の癌でしかも希少ガンといわれているT細胞の癌に罹っていたようです。(^^;
職場の健康診断では「A」が多いのですが・・・・・。
わからないものですね。笑
コメント
ももさん、長い間いくつもの苦痛と苦しみがあったと思います。
そしてそれは当人でないとわからない想像を絶するものだったと思います。
今もたくさんの不安と共にあるのだと思うと、
何か強烈な強い魔法はないのか?とつい考えてしまうです…
ももさんとご家族があたたかくやわらかく強く今を過ごせるよう、心から願い、応援しております。
いつもありがとうございます。m(_ _)m
初期のうちは単なる皮膚炎とか自己免疫性とかで診断されることが多く、
検査をしても出てこないことが多いそうです。
進行すると病理検査や血液検査で診断できるそうですが、
採取した組織では発見できなかったり、皮膚炎症でも初期、中期、
治りかけ、のどのタイミングでの採取かで発見できたりできなかったり。
私の場合は、たまたま採取した組織に診断するに十分な
変異があったということで、別の炎症部位の採取組織では
診断に至らなかったかもしれません。
ブログに写真付きで出そうかと思いましたが、
流石に部位的にモザイクを掛ける必要があったり、
見せれる場所でもグロいのでやめておきました。笑
いつもご心配をお掛けしておりますが、
薬があったのか最近は落ち着いています。(^^)v